雷鳴の鳴るバスケ 後編

能力者同士の練習試合は初めてだ。


勝てるか。


それよりも相手の能力に興味があった。


そして入場。


相手を見たが強気な目だな。


気にいらねぇな。


「お前ら背は高いみたいだが1人を除いて。」


「なんだと!俺を舐めるなよ!」


「まぁ相手の挑発に乗るな翔。」


「お前らはまだ初めての練習試合だろ。」


「コモンズなんてチーム聞いた事ねぇ連中だからな。」


そう、忍達のチームはコモンズという。


「お前らはリクスだな。覚えとくよ。」






「さぁさっそく試合です。それぞれフォーメーションを。はいよろしいですね。あくまでもバスケです。能力を使ってわざと相手に当てたりするのは違反行為なのでよろしくお願いします。ではピーーー!!」


試合が始まった。ボールを先に取ったのは俺だ。


よし!このまま雷の力で!


そして瞬間移動の様に移動し、ゴールしたまで行く。


「おい!一真(かずま)頼むぞ!」


「任せろっ!!」


その一真という男が手から氷を出す。


遊川一真。氷の能力を使う。


そして俺はダンクを無理やりして、氷にぶち込んだ。


しかし弾かれた。


「嘘だろ。」


俺が今まで練習をやってきたのはなんだったんだ。


すると即刻タイムを板倉先生はとった。


「君達に必要なのはチームプレイなのだよ。...という風にやってみるとわかるよ。」


そして3人は板倉先生の言う作戦でいく。


そして試合は再開される。


まずパスを翔が俺にする。


「頼むぞ。翔。」


「任せろっ!クラゲフルウォタ!」


するとゴールに付いた氷のところに大量の水のクラゲが行く。


そして氷を溶かした。


「なっなんだと!」


「忍!行けーー!!」


「任せろ。」


そして俺はダンクをかます。


「サンダー・ダンクシュート!」


そして溶けた所を雷で貫きシュートを決めた。


そして初ゴールを決めた。


「さっすが先生!」


「同感だ。」


これか。俺に足りなかったもの。


チームワークってやつか。


「さぁ次はディフェンスだよ。」


そう先生は言って心の中で気になっていた。


まだ2対0。


相手のオフェンスの能力とレイディオくんの能力の相性が気になるが。


今のところは氷のディフェンダーだったが。


後の2人が気になるね。


そして一真がパスをする。


パスを受け取ったのは我流院譲(がりゅういんゆずる)。


この男能力を使わずにフォワードの君竹遼馬にすぐパスした。


そして遼馬は翔を抜かし、ディフェンダーのレイディオの所に来た。


レイディオなら大丈夫だと俺は思ってた。


そしてレイディオのディフェンス技、「森羅多勢。」


たくさんの木が生み出されゴールを多いつくす。


これはいけるぞレイディオと思った時、


「火の鳥、ファイヤーバード!」


板倉先生も唖然とした。みんな唖然とした。木に火はまずい。


「はっはっは!木では火は止められまい!」


そして木は全て燃えて貫通し、ゴールの中まで火の鳥は入っていった。


そして2対2になりまたタイムを板倉先生がした。


「これはまずい状況だ。このままだと一方的にやられる。しかしまだ手はあるその手は...」


そう静かに先生は俺たちに作戦を告げて俺たちはコートに戻った。


そしてレイディオが翔にパスしたが譲というまだ能力が未明のやつに素早く取られてしまった。


これは誤算だったが、先生は大丈夫だと信じている。


そしてまた火の能力者の遼馬がまたパスを受け取りまた火の鳥を出した。


その時。


翔が作戦通り遼馬に近づき、

「2度も同じの食らうかー!シャークウォタ!」

そして火の鳥を素早く追って行き火の鳥に翔の水のサメが勝ち、そのまま迂回し、俺の頭上を通る。


そして俺が追撃で「サンダー・ロード!」と、水に雷を込めたサメは相手ゴールにまっすぐいく。


そして氷使いの一真は「しまった!意外な流れだ!しかも速過ぎて間に合わない!」


そしてそのシュートは勢いよく、さらに速く決まった。


板倉先生の作戦通りだった。


4対2。


そして相手の監督はタイムを出した。


俺たちはとりあえず様子を見ることと、特に警戒するは未だ能力のわからない譲のこと。


そしてコートに皆戻る。


そして一真は譲にパスをするが、ここでいきなり予想だにしないことが起きる。


譲は両手を伸ばして構え、パスを渡されてそのボールは譲の目の前でピタッと止まった。


そしてその能力でボールを操るかの様にし、ゴールの中にそのまま導かれ入った。


3人とも唖然だった。


4対4。


「ナイス!譲!」


「遼馬次に控えろ。」


「オッケー!」


しかし俺は抗議に出た。


あれは違反ではないのかというと、審判は違反ではないと言った。


もう無理だった。


しかしレイディオから一声かかる。


「わかったか?忍。」


「何がだ?」


「あのボールはそんなに速くない。」


確かにと俺は思った。


「レイディオ行けるか?」


「任せろ。」


俺はレイディオを信じる。


そしてレイディオからのパスを取られまいと近くで翔は受け、ドリブルをして走る。


