内容まとめ_1章4節(25~29枚目)に相当

 本文は以下の構成になっており、それぞれの内容について、内容をまとめています。

 また、ここで言及しました作品固有の用語・陣営・登場人物などは解説集として、別枠で投稿しています。

 詳しい内容はそちらでご確認のほど、よろしくお願いいたします。

 ただし解説集は各章の最新および全体の最新に合わせた内容で更新しています。

 ここで語る以上のネタバレを理解した上でご確認のほど、よろしくお願いいたします。それを望まない方は解説集の閲覧を御遠慮ごえんりょしてくださいますよう、よろしくお願いいたします。


【構成】

・本編-文庫本換算ページ数

・本編-大まかな内容

仮面暴徒ブレイカーを討伐に来た仮面装属ノーブルがホコアドクに到着してからの町の人々の大多数の反応

・大多数の町の人々とは違う行動を取る、お嬢様と執事見習い

・大多数の町の人々とは違う行動を取る、何でも屋

仮面の暴走獣バーサーク


【本編-文庫本換算ページ数】

 72ページ。


【本編-大まかな内容】

 仮面暴徒ブレイカーおそれる大多数の町の人たちと比較しつつ、仮面暴徒ブレイカーの思惑に従わない者たちを描いています。


仮面暴徒ブレイカーを討伐に来た仮面装属ノーブルがホコアドクに到着してからの町の人々の大多数の反応】

 町の人たちは統治機構の仮面装属ノーブルが町に来ても、相も変わらない。目立った行動を起こさない。

 仮面暴徒ブレイカーを本気で討伐できる存在が現れても仮面暴徒ブレイカーの警備が緩くなったわけではない。町の外に陣地を築く仮面装属ノーブルを監視するためにも門に張り付いている。状況に即した行動を取るためにも彼らは警戒している。

 平時と変わらず、持ち場を離れないから町の人たちは躊躇ちゅうちょしている。

 普段と違い、町の外に仮面装属ノーブルがいるから、そこを抜けさえすれば、逃げられる可能性は十分にある。仮面装属ノーブルとの交戦を考えれば、戦力差がおと仮面暴徒ブレイカーが損耗を抑えるのは当然と言える。

 その事を頭に入れると、執拗しつように追いかけて来ないことが予想できる。やるだけの価値はある。

 しかし町の人たちと仮面暴徒ブレイカーの力関係がひっくり返ったわけではない。

 1年以上に及ぶ被害により畏れを体に刻み込まれている。立ち向かっても痛い目にうと分かりきっているため、行動を起こさずにいる。

 また近くに仮面装属ノーブルがいるわけでもないため、大人しくしている。

 反抗しようにも仮面暴徒ブレイカー牽制けんせいしてくれる存在が町の中にはほとんどいない。そのような状態で騒ぎを起こしても潰されるのが落ちである。苦痛を味わうだけである。

 だから町の人たちの多くは静観している。

 それに行動を起こすのは仮面暴徒ブレイカーが弱体化してからでも遅くない。今までの恨みを晴らしたいと考えているのなら、安全が確保されてからの方がいい。痛めつけられる心配がなくなってからの方がいい。わざわざ危険を冒してでも行動しなくてもいい。

 そのような考えを抱いてもいるから、自身にむちを打つ真似をしない。無理に行動しなくても大きな問題がないため、控えている。


【大多数の町の人々とは違う行動を取る、お嬢様と執事見習い】

 仮面暴徒ブレイカーによって人生を狂わせられた内の1人、フランネ・フルスワット。

 ホコアドク随一ずいいちの資産家のお嬢様だったが、仮面暴徒ブレイカーが町に襲撃してきたことにより、町にあった、ほとんどのものを失った。

 別邸とその場所にあったもの、そして執事見習いのビルガー・ピルク。

 それ以外を仮面暴徒ブレイカーに奪われた。

 最初はフランネも他の町の人たちと同じように仮面暴徒ブレイカーに逆らわなかった。自分ではどうすることもできないと思い、また痛い目にもいたくなかったので、町の一部の人たちが起こした反逆には参加しなかった。

