閑話1(キース視点)
俺は応接間で、魔王を倒すために呼ばれた女に初めて会った。
顔はまあまあだが、体は貧相だった。後、生意気だ。せっかく俺があいさつしてやったのに、あの女は俺が1番あこがれている父上をけなしやがった!
明日からの訓練覚えていろよ。もう2度とそんな口がきけないように、ぼこぼこにしてやる。
そんな気持ちで迎えた女との訓練。最初は手も足も出なかったくせに、数日後には反撃してくるようになりやがった。最近は、試合で1本も取れない日も出てきた。
「お前は俺の息子なのに、なぜ権を握ったことのない女1人に勝てない?」
しまいには父上から毎日ため息交じりに言われる始末。
くそっ! こうなったら、ほかの騎士団員も巻き込んでやる。
次の日から、ほかの騎士団員と一緒に女に嫌がらせを始めた。剣に細工して折れやすくしたり、不意打ちでわざと骨を折ってやったりした。次第に女の体は、傷だらけになっていった。
だが、まだ終わらせない。俺は最後に、騎士団員全員で女を襲おうとした。これは1回も成功しなかった。
毎回毎回あの女の幻術に翻弄されて失敗するのだ。そのせいで騎士団の団員全員が、男色だと城の者たちに思われてしまった。この俺がだ!
くそっ! ベルンにはあの女が魔法を使えないように、魔法の習得の邪魔をするように言っておいたのに!あいつはいったい何をやっているんだ!
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