第11話 殺し屋

 殺し屋は髭を剃ることにした。久しぶりの、彼女とのディナーだからだ。ついでに銃も磨いた。夜景の見えるレストラン、向かい側には一人の少女。「ママは来ないって」別居中の娘はフォークを握り、寂しそうに呟いた。今度こそ銃を捨てよう、と殺し屋は肩を落とした。

#140字小説

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