雷鳴の鳴るバスケ 前編

俺は蒼宮忍。高校1年生。


学生1クールな男と周りからは言われている。


だってさあ。


つまらないよ。


同じ学年の奴らのギャグとかも一切笑えん。


くだらねぇ。


友達なんていらねぇ。


バスケさえ出来れば別にいい。


進路とか後回し。


やる気でねぇ。


でもこんな俺には夢がある。


笑うなよ。


NBA。


でもなんか足りねぇ気がすんだよな。


なんだろな。


身長も188cmあるからダンクもできるし。


ドリブルシュートは入るのは当たり前。


3ポイントもほとんど入る。


フェイント、相手をかわす技や正確なパス。


でもなんか足りねぇんだよな。


なんだろうな...


俺に必要なものか...


そこを部活しながら見つけないとな。


なんかもやもやするし。






まぁ今日も部活。


体力じゃあねぇようだな。


周りほど疲れねぇ。


試合を部活内のメンバーでするが俺がダンクしまくって話しにならねぇ。


でもなんかみんな冷たい目で見る。


ここがなんか嫌だな。


「おいあいつよくこんな中でダンクするよな。」


「見せつけてんじゃあねぇのか身長高いとことか。」


そして俺はブチギレた。


そいつらの1人の胸ぐらを掴んだ。


「お前なんか文句あんなら堂々と俺の目の前で言えよ。」


「ごっ!ごめんごめん!あはは...」


そして俺はもうサボって家に帰った。






「おかえり忍。」


「...」


「どうしたの学校は?」


「...」


「あ、忍!」


そして俺は鍵をかけ部屋にこもった。





何でもかんでも俺は普通にやってきたつもりなのに元の俺はこんなんじゃなかったはずなのに...


俺多分頭悪いからだろな。


こんな俺もひとつひとつが嫌だった。


かといって変わるつもりもなかった。


いじっぱりで頑固なところは父親似だな。


はは。


父親に悪いかそう言うと。






夜ご飯食べた。


優しい母親のご飯はすごく美味い。


今日うなぎだった。


「なんで今日うなぎなんだ?」


「忍、好きでしょ?」


「んまぁ好きだけど。」


「今日何の日か覚えてる?」


「なんだっけ?」


そうすると、母親と父親がハッピバースデーと歌を歌ってくる。


「お誕生日おめでとう忍。」


「...」


「ありがとう。」


そういえばいつも毎年祝ってもらってたな。


でもまだ幼い頃は凄くはしゃいで喜んでたけど、今となっては穴に入れる物が入らないような状況だ。


だんだん生きていくうちに俺なんか冷たくなってたな。


あの頃の熱さが欲しいかもしれない。


そしたら周りも変わってくるかな。


いろいろと。


でもそう考えるのはもう諦めて、ケーキを食べてた。


このケーキおいしいな。





ジリジリジリ!


目覚ましがなる。


あぁ、また学校か...