フォワードの遼馬を抜き去るテクニックでかわす。


翔は相手をかわすテクニックがうまかった。


「レイディオ行くぞ!」


「あれだな。わかった。プラント・ロード!」


そして樹木の道がゴールまで出来た。


すごい。


そしてそこをドリブルを器用にやりながらシュートしにいった時、真ん中らへんの樹木が燃えていた。


「そうはさせねぇ!」


火の能力の遼馬だ。


火から逃げながら翔はゴールまで行くがこれでは間に合わない。


「まぢかよ!」


そして俺が、


「翔!俺にパスしろ!」


「ちっ!しょうがねぇ!頼んだぜ!」


そして翔は避難してパスが俺に来た。


しかし多分遼馬の誤った行動だったのだろう。


「しまった!氷じゃあ火まみれのゴールは復帰できねぇ!おい遼馬!後先考えろよ!」


氷使いの一真は必死に火に抗おうとするが火は止まない。


そして俺はチャンスだと思った。


「サンダー・ボディ・チャージ!」


俺の全身は雷の様になり火を貫き、そしてシュートを決めた。


「キャーー!!かっこいいー!!」


観客からの声援もすごい。


とにかく1本1本を決めるのが気持ちがいい。


気になっていたが、観客のところや監督や審判のところはもの凄く強いシールドが貼られているようで問題はないみたいだ。






そしてお互いのチームの能力がわかり、いろいろな攻め方守り方でやりあった。


そして後半の5分前。


42対42。


能力者同士だとなかなかさらっと入るのは難しかった。


攻略されては新たなパターンと、かなり難しかった。


ここで板倉先生からのタイムがかかる。


「君達はよく頑張った。時間的にはあと1本だがそれで敵ボールというのは敵にとってはチャンスだよ。そこで...」


なるほど。これを最後に板倉先生はとっておいたのか。でも大丈夫なのだろうか。本当に理想通りにいくのか。


「いけるね君達。」


「うっす!」


俺はそう言うしかなかった。


そして笛が鳴り重力使いの譲が高く俺たちのゴールの上にやる。


そしてやはり遼馬が取り、今度は初めての技、これは全力であろう、「ファイアー・ボディ・フルパワー!」


すると真っ赤な人間がゴールに向かう。


「しかし思った通りだ!」


「頼むぞ翔!」


「わかってるよ!ウォーターフィールド!」


そして翔も全力を尽くし、溺れるくらいの海みたいなフィールドになった。


もちろん遼馬の火は消え、そのまま泳ぐのも得意な翔はゴールへ行き、しかし後10秒。


10.9.8.7.6.5.4.3.の残り3秒のところで敵のゴールに翔がシュートを決めた。


そして笛はなる。


俺たちは勝った。


そして水を全て口の中に翔は入れて、誰も溺れずに済んだ。


そして翔に挨拶しようとしたら翔は全力を尽くしたからか倒れた。


「翔!」


でもお前こんな小さい体してんのにお前すごかったよ。


俺もなんか熱くなってしまっていた。


そして医務室。


翔は目を開いた。


「あれっ!試合は!?」


「お前のおかげで44対42で勝ったよ。ありがとな。」


「よく頑張った。」


「忍にレイディオ。よかった...」


俺は翔とは因縁の相手だったが、今となってはもちろんレイディオも含めて大切な仲間だ。


昔と違ったバスケに対する熱い思い、昔では全然感じられなかったチームプレイ。


俺はお前たちと板倉先生のおかげで変われた。


最高だよお前ら。


そして翔も無事な状態になり、医務室を出て入り口で先生が話しかけてきた。


「今日の試合は本当に素晴らしかったよ。翔くんもレイディオくんも忍くんも1人1人がいなくては勝てなかった。じゃあ。私たちの初試合、初勝利として私が今日焼肉を御馳走するよ。」


「えっ!まぢ!?焼肉!?」


「イェーイ!やったー!やったやったー!」


そして焼肉を食べながらこれからの話をしていた。


「焼肉うめー!!」


「それではこれからだよ君達は。そのうちは5on5になる可能性があると先程連絡があったのだよ。まだ審議中で、メリットデメリットがありどうなるかはわからない。」


「あと、能力者が不思議なことに増えていっている。しかも海外までにだ。それもあってだろう。それでも君達は夢に向かって行くかい?」


「先生夢って?」


「世界一のチームだ。」


俺たちは3人みんな頷いた。


「よしっ。みんなの意志はわかった。これからも危険を要するかもしれないが能力者のレスキューもできるからそこはおそらく問題ないよ。それでは今日は肉をいっぱい食べなさい。」


「はーい!」


そして俺たちは先生に挨拶とお辞儀をしそれぞれ帰った。


まだ次の試合がいつなのかもわからない。さらには能力者が生み出される原因もまだわからない。それでも俺たちはバスケで必ず勝ち上がる。


俺たちならやれる。






だってな、



俺たち最高の仲間だからな。



だよな。翔。レイディオ。



それに板倉先生。


















雷鳴の鳴るバスケ 後編   終















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