第12話 軸

年齢を重ねると、一つ一つの選択に重さを感じることが多くなる。

自分だけで帰結できないことなら尚更だ。


やりたいこと・できること・やってあげたいこと。

これらは必ずしも同じタイミングで叶うわけではない。

寧ろ、タイミングの合わないことの方が、ずっとずっと多い。

選択肢が正反対にある時なんかは、本気で頭を抱えてしまう。


それでも立ち止まってはいられないわけで。

無い知恵を絞ってでも結論を出さなければならない。

自分の気持ちから目を背け、将来を見据えなければならないこともある。

結局は自分の身の丈か、それよりちょっと背伸びしたくらいの結論が、結果的に遠回りしたとしても、後にきっと一番納得できるのだと思う。



子供の進路についての三者面談を終えて。

自分の現状と数年先の予測と、今できることとできないこと。

捨てられないものばかりだったけれど、人一人の人生には変えられない。と決断した。

先の未来から今の私を見ている自分に軽蔑されないように。

自分のエゴで子供の将来の幅を狭めることがないように。

今は子供を軸に、自分の気持ちに厳しいくらいに折り合いをつけるのがちょうど良い。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る