内容まとめ_1章6節(33~41枚目)に相当

 本文は以下の構成になっており、それぞれの内容について、内容をまとめています。

 また、ここで言及しました作品固有の用語・陣営・登場人物などは解説集として、別枠で投稿しています。

 詳しい内容はそちらでご確認のほど、よろしくお願いいたします。

 ただし解説集は各章の最新および全体の最新に合わせた内容で更新しています。

 ここで語る以上のネタバレを理解した上でご確認のほど、よろしくお願いいたします。それを望まない方は解説集の閲覧を御遠慮ごえんりょしてくださいますよう、よろしくお願いいたします。


【構成】

・本編-文庫本換算ページ数

・本編-大まかな内容

・町の様子

仮面暴徒ブレイカーの被害と構成員たちの心情

仮面暴徒ブレイカーが取る新たな方針

仮面装属ノーブルの被害と総司令官が抱く不安

仮面装属ノーブルが取ろうとする新たな方針


【本編-文庫本換算ページ数】

 138ページ。


【本編-大まかな内容】

 昨晩の出来事により、方針転換を余儀なくされた仮面暴徒ブレイカー仮面装属ノーブル、それぞれの陣営の視点で描いています。


【町の様子】

 昨晩の大火により、町はボロボロだった。

 取り囲むへいが焦げつき、町の奥にある屋敷周辺を除けば、ホコアドクは町の原形がなくなっていた。建物は崩れ、燃えカスしか残っていなかった。瓦礫がれきはなく、残留するカスも風のあおりを受けて、散り散りだった。

 仮面暴徒ブレイカーの人質になっていた、その場所に住まう人たちもその出来事に巻き込まれ、この世から去った。逃げる暇もなく、命が炎に召し上げられた。

 また昨晩の突風により、町の外もボロボロだった。

 仮面暴徒ブレイカーを討つべくとして、仮面装属ノーブルが構えていた場所も酷く荒らされていた。物理的にも人員的にも酷かった。住まいの組み立て直し、負傷者の治療、周囲に散らばった物品の回収など、復旧にはげまなければならないほど、布陣が大きく崩されていた。


仮面暴徒ブレイカーの被害と構成員たちの心情】

 人員的被害は大したことがなかった。首領の命令により屋敷に留まっていたため、命を散らすことはほとんどなかった。屋敷とその敷地内に炎が及ばなかったため、被害にわなかった。

 ただし町唯一の門にいた者たちは無事では済まなかった。

 見張りとして配置していた4人は火事に巻き込まれ、死に至った。それ以外であれば、皆、健在である。

 しかし精神的苦痛を抱えていた。

 仮面装属ノーブルに対する基本骨子が大きく揺らぎ、勝算が薄くなり、慌てふためいていた。

 火災により町並みと人質を失い、地の利を活かした戦法が取れなくなったため、仮面暴徒ブレイカーの構成員の多くは落ち着きを失くしていた。

 屋敷に直行できない町並みを利用した、相手の侵攻を遅れさせる作戦や物陰ものかげから攻撃する作戦、さらに人質である町の人たちを盾にして、仮面装属ノーブルの攻撃を防ぐと同時にその行動を躊躇ちゅうちょさせる作戦が台無しになったため、狼狽うろたえていた。混乱の極みに達し、逃げ出したい気持ちでいる者もいた。

 しかし役どころに就く副首領と現場監督兼執行者の2人、そして役どころに就いていない、仮面の適合者バイパーの資格を持つ者たちがにらみを利かせ、屋敷から飛び出す者たちを出さなかった。

 首領が新たな作戦を考える時間を稼ぐため、踏ん張っていた。暴動を抑えていた。


仮面暴徒ブレイカーが取る新たな方針】

 事前に立てた、対仮面装属ノーブルの作戦が崩れた以上、新たな作戦を考える必要が出てきた。地の利が消え、人質がいなくなり、そして我が儘を振る舞える土壌どじょうを失った以上、新たな方針を打ち出す必要が出てきた。

 今すぐ逃げるのも1つの手ではあるものの、町の外にいる仮面装属ノーブルが厄介である。大した策もなく、特攻を仕掛けても、蹴散けちらされるだけである。今、手元に残っている人員や仮面などの財産を無駄に手放すだけである。

