第16話 不動

 殺人事件があったというのに、刑事は一向に動かなかった。部下は誰某が怪しい、と頻りに刑事を動かそうとしたがすべて徒労だった。彼はうつ伏せの格好で湖に浮かぶ刑事を見ては、泪を流した。あゝ、殺さなければよかった、と血に濡れた手を見て深く後悔した。

#140字小説

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