 しかし許嫁いいなずけが救出に来ると信じて待っていた、半年間だけ。

 いつまで待っても助けに来なかったから行動を起こした。自ら行動を起こさなければ、救われないと思い、許嫁いいなずけを助けに来ない殿方を見限った。

 それ以降は仮面暴徒ブレイカーに対する反抗行為を行っている。町の人たち、誰もが行わなくなった活動をビルガーと一緒に行っている。彼女がしずめていた怒りがよみがえり、町の人たちに協力をお願いしつつ、自分のできる範囲の行動を起こしている。

 しかし決起したところで彼女に卓越したものがないことには変わりない。

 本人も自覚しており、備わっているのであれば、先の集団活動による反逆に参加している。

 だからできる範囲内のことしか行っていない。

 討伐の足掛かりになるかもしれないため、町で起きる仮面暴徒ブレイカーの理不尽を紙に残している。誰からも指摘されていないため、情報としてまとまってもいない。ストレス発散の一環として、ビルガーがやらせていたから、そこは真面目に口出されていない。気分を紛らわせ、達成感を得らせるために作成させていたから、当然と言えば、当然である。

 下手に暴力沙汰ざたに持ち込ませないためにやらせていた。戦闘技術に精通していないフランネを仮面暴徒ブレイカーに向かわせても成果はない。危険な目にってほしくないとも願っているため、直接手を出すことはさせていない。

 武力行使は他の者に任せていた。外から来た、仮面暴徒ブレイカーを倒しうる可能性がわずかにもある者にお願いしていた。別邸を宿代わりにして、また性欲のけ口として体を差し出して。おだてて、相手をその気にさせていた。フランネは気乗りしなかったが、町に巣食う暴力組織を排除するため、ムカつきながらもはげんでいた。彼女に仕えるビルガーは気乗りしなかったが、黙認していた。

 このように無闇に仮面暴徒ブレイカーに逆らっていない。表向きは従うフリをして、ひっそりと動いている。危険なことは冒さないで欲しいと願うビルガーとの約束を守り、行動している。約束に背くようであれば、止めさせると言われているため、それに則った反抗活動にはげんでいる。

 しかし抑制されているせいか、仮面暴徒ブレイカーを片付けられずにいる。

 排除に結びつく行動が取れているわけではないため、仕方がない。圧倒的に手が足りていないから結果に至っていない。

 だから町の人たちに助力をお願いしているわけだが、誰も協力しない。

 毎日訪れても良き回答を得られていない。町の人たちに距離を取られている何でも屋からも同様であった。取りつく島がなかった。

 仮面暴徒ブレイカーを討伐に来た仮面装属ノーブルが町に到着したときも同じ反応だった。心強い存在が現れても誰も彼女たちに協力しなかった。

 町を見回っていた仮面装属ノーブルに協力関係を持ちかけてもあしらわれた。今までまとめた情報を渡せたのが精一杯であり、それ以上のことはできなかった。仮面暴徒ブレイカーの討伐にめずにいた。

 その日に受けた屈辱くつじょくにより、彼女は仮面暴徒ブレイカーに直接対峙たいじする道を選択した。今まで、思い通りにいかなければ、ビルガーにぶつけていたが、今回はそれで収まらなかった。積み重ねた苛立いらだちを我慢できなかったため、彼との約束に背いた行動に打って出た。

 その暴挙をビルガーは止めようとしている。フランネに訪れるであろう最悪な未来を打ち砕くため、行動している。


【大多数の町の人々とは違う行動を取る、何でも屋】

 ある場所での暮らしを夢見る、クリント・チュートとサンドラ・プラーネ。そこに到達するためにも、いかつい中年男性と推定15才の少女、親類に当たる2人はホコアドクで何でも屋を営んでいた。

