彼女に逢いたい〜to another world〜

俺は柳田宗介(やなぎだそうすけ)。


俺には彼女がいた。


彼女の名前は美樹。交通事故で亡くなった。


そして俺は毎日ぼーっとしていて抜け殻みたいになってた。


バイトも辞めてしまった。


ただただ彼女に逢いたい。


またあの日の約束を果たしたい。


そう思う毎日だった。





さすがに今日は食料を買いに行った。


あまり食欲もわかないけどとりあえずカップ麺でも買っておいた。


彼女の事を考えていても彼女は戻ってこない。


そんな事わかっていたさ。


だけど何よりも大切な存在だったのだ。





今日も真っ暗な中ずっと病んだようにしていた。


彼女の大好きな笑顔。


思い出しては涙が出る。


いつもニコニコしていて優しく、俺が悩んでいても相談にのってくれる僕の心の支えだった。


でもいない。


ただ部屋には時計の音が鳴るだけ。





そして約束。


それは俺がいろいろと安定したら結婚しようと言った事だった。


指輪が2つ。


指輪を見て涙がこぼれ、涙が指輪に濡れ眩い光を放つ。そして女神の様な女性が出てきた。


「こちらの世界はわたくしがお受けいたします。」


「こちらの世界?何のことだよ。」


「あなたに似た人が別の世界にいたのです。そしてその方が最後にあなただけでも夢を叶えてあげて欲しいと申されたので来ました。」


「その人って誰だ?」


「あなたによく似た人です。柳田兼也。もう天国に行かれた方です。」


なんなんだよ。勝手に何か頼んで別の世界って、訳わからねぇことばかりじゃねぇかよ。


「帰ってくれないか。俺はそれどころじゃないんだ。」


「わたしがもし彼女を生き返らせると言ったら?どういたします?」


嘘だ。そんなありえねぇ。でもこの人は人間とは思えないしな。試す価値はあるか。


「わかった。生き返らせてくれ。」


「わかりました。その代わり...」


「その代わり?」


「彼女と子供を作り、その子の名前を兼也と名付けてください。」


よくわからんが彼女が生き返るならそれでも構わない。


「わかった。」


「ありがとうございます。それでは。」


眩い光が放つ。そして天から降りてきたのはあの亡くなった彼女だった。


「おい!美樹!」


「あぁ...宗介。」


本当に生き返った。驚きで言葉が出ない。


「それでは。」


「あんた!本当にありがとう!」


そしてその女神の様な人は消えた。






俺たちはその女神の様な人と約束通り子供が産まれ兼也と名付けた。


そして兼也は好きな人ができたらしい。


彼女の名前は凛ちゃん。


なんか不思議とこの2人は昔から愛し合っていたかの様に見える。


でもまあそれだけ仲がいいのはいいことだ。


とにかく。あの女神様には感謝しかないです。


ありがとうございました。








柳田様御一家お幸せに。


そして兼也さんと凛さん。今度こそ2人で成し遂げられなかった人生を送ってくださいね。








女神より。





















彼女に逢いたい〜to another world〜  終















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恋愛から始まる僕の短編集 shota @0382

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