ティエルマ城の物語

「おい親父!」


「親父ーーー!!」





「おい!大丈夫か!?立てるか!?」


「私よりも王子...早く逃げて下さい...」


「何言ってんだよ!」


「いいか!?絶対死ぬなよ!」





はっ!!


夢か。


最悪のシナリオだったぜ。






俺はミリオン。ミリオン・アイ・バランバル。


このティエルマ城の王であるライアガルの息子だ。


今まで平和に過ごしてきた。


新しいメイドを見てはじろじろみたりと、ちょっとエッチな王子さ。


そしてライアガル王、親父にバレないようにいつも街にうまいこと出てみたりして悪戯っ子でもある。


今日は鎧だ。


一般兵を装って堂々と出る。


そして門を突破できた。


やった!また街の女の子と遊べる!


そしてこそっと鎧を外してこの時のために用意していた民間人と同じ服装で堂々と歩いた。


そしたら優しそうで可愛い女の子発見!


「やあ、お嬢さん。」


「あら、かっこいいお兄さん。」


「お嬢さん名前は?」


「ミルです。」


「ミルちゃんか可愛い名前だね。」


「じゃあこのパンと、このパン...」


「この4つ買うよ。」


「ありがとうございますお兄さん。」


そして俺は食べながらその女の子といろいろ話した。


楽しいし相手は可愛いし最高の気分だった。


やっぱ自由な街はいい。


うちのメイドじゃあ個人的な話はできないもんな。


「あっそうだ!いいもの見せてあげるよ!」


「えっなんですか!?」


そして俺は手に何も無い状態を見せ、いきなり鳩を3匹だした。


「わっすごい!」


「まだまだ!」


するとトランプもだした。


そしてトランプのマジックをいくつかし、女の子は楽しそうにしていた。


「これどうやってできるんだろう!」


「すまないが秘密だよ。」


「もーお兄さんたらっ。あはは。」


楽しいな。


あっ!でもやばい。ランチの時間だ。


「あっごめん!ちょっと俺約束があって!帰るね!」


「あのお兄さん!お名前は?」


「ミリオン!」


しまった本名出しちまった。


それより早く帰らないと。


「ミリオンさんまたマジック見たいです!またいらして下さい!」


「おっす!じゃあまた!」


そして俺はその場を去った。


「ミリオンさん?あのミリオン王子と同じ名前...そんなはずないわよね。あはは。」






そして俺はまた鎧を着て堂々と中へ、しかし中に入ったところで父上がいる。


顔が怖いな。


「ミリオンだな。」


「いや一般兵であります!」


「ならばその頭の鎧を取ってくれるか?」


「いや自分は風邪気味なのでやめた方がいいかと。」


「風邪気味?そんなやつはここにはおらん。」


しまったー。まずいな。


「早く取りなさい。」


「はいはい親父。」


そして取った。


「バカ者が!命の危険性も感じないのか!」


そしていつもの如く30分説教。


でも俺の魔法剣ならそこら辺の奴なんざ雑魚当然だがな。


「すみませんでした。」


「いつもいつも全く。父親の身にもなってもらいたいものだ。」


あぁー退屈な部屋にまた戻った。


つまんねぇ。


よし。ここはひとつ。鎧兵の頭をピコピコハンマーで叩きに行ってやろう。


そしてピコピコハンマーを何もない手からだした。


そして後ろからめちゃくちゃな速度で叩きまくった。


「あはは!気持ちいいー!」


そして親父にバレてまた説教。


そして強制的に部屋へ。


「えい!くそ!」


ちなみに俺の手品にはある秘密があってしてるんだ。


その秘密ってのが一部のものを生み出す能力。


その生み出したのを消すことだってできるのさ。






そしていつの間にか俺は眠った。


コンコン!


扉から音が...


コンコン!!


えい!くそ!眠いがな!


コンコン!!


「ただいま睡眠中でーす。」


そしてそのノックをする者が瞬間移動で入ってくる。


「ミリオン王子。稽古の時間ですよ。」


「あぁリバイアか。ちょっともう眠い。今日辞めた。」


「わかりました。」


するとリバイアがピコピコハンマーで俺の頭を叩きまくる。


「あー!もう!俺王子だよ!?普通そんなことする!?」


「ライアガル王からは許可を得てますので。先程ミリオン王子は兵になさいましたよね?」


「わかったわかった。俺の負け。稽古ね、わかったよ。」


そして稽古場にリバイアと行った。


「ではミリオン王子。いきますよ。」


「あぁこい。暇つぶしにしてやらぁ!」


そして俺は戦闘のみ許される魔法剣を出した。


今回はブリザードソード、いわば氷の剣だ。


「そらっ!」


しかし、いつもみたいにリバイアは瞬間移動を使い避ける。


「そんな単純な考え方ではダメだといつも言ってるではないですか。」


「じゃあどうすりゃあいいんだよ!?」


「相手の一瞬で行動を読むのです。」


なるほど。瞬間移動をし始める一瞬でどこの辺りに行くのかを見極めるのか。


今日はついてるのかやっとわかった。


やっと剣を交えられそうだ。


そして、


「ここだっ!!」


カチンッ!!!