 しかし屋敷にこもったままでいても形勢が不利に傾くことは分かっているため、策を以った、ホコアドクからの脱出を首領は狙っている。

 それを成功させるためにも仮面装属ノーブルを誘い込むつもりでいる。攻撃と守備に戦力を分けさせ、向かってきた敵を負かしてから町を飛び出す。

 町唯一の出入口を突き破るため、手薄くさせる作戦を取る。追手が来ないように足を奪う作戦を取る。

 情けなく逃げてきたと周囲に思わせないために悪逆さを演出する作戦を取る。新天地であなどられず、容易に脅威きょういを植えつけられる作戦を取る。

 利益を保持したいコレクターの意見を取り入れつつ、首領は今後取る作戦を話した。

 ヴィンヴィロード、潜入時はレクタを名乗る者はコレクターから怪しく思われているものの、役に立つ手駒を捨てたくはないため、首領は彼との協力関係を維持する。仮面暴徒ブレイカーを裏切っておらず、また仮面装属ノーブルから見限られていないと判断するだけの理由もあるため、処分しなかった。

 また仮面暴徒ブレイカーに売り込みに来た闖入者ちんにゅうしゃ、クスディ・ドーハとも手を組んだ。

 仮面装属ノーブル仮面暴徒ブレイカーの騒動に関わりたいだけの野次馬であり、仮面暴徒ブレイカーを裏切る可能性がある。猛牛の仮面の適合者バイパーを気絶させて、首領たちの前に現れたことからして、信用が足らない。手を結ぼうとしているにも関わらず、関係に亀裂きれつを入れる行動を起こすから、当初は警戒していた。

 しかし自身が見に着けていた物と武器となる仮面を全て差し出し、仮面装属ノーブルに寝返っても命が脅かされることが変わらない事実を示し、さらに殺されることすらも容認する態度を見せたから、仮面暴徒ブレイカーに迎え入れられた。

 どこで役に立つのか分からないため、首領は味方に加えた。余計な真似をされ、自分たちの首を絞める結果になるかもしれないため、監視下に置くことにした。


仮面装属ノーブルの被害と総司令官が抱く不安】

 仮面装属ノーブルは500人近い人員で部隊を編成して、ホコアドクに出向いていたものの、そのうち100人近い人員が任務への不参加が余儀よぎなくされた。昨晩の突風のあおりにより、前線で体を張る者・支援で前線を支える者たちの数が減らされ、残った者たちに負担を強いることになった。

 さらに昨晩の出来事により、テントは壊され、飲食物や医療品や武器などが散らばり、使えなくされたものが出てくる始末であった。

 人員よりも物資が致命的だった。仮面の適合者バイパーで退場する者はおらず、指揮官を失わなかったため、戦力的に決定的な差を生むことにはならなかった。

 それは幸いであったものの、生命活動を十分に回すためのエネルギー補給や損傷の回復促進が不足する事態になったため、任務に支障が生じないか不安を覚えた。手配しているものの、窮地きゅうちに陥るかもしれないと思い始めた。

 さらに町が炎で荒らされ、仮面暴徒ブレイカーが展開するはずだった作戦が崩れたため、仕掛けてくる可能性が浮上した。

 好戦的な首領がいることから、その行動は時間の問題だと思われている。

 もしも攻められでもすれば、仮面暴徒ブレイカーに破れかねない。

 合流予定の12名が到着していなければ、戦局が厳しくなることは間違いなく、劣勢に追いやられてしまいかねないと思っている。奮闘しようが、警戒しようが、物資が不足する中でそのような活動を行えば、さらに消耗することに違いはなく、時間が経過するほど、不利になっていくことは間違いなかった。


仮面装属ノーブルが取ろうとする新たな方針】

 町の外に出てきたヴィンヴィロードから仮面暴徒ブレイカーが今晩にも突撃してくることを聞き、さらに首領と数人が別で逃げることを聞き、キハルは対応を考えていく。自分たちの戦力が勢揃いしていない中、町唯一の門を抜けて、仮面装属ノーブルと交戦している隙に首領たちはへいを登り、その反対方向へと行く計画を聞いて、キハルは対応を悩んだ。

 よりよい作戦を取るためにも、彼はヴィンヴィロードにも話を伺った。

 そのときに出たのが距離を詰めて、出鼻をくじくことだった。先に仕掛け、想定していた状況とは異ならせ、首領の行動を急かさせる。

 戦禍を持ち込んだところで首領は取り乱さないだろうが、一緒に逃げる者たちは不安がるだろうと思っている。その気持ちを鎮めさせるために首領に早めに行動を起こさせる。見落としが起きるくらいの騒動にした上で。

 そのとき、予め構えていたキハルが首領を討つ。逃げ出したところを襲撃する。指揮官としての役割を副司令官に引き継ぎ、戦闘面を強く打ち出した方針を提案した。

 ただし予定していた場所に首領が来なければ、逃げられるだけであるため、キハルとは別にもう1人、戦闘局マーシャルパーティー第四等級熟練者フォース・エキスパートのセリュ・トーリも配置することを提案する。

 首領を足止めするための時間稼ぎの要員として動員し、予想外の穴を埋めるように勧めた。

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