 しかし仮面暴徒ブレイカーの襲撃のせいで夢は遠のいた。

 貯めていた財産は没収され、生きていくことが厳しくなった。町の人たちも酷い目にっていたため、依頼は舞い込まなかった。何でも屋に金を回すだけの余裕がなかったため、稼ぐのが困難になるのは当然だった。

 窮地きゅうちに立たされても2人は夢を諦めなかった。

 だから仮面暴徒ブレイカーに逆らわなかった。

 逃げ出せる機会は必ず訪れる。仮面暴徒ブレイカーを始末するため、仮面装属ノーブルが来ることは容易に予想できた。想定よりも遅かったが、仮面装属じぶんたちの利益を奪い取る輩を見逃さないことは分かっていた。

 確信があったため、何でも屋は生き抜いてきた。死なないために抵抗しなかった。

 多少の武力を心得ていたクリントだが、仮面暴徒ブレイカーには向けなかった。警戒されたくなく、殺されたくなかったため、隠していた。ホコアドクを牛耳る暴力組織をその力で片付けられるわけでもなかったため、表に出さなかった。

 余計な面倒事を抱え込みたくもなかったため、反抗活動にはげむフランネとビルガーの依頼を断っていた。仲間だと思われ、処分されたくなかったため、あしらっていた。

 とにかく生き残ることを前提に行動していた。

 幸いにも生計は仮面暴徒ブレイカーのお零れで立て直せた。金銭を報酬とした依頼が舞い込んでいたため、仮面暴徒ブレイカーの討伐に来た仮面装属ノーブルが町に到着した今日まで生きてこられた。

 こびを売る他の者たちと同じように自ら動いたわけではない。目立ちたくなかったから関わりたくもなかった。逃亡の際の足枷あしかせになり得ると思い、距離を取りたかったが現実はその通りにならなかった。

 相互の合意の下で依頼を受けていたものの、手広くやっていたことには違いない。専門とする仕事を請け負っていたわけではないため、仮面暴徒ブレイカーに目を付けられた。割と融通が効く稼業だったために。

 そのため、必死になった。仮面暴徒ブレイカーの利益になるように働いた。気に入られ、処分されないように胡麻ごまった。町の人たちとの関係を悪くしてでもはげんだ。

 クリントはこの町を離れる気でいたから心証は気にしていなかったが、サンドラは居たたまれなかった。心苦しかったが、夢のため、諦めていた。

 そんな彼らも仮面暴徒ブレイカーに全く逆らわなかったわけではない。

 現実的ではないことを依頼されたときは断っていた。下手を打った者たちの末路を知っていたため、受けなかった。

 その代わりに別の方法で利益を上げることを提案していた。代替案を示しつつ、地面に額を擦りつけて、頼み込んだ。拒絶だけしていれば、処分されることは分かり切っていたため、そうならないように道を模索していた。

 一応、実績を上げていたため、そのままは許されていた。罰として痛めつけられたものの、執拗しつように攻められなかった。それで手打ちにされていた。

 後、サンドラが犯されそうになったときにも抵抗していた。クリントにとって、商売上、必要な人材であり、また身内の1人だったため、割って入った。自分が痛めつけられる前提でかばっていた。

 利益を上げられなくなるかもしれない配慮はいりょから、そのままも許されていた。本気で凌辱りょうじょくしたかったわけでもなく、また仮面暴徒ブレイカーを傷つけに走らなかったため、見逃されていた。

 それらを除けば、受け入れていた。何でも受け入れていれば、無理がたたり、計画に支障が出るため、仮面暴徒ブレイカーの機嫌を損ねないよう、やり過ごした。

 そして作戦を決行する日が訪れた。

 仮面暴徒ブレイカーの討伐に来た仮面装属ノーブルが町に到着した日に動いた。仮面暴徒じぶんたちの存在が危ぶまれる仮面装属てきに注意が向いているすきに町から脱出する作戦を実行する。

