動物たちと不思議な世界

僕は星田実(ほしだみのる)。


僕の大事なペット、今日うさぎの「るる」は死んだ。


家族みんなが泣いてくれてる。


るるは幸せな死に方をした。




そして小さな墓に参って別れを遂げた後僕は泣きながら寝た。


もう動物の死ぬところは見たくないて。


僕が小学3年の頃だった。




そして夢の中に入り込む。


「ここどこ...?」


凄く綺麗で彩りの可愛らしい光景だった。


そしたら可愛いうさぎの人間?みたいなのが立っていた。


「今まで寂しかったです。実様。しかしあなた方には恩義があります。」


そううさぎの人間のような生物が泣きながら言ってきた。


「あっ、あのー君悪いけど誰?」


「るるです。」


亡くなったうさぎのるると同じ名だ。


そして気づいて周りを見るといろいろな人のような動物達がいた。


「あの、るるちゃん?ここどこなの?」


「わたくしるるが作りました、新たな世界です。」


「よくわからないよ...」


「とりあえず自己紹介を。案内人になった人化動物のるるでーす。この度は私の事だけでも覚えてもらえたら光栄です。」


まぁ夢だろうとほっぺたつねった。


しかし痛くなかったからこれは夢だと思った。


「あら、気づかれたんですね。それではまた会いましょう実様。」






そして静かに僕は目を開けた。


するとやはり夢だったんだ。


るるが亡くなったショックで今日はこういう夢を見ることになったんだなと普通に考えてた。





そして月日は経ち、今度はおばあちゃん家にいた「もも」という大きな雑種の犬が亡くなった。


その頃はもう僕も大人だった。


でもやっぱりるるの時のように泣いた。


そしてまた1日を終え眠りについた。





するとまたるるがいる。


「久しぶりだなるる。」


「お待ちしておりました。実様。あそこにある新たにできたアニマルフード屋に行きましょう。


「いや俺動物の食べ物とか食べられないんだけど...」


そう言って渋々ついて行った。


すると、白い犬の姿のような人間がいる。


「おー!実さんではないですか!」


「今度は君は誰かな?なんで僕のこと知ってるのかな?」


「それはもちろん、私はももですから。」


と言われてまた目が覚めた。


また似たような夢見たよ。


なんなんだあの世界は...


僕はずっと不思議に思ってた。





そしてまた新たなペットをおばあちゃんは飼う。


黒いチワワでその名前はミキだ。


あと、前からだが猫のミュウもいて2匹とも可愛い。


でもミュウには昔、僕が悪戯をしてきたせいか物凄く嫌われてた。


猫は根にもつな。


抱っこして捕まえて持ち上げたら顔を爪攻撃。


あの時はいろんな意味で痛かった。






そしてそのミュウが亡くなってしまった。


事故だったらしい。


おばあちゃんも僕も泣いてしまった。


そこで僕は勘が働く。


もし、今日寝たらまたミュウと夢の中で会うのではないかと。


そして実際に寝てみた。






「んっ!?」


「いやいや実様。」


「またるるか。」


「はい。今日も御案内です。こちらへどうぞ。」


と言われるがままに向かう途中僕は爪の様な物で軽い傷を俺は負う。


「こらっ!やめなさい!ミュウ!」


「なんだよ。るる。その男は私にずっと悪戯してきた最低な奴だぞ。私がこの男をこの世界からも元の世界からも消え失せるようにこの爪で斬り刻む。」


そうだったのか。この時のためにミュウは猫かぶっていたか。しかしあの方と実様達のためにもこの世界は平穏に...


