僕は恋をした。
俺は華那幸(はなだこう)。こうちゃんて周りからは言われてる。
今日もバイトバイト。
レストランのウェイターの仕事をしている。
彼女欲しいけどそれよりもバイトが優先だった。
また友達がご飯食べにきてくれた。
「よっ!こうちゃん!」
楠田和也。僕と同い年の明るく仲のいい友達。
「彼女できたかい?」
「それよりバイトだよ。」
「んーアクションないねぇ!」
「バイトして生きていければいいよ。」
「和也こそ仕事頑張ってんだろ?気持ちわかるだろ?」
「いやー辞めた。」
「はっ?」
「喧嘩しちまってよ。そしたら気まずくなって身を引いたよ。」
そしてもう1人の友達が口を開く。
「だけど仕事がなくなった和也を僕がうちの職場に呼んだのさ。」
成田丸須。1つ下の友達だが、和也と違って凄くクール。
「おーい!幸!お客様だぞー!」
「あっ悪りぃ。今日もありがとな。」
そしてお客様のところへ軽く走って行った。
「すみませんお客様。お客様はな...」
そして目が合った女の人が凄く綺麗な人だった。
「どうかなさいました?」
「いえっすみません。お客様は2名様ですね。こちらへどうぞ。」
そして誘導し、案内した。
僕は初めてと思ったくらい凄く綺麗な人だと思った。
でも俺は仕事をしている時間であり、名前なぞ聞けない。
するとその女性から注文があった。
「わたしこの半熟卵の特製ナポリタンがいいわ。」
「あぁじゃあわたしもー!」
「半熟卵の特製ナポリタンをお2つですね?承知しました。いつもありがとうございます。」
「あっすみません。」
その綺麗な女性に呼び止められる。
「はいっ。どうなされましたか?」
「お名前は?」
「幸です。」
「幸くんか。なんかうちの弟に似てたから。」
「あぁそうなんですね。あはは。」
「お仕事中にごめんなさいね。」
「いえいえ。失礼致します。」
弟に似てるのか。なんかいい感じで話できたじゃないか。
しかしその女性の名前も知れずしてそのお客様は帰っていかれた。
そしてバイトが終わった。
裏口から出たところで、
「おいっ!幸!酒飲み行こうぜ!」
「って和也。お前計画性ないのかよ。」
「いいんじゃんなーせっかく酒の弱い丸須まで来てくれてんだぜ!」
「丸須大丈夫か?」
「多分。」
多分て。めちゃくちゃ心配だな。
「ほらー行こうぜイェーイェー!」
「わかったから俺のお気に入りの服を引っ張るな。」
そして今からバーのミリムアルに行くことになった。
さっそく和也は飲みまくり酔ってる。やっぱこいつ飲み方下手だな。
「丸須。お前無理しなくていいからな。」
「✖️◎¥#○*●〜」
あ、ダメだこれは。
「おい幸!今日来ていた客で美人な人いたなー!」
げっ。見てたのか。
「お前好きなんだろ!一目惚れしたんだろ!?」
「まぁ。正直あんな美人な人ここらじゃあ見たことねぇ。」
「こぉー!◎¥#✖️☆%+×!!」
「丸須お前はもういいから。」
そんな丸須を見て俺と和也は吹いてしまった。
そして「いらっしゃいませー」
誰だろあんまここ客こねぇのに。
すると今日俺のバイト先のレストランに来た美人な女性ともう1人の女性が来た。
「あ、幸くん。奇遇ね。」
「隣いいかしら。」
「はっはい!」
僕は顔が真っ赤になった。
「あのっ...」
「お姉さん名前はー!?」
おい和也俺が聞こうと思ったのに。悔しいな。
「沙知。」
「沙知さんかーこの男好きらしいですよ沙知さんのこと!」
おいおいおいおい。誰かハリセン貸してくれ。
「でもわたしも好みのタイプかもなーって言ってみたりして。あはは。」
おっ!まさかの展開!
「わたし夜行く遊園地好きなんです。」
「よかったら、幸くんのバイトの休みの日とか一緒に行かない?」
おーっしゃっー!来たぞー!奇跡来ていい感じ!!
「じゃあ連絡先を...」
と、連絡先を交換できた。
そしてみんな解散して俺はさっそく家の中にある勤務表を見て、予定を沙知さんと決めた。
そして俺はその日までのバイト中もわくわくしながら頑張っていよいよその日に迫った。
そして当日。
待ち合わせ場所に行くとすでに沙知さんがいた。
「すみません沙知さん待たせちゃいましたかね!?」
「いや今さっき来たとこだよ。」
「それならよかったです。」
沙知さんいつもニコニコしてるな。
「なんで夜の遊園地が好きかわかる?幸くん。」
「んーそうっすねぇ。ライトがイルミネーションみたいで綺麗だからとかですかね。間違ってたらすみません。」
「当たり。」
「あはは。よかった...」
「じゃあ乗り物乗ろうか!」
そして僕らは夜に乗れる乗り物に乗った。
「次メリーゴーランド!」
その時の沙知さんの満面の笑みも愛おしかった。
そして最後の乗り物。
観覧車。
「わー綺麗だねー!」
「綺麗ですね。」
「でも、沙知さんの方が綺麗です。」
沙知さんは照れていた。
「こらこら。」
しかし沙知さんの笑顔は消えた。
「実はわたしねいつも悩んでることがあるの。」
「例えばどんな?」
「親が別れてわたしはお母さんの方に行ったんだ幼い頃。そして弟がいたんだけどその弟はお父さんのところに行って別々で暮らしていたみたいなの。その弟が今どうしているかとか気になったりして。ほんといろいろ考えるのよ。」
「じゃあもしかしたら俺がその弟さんの名前聞いたら知り合いだったりするかもしれないですね!」
「でも名前は聞いたことないんだ。でも父の苗字は華那。」
俺は時が止まったようになってしまった。
そして勇気がいったが聞いてみた。
「もしかして、沙知さんの苗字は倉澤さんですか?」
「そう!よくわかったね!」
ここで昔の大事にしてた家族4人の写真を見せた。
すると、沙知さんは泣き出す。
「もしかしてあなたがわたしの弟!?」
「みたいです...」
俺が惚れていた相手がお姉ちゃんだったなんてな。ほんといきなりだったし凄く複雑だったけど、でも俺、お姉ちゃんに会えてほんとよかった。
「ずっと会いたかった...」
そう言ってお姉ちゃんは僕を抱きしめた。
「これも運命だったんだろうね。僕もきちんとこうやって会えて凄く嬉しいよ。お姉ちゃん。」
そして涙の観覧車を降りた。
そして、月日は経ち...
「おーい幸ー!バイト遅刻するよー!」
「今何時だ...うぅ...なんじゃこりゃあーーー!!!」
目覚まし時計の電池切れだった。
「お姉ちゃんごめんパン食べながら行く!!」
「まったくしょうがないわね。」
そしていつも笑顔のお姉ちゃんに挨拶してパンを食いながらさらにめちゃくちゃ自転車を漕ぎながらバイトに行った。
そう。みんなもわかるように僕たち姉弟は共に姉弟として一緒に暮らすことにしたんだ。
どちらかが結婚するまで。
そしてその時はやってくる。
お姉ちゃんに旦那さんができた。
子供もお腹にいる。
でも最後お姉ちゃん少し悲しそうに家を出て行ったな。
でもまたお姉ちゃんの笑顔が見れる。
僕も立派な社会人になって結婚しないとな。
僕は恋をした。 終
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