 しかし途中で仮面暴徒ブレイカーに見つかり、屋敷に連れて行かれそうになる。

 ここで連れて行かれれば、今までの我慢は水の泡になるため、クリントは仮面暴徒ブレイカーを倒した。隠していた武器、仮面の暴走獣バーサークの姿になり、素早く片付けた。仮面の適合者バイパーに匹敵する力を以ってして、その場を制した。熊の性質を以ってして、大立ち回りを演じる前に終わらせた。

 本当であれば、門を潜る際の襲撃で明かすつもりだったが、捕らわれるわけにはいかなかったので予定より早く解禁した。門で待ち構える仮面暴徒ブレイカーを出し抜く策で目の前に現れた2人を倒した。

 しかし3人目は対応できなかった。

 抵抗らしい抵抗もできずに終わりを迎えた。

 突然現れた仮面暴徒ブレイカーの首領の懐刀、レオレ・トフィー(本名:ヴィンヴィロード・アマステマイ/仮面装属ノーブルから派遣された密偵)により計画は頓挫とんざした。どのような方法で何でも屋2人を眠らせたかは分からないが、仮面に宿る性質を利用したことは間違いない。

 仮面の適合者バイパーでなければ、階級ランクは授けられないし、また仮面装属ノーブルの本部で諜報局サイレント・パーティーをまとめる役職クラスに就けていない。

 そのことを考えれば、自然と仮面を使ったと分かる。

 それでも性質の正体には迫れない。

 現場にいるときの身形みなりが捉えられない。そこから連想することもできずにいるため、判断を難しくさせている。

 分からない事情はさておき、何でも屋2人の自力による逃走はここで幕を下ろす。


仮面の暴走獣バーサーク

 元々星に存在した生命体ではなく、仮面がばら撒かれた後に誕生した生命体。仮面の適合者バイパーに姿を変える仮面を被らずとも、仮面に宿る性質を扱える。内に宿すものを活用することでその体現を可能にし、さらに自身に相応しい仮面を被れば、その性質も扱える。

 外見は己の意思で変えられ、内に宿す性質を扱うに相応しい姿で過ごす者や人間に近しい姿で過ごす者もいる。変異点さえ目立たせなければ、人間社会で暮らすこともできる。

 しかし大きさはそこまで融通が効かない。

 調整はせいぜい一回り・二回りが限界。本来の姿を基準にしているから極端に大きくも小さくはならない。

 そして内に宿る性質を発揮する場合は本来の姿に戻るのが最善である。

 内に宿る性質に耐えきれない可能性と生存することを前提にしていれば、それを扱うに相応しい姿に戻るのが好ましい。

 調整次第では姿を変えたままでも内に宿る性質は行使できるものの、真価を発揮させるのであれば、本来の姿にならなければならない。体質さえ手にできていれば、前者はどうにかなるものの、後者の場合はどうしても避けきれない。

 その辺の事情は仮面の適合者バイパーにも言えることである。形態変化も取り扱える性質も大した差はない。

 ただきっかけが違う。

 仮面の適合者バイパーの場合は仮面を被らなければ、その芸当はできず、仮面の暴走獣バーサークは自身の制御次第。いきなり変態に持ち込める仮面の暴走獣バーサークの方が戦闘にいて、有利である。生半可なまはんかではない存在に立ち向かう準備が整う前に殺されるのは珍しいことではない。

 その分、エネルギー消費が激しい。仮面の適合者バイパーにも言えることではあるものの、負担は仮面の暴走獣バーサークの方が大きい。

 内に宿る性質の保持、形態変化する手順の保持、その変化を実践することの保持を仮面に肩代わりできない以上、避けることはできない。生存に関わることなので切り離せない。

 大食漢であるのが悩みの種である。

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