第15話 百年の雨音
夜中に起きて厠に行くと雨音が聞こえた。防音にしている書斎では時計の針音しかしないので、雨音で少し心が安らぐのは、私も自然の一部だからだろう。毎朝決まった時間に森の小径を歩くのも、同じ理由だ。この屋敷で暮らし始めて百年が過ぎたが、飽きることはない。
#140字小説
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