るるはそう考えて、僕を杖で軽く突き、無理やり元の世界現代に僕を戻した。


はっ!俺は危ないところだったのだろうか。今回は恐ろしい夢だった。


そしてなんか痛む。


さっき夢の中で爪の様な物で軽傷を受けた所と同じところに傷があった。


「わ、なんだこれ!」


僕はこの現象をどうせ周りに信じてもらえないと思うし誰にも相談しなかった。


でもミュウがあれだけ恨むほど酷い事を僕はしてきていたのなら次また夢の中の世界で会ったときは絶対謝ろうと思った。


そして傷も癒え、しかしあの時の恐怖心は残ってた。


するとおばあちゃんが来る。


「実。何か最近おかしいね。どうしたのかい?」


「いやっ、ばあちゃんあのな...」


いやここで事実を話したところで信じてはもらえない。


そう思った僕はなんでもないって言ってその場を去った。





そして、今日はいい話のある日だ。


ミキから子供が産まれた。


もちろん僕も早く見てみたくなった。





そしてちょっと大きくなった子供達を見てかなり癒された。


ミキは黒いチワワだったが白いチワワが産まれた。


みんな可愛いーと言ったりCMの犬みたいだなーという感じで戯れてた。


そしておばあちゃんは4匹のチワワを大切な人達へ託した。


みんな喜んでいたらしい。


そしておばあちゃんの所に残った犬はユーという白いチワワだった。


ユーの臆病なところとかも可愛かった。





そして時は経て、次はトイプードルのチャチャをおばあちゃんは飼うことになった。


しかしみるみるうちに太くなっていく。


おばあちゃんが言うにはユーが残したエサまでも食っていたらしい。


まさしく、トイプードルではなくプードルだよなとお母さんと僕がツッコム。


そんな感じでちょっと楽しく犬も元気に育っていった。






しかし、とうとうミキに寿命が来る。最後は白内障になっていたが。辛かったろう。


そしてまた悲しみの中寝た。





ん...?


また久しくるると会う。


「これはこれは実様。」


「よっ!久しぶりるる!」


そして僕はミュウはいるか?と尋ねた。


するとるるの後ろからミュウが現れた。


「あの...昔は酷いことしてごめんなミュウ。」


「いや私もこの間はごめん。るるからめちゃくちゃ怒られた。」


「あらあら。」


そして握手した。


ミュウはほんとはいいやつなんだ。そう思っていた通りでよかった。


そしてまたるるに連れて行かれる。


実はここの女王が決まりました。


「ほぉー。」


この方です。


「ん?ミキか?」


「無礼者。私はこの国の平和を保たせるためにもこうして女王になったのだぞ。」


「おふたりとも、すみませんが実様の時間が迫って参りました。」


「ミキ!またな!」


そしてはっ!と起きた。


今更だがなぜおばあちゃんが飼っていたペットが亡くなった日にあの世界に行くんだろうて。


いろいろ謎だがみんな元気そうで深く考えずまぁいいかと僕は勝手に思っていた。




そして残るはユーとチャチャが残った。


ユーはいつもビビリ。チャチャを怒っているのになぜかユーまで飛び跳ねてビビる。


そういうユーの姿も可哀想で可愛らしく。


そんなユーには僕も優しくしていた。


ユーはじいちゃんとばあちゃんと僕で一斉においでと言ったら真っ先に僕のところに来た。


凄く嬉しかった。


僕がエサをやっていた事は少なかったのに。


そしておばあちゃんからも優しく大事に2匹を育てていた。


しかし時は来た。





チワワのユーが亡くなった。


僕は1番よく親しんでたのもあり、号泣してしまった。


そしてお墓に参り、でもずっとユーの事ばかり考えてた。


しかしもしかするとと思い眠りに僕はついた。





するとまたるるが立っている。


「るる。もちろんユーは」


「もちろんですとも実様。」


「ユー様はミキ女王の娘のため、王宮におられます。」


「わかった。案内してほしい。」


「承知しました。」


そして僕はるるに付いていき王宮に入った。


すると綺麗な白髪に耳のついた女の子がいた。


そして僕はついつい「ユーか!?」と言った。


「そうですよ。私がユーです。実様。」


「会いたかったぞー!ユー!」


と言ってユーとハグをした。


「じつは、実様と少しでもお話したかったんです。」


「なんて話だ?」


「私はあなたは凄く優しくしてくれました。安心感もあって。だから1番人間の方々の中では好きでした。」


ユーが人間なら結婚していたかもなと思いながらユーの頭を優しくぽんぽんと叩いた。


すると、るるが


「凄く感動的なところですが、実様お時間です。」


「おい!ユー!もう会えないとしてもお前達のこと忘れねぇし...それに!」






はっ!


予想通りまた会えた。


しかしあの子たちは本当におばあちゃんが育てていた動物達だったのだろうか?


本人だろうか?


結局答えはずっと出ないまま。


「もやもやすんなー。」




そしてチャチャだけになってしまった。


でもおばあちゃんはもう動物を飼うつもりもないらしい。


めんどうを見れる人がいなくなるかもしれないという訳だった。





そんなこんなでチャチャと俺もたまに会い、チャチャはずっとマグロみたいに元気が良すぎた。


こいつ人間で言うとおばあさんだよな。


なんでこんなに元気なんだよ。


1回俺の顔面に跳びに来た時は焦った。


死ぬかと思った。







そしてまた命は絶たれる。


とうとうチャチャのめんどうを見ていたおばあちゃんが病気で亡くなった。


今病院に僕達はいて、目の前でおばあちゃんは安らかに眠っている。


あんなに毎日笑顔で電話もおばあちゃんはいつも相手していてくれていた。そんなおばあちゃんの料理は上手で僕が苦手な食べ物をほとんど好きな食べ物に変えてくれた魔法使いみたいなおばあちゃんだった。めんどうみもよく、きちんとなんでもする優しい完璧なおばあちゃんだった。


しかしもういない。


もう会えない。


そして僕は閃く。


もしかしたら、寝たらまた夢のようなあの世界で会えるんじゃないかと。


こそっとひとりでさっそく寝た。






「はっ!」


「これはこれは。実様。」


来れたんだあの世界へ。でもおばあちゃんは!?