嫌々ながら行くと、行く途中で昨日胸ぐらを掴んだ相手とその仲間の様な奴らが俺の周りを囲む。


「おいっ!お前バスケ部辞めろや。そしたら許してやる。」


「俺相手にたった5人でいいのか?」


「舐めてんのかこらぁ!!」


と、殴りにかかってきたがそれを避けて顔面にパンチぶち込んだ。


そして1人、蹴り飛ばし、そして1人背負い投げ。


そんなこんなで軽く5人ぶっ倒した。


「じゃあな。いいウォーミングアップになったぜ。」


と言って俺は学校に行った。


すると、みんなが俺をじろじろ見る。


「なんだよ。」


「なぁ、お前なんか...その...喧嘩の時武器かなんか使ったのか?」


「は?ありえねぇよ。」


「そうなのか...いやあのさ、お前が喧嘩でやった相手は触れた部分が焦げていたって。」


「は?お前馬鹿じゃねぇのか?ありえねぇだろそんなの。」


そして自分の手を見る。


するとなんか小さな雷みたいなのがみえる。


「な、なんだこれ。」


「わー!!キャー!!危ねぇやつだー!!」


「いやみんな違うんだ!俺は何も!」


そしてみんな逃げ、俺は職員室に呼ばれた。





「おいおい忍。喧嘩売られたからってスタンガンはないんじゃないかお前。」


「違います。」


「この手に...」


もう一度見るともう雷が無くなってた。


しかし、それを聞いていたバスケ部顧問の板倉先生がくる。


「すみません、後は私に任せてください。」


「板倉先生が言うのならば...まぁよかろう。いいか!喧嘩に武器はダメだからな!覚えておけ忍!」


チッ。武器なんか使ってねぇよ。


「まぁ忍くん来なさい。」


そうすると誰もいない今は使われていない部屋に連れて行かれた。


「よしっと。」


「忍くん、びっくりはすると思う。実は最近妙な噂があってな、バスケの練習試合中に火傷した生徒や氷づいた生徒が出てきているらしい。そこで大人達が1人を調べたらね...するとね...」


「すると...?」


「人間の進化体らしい。」


なんだと...俺が進化体という事になるのか?


これからバスケができないのか?


そして俺はそっと


「先生。俺はバスケ...」


「大丈夫だよ。忍くん。君が不安になるのもわかっていた事だ。私が君を含め、3人の能力者でチームを作る。」


たった3人!?


「なぜ3人だけなんですか?」


「この進化体の子達の試合は一般の子では危険を要する可能性があるのだよ。それでもバスケがしたいという子達もいる。だから能力者同士での3on3で勝負らしい。大人達は考えて3人で十分らしい。なぜこの時期になぜバスケをする子達にこういう能力が付いたのかは未だわからないが、この子達の試合は周りから不安や期待などいろいろある。そして君のチームの後2人はもう決まっている。」


すると写真を見せてもらった。


1人は黒人のハーフ見たいなやつか。


もう1人は、なんだよちっせぇ。


「この2人を舐めたらいけないからね。まぁ仲良くだね。」


「後、普段は能力を使わない様にね。能力者同士でも。いろいろと問題になるからね。」


と板倉先生は言って、明日セントラル公園で4人で会うらしい。


なんか怖いな。


どんな進化体なのか、どんな能力なのか。喧嘩したらただじゃ済まなさそうだな。


アニメの様に能力者同士もろに戦ったらそれはまずいだろうな。ここは現実的な社会だしな。


でもなんで俺はこんな能力を得たんだ?


わからないことが多すぎる。


とりあえず今日も周りから避けられつつも勉強して部活には行かずに家に帰った。


「忍ー?部活はー?」


「いや今日は休みだった。」


「そうか忍。今日はゆっくりしなさい。疲れてるでしょうし。」


「...」


ありがとう母さん。


そして俺は寝た。







ジリジリジリ!


あぁーったくこの時はきちい。


不機嫌ながら予定の時刻通りセントラル公園に行った。


すると、俺は時刻通りのはずが遅刻してしまったみたいだ。


「ヒーローは後からやってくるってか!こいつ!ケラケラ!」


「なんだよ小せえガキが。」


小田翔。見た目は小さい同じ高校1年生。


「挑発するな翔。」


レイディオ。見た目は俺よりもデカく黒人のハーフだ。高校2年生。


「とりあえず確かめる!」


「ウォータージャイアントキュー!」


そしてその翔の手から水のでかいクジラが出てきた。


「小せえからって舐めんなよっ!」


すると俺の右手に違和感が。


バリバリバリ!