「お見事ですミリオン王子。」


「やった!やっと捉えた!」


「では今日はご褒美にミリオン王子の大好物のメロンと10種のフルーツを使った特大パフェを御馳走します。」


「まじ!?やったーー!!」


今日はいい日だ!ミルちゃんとも会えたし、リバイアと前とは違い張り合えるようになったし、それに特大パフェ!





そしてパフェが出てきた。食べてみた。最高に美味しかった。


「うまいよリバイア!」


「ミリオン王子が少しでもこの王宮にいてよかったと思ってもらいたいのです。」


「リバイア...お前いつもすんげぇ優しいよなぁ...」


俺は涙を流しながらパフェを食べた。







そして翌日。


今日はどうやって街に行こうか。


ミルちゃんに会いにいきたい。


リバイアには悪いがどうしても行きたい。


そうだ!


俺は部屋にあるガラクタで飛行物体を作った。


そして、空を飛んだ。


「ヤッフォーイ!気持ちいいぜ!」


そしてまた民間人の服装に着替えてミルちゃんに会いに行った。


「こんにちはー。」


するとおばさんとおじさんが、


「まだ帰ってこないのよ。」


「心配だな。」


「あのー。あのミルちゃんいませんか?」


「あのすみません。うちの娘は今日の朝にフナクサの森に行ったまま帰ってこないんです。」


なんか事件の匂いがするな。


「じゃあわかりました。また来ます。」


と俺は言ってフナクサの森を探し出してその子を探しに行った。


すると、


「助けてーー!!」と聞こえる。


ミルちゃんじゃないのか!?


