魔術では、簡単に言えば魔術の才能がずば抜けていた。私が真っ先に修得したかったのは、魔法の使い方と薬学だった。薬学は図書館の本で大体の知識はつけられるけど、本格的には難しいところがあった。魔法師団では、魔法と一緒に薬学の研究をしているらしい。

 私は一刻も早く魔法と薬学の知識を身に着けたい! そして、体中にできたこの傷を一刻も早く治したい!

 

 だけど、毎度のごとくここでも嫌がらせがあるのだった。特に、魔力を感じる練習の時がひどかった。師団長は騎士団長よりも、(イヤイヤそうだったが)かなり丁寧に教えてくれた。いわく魔力を体内に感じるのは、最初はかなり集中力を必要とするらしい。

 だけど、いざ集中しようとするとどこからか魔法が飛んでくる。練習を団長の目の前でしなくてはいけないため、魔力を感じるのに少し時間がかかってしまったのは仕方がない。魔力が感じられればこっちのものだった。


 魔法とは、しっかりしたイメージと、そのイメージを具現化するために適切な量の魔力を放出しないと発動しないらしい。そのせいで、なれないとどうしても発動までに時間がかかるらしい。けれど私は底無しの魔力と、鮮明なイメージでタイムロス0でどんな大魔法も瞬時に発動できるようになった。おかげで生傷が跡形もなく消えた。



 そんなチート能力のおかげで、地獄をなんとか乗り切っていた。けれどそれをよく思はないのがそれぞれの子供たちだ。彼らはすぐ私に実力を追い抜かれたことに対し、親から毎日お説教を食らっているようだ。ざまぁみろ! ・・・・・こほん。

 実は王女とも私は仲が悪い。と言っても相手が一方的に私を目の敵にしてるだけなんだけどね…。

 

 王女はことあるごとに私にマナーの練習を一緒にさせた。これは親切心からではなく、完璧な嫌がらせからである。何故なら私につく教師は体罰が大好きな教師で、少しでも間違えたら容赦なく鞭で打たれるらしい。メイドたちがわざわざ教えてくれた。

 だけど私は日本人! マナーを大切にするお国柄の人間である。しかも親からはためになると言われ、家でのご飯はすべてテーブルマナー講座とかす徹底ぶりの中で育ったのだ! 体罰教師がいちゃもんつける暇なく完ぺきにこなしてみせた。私の隣で私が鞭で打たれるのを、自分のマナー教師と今か今かと待ち続けてた王女の顔はとても面白いことになっていた。

 それを体罰教師に見られ、自分の教師とともに鞭で打たれながら再教育を受けていた。いい気味だ。体罰教師は王女の再教育を豚に報告し、こってり絞られたそうだ。


 それ以来私は目の敵にされている。自業自得なのに理不尽だよねぇ。

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