すると勝手に右手が雷を放ち上空からクジラと小せえ翔ごと焼き尽くしてしまった。


「ギャーーー!!」


「先生。ここは任せてください。」


「ハイプラント!」


すると、レイディオの手から大きな植物が出てくる。


そして翔よりも高い所に強力な植物が立った。


避雷針みたいになった。


「大丈夫か翔。」


「大丈夫だよレイディオ...この雷のクソやろうめ。」


しかし、俺はコントロールが効かない。


すると板倉先生が、


「忍くん。君はまだコントロールが効いてない気がする。だからそれを攻略しなければ、この様に仲間にも怒り任せで雷を放ってしまう事になるだろう。」


「なるほど...」


確かにやりたくてやったわけではない。


「とりあえずレイディオくん。君に任せて良いかな?」


「大丈夫です。先生。」


そしてレイディオから本を預かり、俺たちでしかわからない話になる。


そしてみっちり指導を受け、実際コントロールが効く様になったみたいだ。


「サンダーライン!」


すると雷の道が出来た。


「よし!」


「よくやったな。忍。成長が著しく早い。」


「レイディオこそありがとな。」


でもこんな事していたら普通警察官とか来るよな。


しかし周りを見渡すも、みんな気づいていない。


「忍くん気づいた様だね。」


「あの、先生周りはなぜ平然としているんですか?」


「それは、私の能力だよ。」


なにっ!?先生も能力者だったのか。


「ここにいる私たちだけは周りには決して見ることのできないインビジブルの能力だよ。」


俺はこのメンバーには本当に驚かされた。


しかし、これでバスケをするというのはどうなるのか。


恐ろしい感覚はした。


「では、3人で能力を使ったバスケの練習だ。」


そして1on1で公園にあるゴールと特殊な少し重めの黒いボールで翔とレイディオが勝負だ。オフェンスが翔で、ディフェンスがレイディオだ。


「はいスタート。」


そしていきなり翔はしかける。


「シャークウォタ!」


サメの水がボールをゴールに迫る。


するとレイディオは、


「甘い!プラント・アップ!」


それに対し植物で抑えた。


そしてレイディオがボールを手にした。


「俺の勝ちだな。翔。」


「くっそー!わいやいやいわい!やだやだやだやだ!」


お前はガキか。


少し俺は笑いそうになったのを堪えたが、先生は普通に笑ってる。


「どうだい?忍くん。このレイディオくんと勝負してみないかい?」


「もちろん。でもレイディオには悪いけど俺が勝ちます。」


「なるほど。自信ありだね。はい。ではスタート。」


速攻俺は全身を雷にし、その速さの一歩一歩で移動しながらゴール付近まで少しドリブルしながら行った。


「な、これは能力を使うのも間に合わん!」


「ふっ。」


「もらった!サンダー・ダンクシュート!」


そして勢いよくダンクをかます。


これは俺が求めていた1つなのだろうか。


すごく気持ちいい。


「はい終了。」


「忍くん君はこの3人のなかでもバスケのアタッカーとして素晴らしい。」


「でもレイディオくん君も落ち込むことはない。ディフェンスでは君が1番優秀だよ。」


「あっ!俺は俺は!?」


「翔くん。君はその水の力で相手に取られないパスを忍くんにするといい。」


「なんだよ。俺パスだけかぁ...」


「まぁそう落ち込まずに。パスも大事だしもちろんパスだけではないのだから。」


「ちなみに1週間後に能力者のチームと練習試合がある。」


まじか。どんな能力者なんだろう?


すげぇ楽しみだ。


俺なんかこのバスケに対して熱くなってきた。


これだよこれ。


今度は穴の中にきれいに物が入る様な感覚だ。


しかしなんかひとつ足りない気がする。


それもいずれ見つかるといいな。


「では皆さん明日もここで練習だ。」


「えーもう終わりなの先生!」


「休憩も必要だよ。今日はみんな頑張った。」


そして翔が幼い子供みたいにダダこねるから言ってやった。


「ガキはそこの滑り台で遊んでろ。」


「なんだと!ガキいうなボケ!」


「あのな...」


「いやぁ大丈夫ですかね先生。あの2人。」


「ふっ。大丈夫。自然に任せるしかないよ。」


そして翔と喧嘩して今日は解散になり帰った。


そして1週間後の練習試合までめちゃくちゃ頑張った。


普通の人ではしない練習を含め、きつかったけど3人とも万全の体制だ。


とにかく俺は勝つ。それだけだ。






そして、練習試合当日。


「君達はこの1週間で著しく成長した。後、この試合で私たちに足りないものが何かわかるかもしれない。そこも勉強だよ。では頑張ってきておいで。」


「はい!」


そして入場した。






相手はどんな能力者だろう。


面白そうだ。






















雷鳴の鳴るバスケ 前編    終
















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