第17話 今昔

「あの人、今頃どうしてるんだろう」と彼女は呟く。「あの人って?」「昔、好きだった人」「……」俺たちはしばらく沈黙して、夜景を眺めていた。窓硝子に映る俺の顔を指差して彼女は言った。「あ、この人」俺は少し安堵したが、複雑な苦味が暫く胸に残った。

#140字小説 

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