「るる...俺のおばあちゃんはいるか?」


「我々のご主人様ですね。」


「さぁどうでしょう。」


でもなんか広場あたりでざわついている。


「なんかざわついてねぇかるる?」


「ほっほっほっ。では行きますか。」


なんだよ。俺はおばあちゃんに会いに来たのにいるかいないかも教えてくれないのか。するとその広場でおばあちゃんがいた。そして周りには過去育ててきた動物達が泣きながら囲んでいた。


「おばあちゃん!」


「あら実。」


「よかった。けどおばあちゃんは本当にこの世界で存在しているの?」


おばあちゃんはわからないって言ってた。


「るる。君は知ってんだろこの世界の事。作り出したのはるるだったよな。そろそろ教えてくれないか。」


「よろしいでしょう。ここは私の想いが強く願い世界がどんどん宇宙のように出来た世界なのです。」


「は、はぁ。」


意味がよくわからなかった。


「そしておばあ様が育ててきた動物達の魂をこの世界で人化させ生活させていたんです。」


「なんでそこまで。」


「全てはおばあ様のためです。」


「我々の恩返しがこの世界なのです。」


そしておばあちゃんがこっちに来て、


「実。元の世界に帰りなさい。まだあなたには早すぎるよ。」


「嫌だ!ばあちゃんと会えなくなるかも知れねぇのに」


「大丈夫。きっと会えるから。またここで。」


「絶対だよ!ばあちゃん!また...」







はっ!


僕は起きてしまった。


すると元の自分の顔を鏡で見たら涙が流れてた。


くそっ!もう会えないのか!


僕は少し苛立った。


でもおばあちゃん幸せそうだったな。


あの動物達も。






そしてチャチャが最後の犬として亡くなった。


僕は涙を流しながら墓に参った。


そしてまた寝た。






ん...あれ?


あの世界にはなぜか行けなかった。


なんでた?普通の朝だ。


やっぱりあれは夢だったのだろうか。


もうおばあちゃんとは会えないのではないかとたまに考えながらずっと独りで暮らしてきた。


そして時は経ていき、次々と家族は旅立っていく。


その度涙を流して違う家に住んでいるが兄弟と生きていった。


僕は結婚もせずに。









そして次の死亡者が出る。


78歳で亡くなったわたし、星田実だ。






そして意識がなくなり、すっと目を開けた。


すると、るるがいた。


「あ、るる。」


「実様、とうとうお亡くなりになられたのですね。」


「あぁそうだよ。ってあれ?僕20代ぐらいの時の体してんぞこれ!」


「おばあ様がそうしてあげてと申しておりましたのでそう致しました。嫌ではないですか?」


「いや全然おっけー!」








そして僕は目の前を見てどんどん涙が溢れ出てくる。


その前にいたのは死んだお父さん、お母さん、おじいちゃん、それにおばあちゃんだった。


僕は泣きながらみんなと明るくいろんな話をめちゃくちゃした。


幸せだった。






「いやしかし実様の死因が自殺でなくてよかったですね。」


「まぁね。昔は死んでしまえと私思ってたけど。」


「何を言うかミュウ!」


「冗談だよ。ふふふ。でも今の実は好きだな。」


「それなら良いのです。」






「おい、ももにユー!」


「あー実さん!」「実様。」


「あの実様。突然すみませんがあちらの世界で私、ユーともう1匹チャチャという犬がございましたよね?」


「うん。あ、いないのか?」


「いや、チャチャは...」


「おーいおめえら!」


「お前チャチャか?」


「そうだけど。」


こいつ俺に気づいてねぇ。相変わらずだな。


でもよかった。チャチャもちゃんと来れたんだこの世界へ。それなら安心した。








そしてみんなといろんな話をいっぱいした。


楽しかったこと、面白かった事、ずっと悲しかった事。


そしたらスッキリした。









そしてるるにも感謝している。


この素晴らしい世界を作ってくれた事。







それとこんなみんなが幸せでいられる本当の主役は


おばあちゃんだよ。


おばあちゃんがみんなに優しくきちんとお世話もしてあげていたからだよ。


本当にありがとう。


るる達も家族もみんな感謝しているよ。


だって僕にいつもおばあちゃんへの感謝の言葉をよくみんなが言ってたよ。


そしてこれからもこの世界でみんなを待ちながら幸せに暮らして行こうね。











永遠に。

















動物たちと不思議な世界    終














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