そして見つけ出すとそこにはオークという獣がいてミルちゃんを木に張り付けていた。


「オーク貴様!」


「ミリオンさん危ないですよ私のことはいいから逃げて!」


そして俺は魔法剣をだした。炎の剣、インフェルノソードだ。


オークは棍棒で襲ってきたが遅く、余裕でかわした。


「これくらい!リバイアとの稽古と比べれば!」


そして俺はオークを炎の一撃で切って倒した。


「大丈夫かい?」


といい縄を解くとミルちゃんはすぐに俺に抱きついた。


「一生の御恩です。本当にありがとうございます。」


「じゃあお礼はまたパンを買いにこさせてもらうよ。」


するとミルちゃんは号泣した。






そして帰り道も猪やら熊などいたが、そいつらもインフェルノソードの一撃で仕留めて行った。


そしてミルちゃんをちゃんと店に帰した。


「ミルー!!!」


「あなた何していたのよ!!」


「もうあの森には行くな!ほんと心配したんだぞ!」


「でもあの方が...あれミリオンさんがいない?」


「よかった。ミルが無事に帰ってきて。」


「そうだな。本当によかった。神様に感謝だな。」


「いや...違うのに...」






俺はランチもあるし急いでもう帰った。


俺今日抜け出して行ってよかった。ミルちゃんがあのままだったら命はなかっただろうし。


でも帰っている途中で約束したんだ。


もうこういった危険な場所に1人で行ったらダメだよって。


とにかくミルちゃんが無事でよかった。


そしていつも通り親父から説教をくらって部屋に帰った。






「あれ?なんか今日はすごくクールな感じですね。」


「あぁリバイアか。俺にだっていろいろあんだよ。」


「なんか獣の血の臭いがしますが。」


「あぁ風呂入ってくる。」


「ケガはなさそうだからよかったみたいですが、王宮の外は危険ですのでもう少し気をつけて下さいよ。」


「心配かけてすまねぇなリバイア。」





って、なぜかリバイアも一緒に風呂場に来たぞ。


そして知らん顔して2人風呂に入る。


「あのさ、なんでお前まで風呂に入ってるんだ?」


「一応確認です。」


「え、俺男だけどほら。」


「いや違います。傷口が少しでもないかの確認ですよ。」


「大丈夫だってーの。」


そして風呂を出た。







そして今日のディナーは豚の丸焼きや10種以上の高級サラダだった。


「オークめ...」


そう思いながらも食べた。






そして翌日。


「皆緊急事態だ!戦闘に備えよ!」


「はっ!!」


俺は凄い音で起きた。


「親父!リバイア!一体どうしたんだよ!」


「話す暇などない。リバイアわかってるな!?」


「承知しました。」


「こちらの裏口から秘密の部屋へ行きましょうミリオン王子。」


「いや親父が!」


「ミリオン。必ず生き残りなさい。それが父からの最後の言葉だ。」


「おい親父!」


「親父ーーー!!」





そして無理矢理裏口に連れて行かれた。


しかし、追っ手が来ていた。


「みーつけた。あへへ。」


「殺しちゃうけどいい?」


「ミリオン王子は私が守る。せやー!!」


そしてその狂った女とリバイアが戦っている。


そして俺は魔法剣、サンダーソードを手にした。


「はーっ!!」


そして2人がかりで戦うが敵はかなりの強者だ。


速く、それでもって狂った攻撃でパターンが読めない。


すると油断した俺にその女がナイフを刺しにくる。


「ぐはっ!!」


そしてリバイアは俺をかばったのだ。


「おいリバイアー!!」


「おい!大丈夫か!?立てるか!?」


「私よりも王子...早く逃げて下さい...」


「何言ってんだよ!」


「いいか!?絶対死ぬなよ!」





そして俺は本当は逃げたくなかったけど逃げた。


「これでよしっ...うっ...」


「ごめんね?殺しちゃうよ。ヘラヘラヘラ。」


「リバイア・キセル・リバーニア。」


「リバーニア家を受け継ぐ者なり。」


「ここで死ねるかー!!!」






なんか静かになったような。


リバイア...


生きててくれよな。


頼むから。


涙がどんどん出てくる。






そして俺は秘密の部屋に入り鍵をかけ籠っていた。


俺はもの凄く怖かった。


みんなの悲鳴が聞こえみんな死んでいく。


今まであんなに平和で幸せに暮らせていたのに。


みんな...リバイア...それに親父。


俺が生き残ってこの後、この世を平和にしないと。


そして警報が鳴る。


「終戦ー!我が王国は降伏!」


そして俺は震えながらそっと部屋の鍵を外して出た。







そして月日は流れた。


俺はあのまま無事だった。


相手に見つかることなく生き延びた。


これもみんなとそれに親父とリバイアのおかげだった。


そして俺は王となった。


俺は死んでいった者達の為にもこの国をさらに強化して本当に世界が平和な世にする。亡き者にそう誓った。







そして親父とリバイアの墓に参りにいった。


2人ともありがとう。


そして勇敢な最後でした。


本当に私の命があるのはあなた方のおかげです。


次は私の番になるかもしれませんが、同じく命を張ってでもこの国や子孫達を守り抜きます。


そう誓った。







「いやー私の墓があるとは。」


「おっ、お前はリバイア!?生きていたのか!?」


「この通り結構やられましたがなんとか生き延びました。」


「よかったー!!リバイアー!!!」


「いたたたた。ミリオン王子、いやミリオン王もご無事で何よりです。」


「今度は俺がリバイア達を守るからな。」


「ありがたきお言葉。しかし私にも御守りする役目が御座いますので。これからも日々精進して参ります。」







そして俺たちはこのティエルマ城を復興させた。


そしてとある日、兵に言った。


ミルというパン屋の女性を連れてきて欲しいと。






するとミルちゃんが来てくれた。


「すみませぬ。今までの王様へのご無礼をどうかお許しください。そしてあの日はお助け下さり本当にありがとうございます。」


「顔を上げてくれ。」


「私の王妃になって欲しい。」


「わっ、私がですか!?」


「そうだ。いいかな?」


「もちろん!有り難き幸せで御座います!」








そして月日は流れ、私達の王子が誕生した。


名前はラクノス。


ラクノスは私に似てすごく悪戯っ子だ。


そしてミルに似てすごく優しいところを持っている。


私は平和な世を今も保っている。


しかしこれからはラクノスの物語になるであろう。


未来のラクノスにもこのティエルマ城だけでなく世の平和を維持してもらう後継者としての役目を果たしてもらいたい。


それは困難な事かもしれない。しかしそんな中でも幸せに暮らして欲しいと願っている。


ラクノス。それにティエルマ城の者達。私達のいない未来を頼んだぞ。






























ティエルマ城の物語   終















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