仲良く、愛欲
「おい」
バルバトスは旦那に、静かに、そして威圧的に、話しかけた。
「お前がどこの誰を殺すだの殺さないだの決めるのは勝手だ。けど、俺はこいつを殺さなくちゃいけない」
「……」
「邪魔したら許さない」
そして、メイスを持ち上げ、構える。
「お前達は殲滅される」
ハシュマルはそう、口に出す。
「それを決めるのはお前ら天使じゃない。そして悪魔でも無い」
「何…?」
バルバトスが含みのある言葉を言った後、別の声に遮られた。
「そうさ、僕が決める」
突如、謎の男が現れた。
「な、ソロモン様!」
ハシュマルは驚き、その男の名前を呼ぶ。
「ハシュマル…君はやりすぎだ。事もあろうか人間に手を出してしまった。やはり主天使は不完全な存在か」
「……は、申し訳ございません」
ハシュマルは頭を下げて、謝罪した。
「お前は一体……」
旦那はソロモンに問いかけた。
「僕はソロモン。柱の悪魔達を司る神…と言ってもまだ不完全だけどね」
「神様……?」
「そうさ、バルバトスも僕の能力の一部にしか過ぎない」
なんとこのソロモンという神様は天使であるハシュマルを従えてるのと同時に、悪魔であるバルバトスも従えていた。
「で、どうするの?」
バルバトスはソロモンに尋ねる。
「どうしたい? バルバトス」
「もう殺意も失せた……どうでも良いや」
そう言ってバルバトスはメイスをしまった。
「旦那はどうしたい?」
「俺の名前を知ってるのか?」
「君のことは聞いてるよ。彼女からね」
そう言って茂みから出てきたのは、アスモデウスだった。
「やぁやぁ、また会っちゃったね。」
「はあ!? またお前かよ!」
アスモデウスは楓真の方に向かってたハズだったが、何故かここにいた。
「アスモデウス、君が居て本当に助かったよ」
「いや〜それほどでもあるかな〜♪」
褒められて嬉しそうにするアスモデウス。
主従関係は良好のようだ。
「それじゃあ、僕達はこれで」
ソロモンはパチンと指を鳴らす。
魔法陣が現れ、ハシュマル、バルバトス、アスモデウス、そしてソロモンをトランスポートさせた。
残ったのは、旦那だけだった。
「……全く意味がわからん」
旦那は正直な感想を口に出すのだった。
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旦那は、琉球地方のシェルターに戻った。
「1人か、リョコウバト」
シェルターの中にいたのは、リョコウバト1人だ。
「ええ、あとは楓真さんを待つだけですわ」
リョコウバトはずっと1人で待ってたらしい。
少し不安そうに旦那に呟いた。
「私達は、一体どうなってしまうのでしょう」
「心配するな。もしもの時は俺がお前を守る。死んでもな」
「あなた……」
「大丈夫だって! 死にやしない。」
「私、怖いですわ」
「?」
「貴方が大切で大切で、仕方ないですわ。もう私の傍から絶対に離れて欲しくない程に」
そう言って、リョコウバトはスカートのチャックを下ろす。
動きやすい格好へと、肌を露出させた。
「抱いてくださいまし」
旦那の手を握り、自分の豊満な胸に押し当てる。
柔らかだ。
大きな肉まんに触れた旦那は、股間に血が昇って来るのを感じた。
「リョコウバト」
「んん……!」
旦那はリョコウバトの唇を貪る。
ピチャピチャと、淫らな水の音がシェルターに響いた。
旦那はキスしながら、下の布切れに手を伸ばす。
湿り気を帯びていた。
「んん!! はぁ! はぁん!」
少し触れただけで、リョコウバトはいやらしい囀り声で喘いだ。
ここに誰か来るかもしれないが、二人はとうに忘れ去っていた。
シェルターは二人だけの空間だった。
「あなたぁ、来てぇ……もう欲しいの」
準備はすでに出来ているのだろう。
「もっとスローにやろうぜ」
が、旦那は焦らす。
下着の中に、手を入れた。
「草いじりと、豆いじりをまだやってない」
手のひらから、あそこの感触を楽しむ。
ふさふさの毛並みをゆっくり、ゆっくり撫でる。
段々とあそこ全体が熱くなる。
「はぁ、はぁ」
リョコウバトは荒い呼吸のまま、頬を赤くする。
旦那の優しい愛撫を、静かに感じ入っていた。
そして、ここぞというタイミングで、割れ目のてっぺんにある豆に指を当てる。
「〜〜〜!」
びくんと、体が跳ねた。
いやらしい悲鳴と同時に、潮が飛ぶ。
たわわなメロンが、大きく上下に揺れうごいた。
旦那は目の前の光景をみて、ニンマリする。
「もうすぐ40になりそうなのに、お互い性欲は衰えねぇなぁ」
旦那は股間の如意棒を持ち構える。
限界まで膨れ上がったそれを、湿った落とし穴へと向けた。
「あなたが今日までずっと私を愛してくださったからですわ。
あなた以外の人じゃこんなこと絶対に有り得ません!」
そして、如意棒が収まるべき中へと入る。
「んあぁ! 入ってくる! 来た、来たぁ!」
そして二人は一つになった。
***
二人は体力の限界まで行為に及んだ。
シェルターに備え付けられてたブランケットで作った簡易ベットが汗と粘液で濡れていた。
(後で洗濯しないとな)
旦那はチラリと、横になっているリョコウバトを見た。
「んな……!」
目の前の光景に驚きを隠せなかった。
リョコウバトから、黒いオーラが放たれている。
それは悪魔特有のものだった。
「どうしたんだよ! おい! アスモデウスの野郎に何かされたのか??」
リョコウバトの体は黒く染まっていく。
そして起き上がり、こう言った。
「……私の名前はツァーカム。色欲を司るアスモデウス先生の弟子……かな? よろしくね!」
「また悪魔かよ!!! 今度はリョコウバトにまで手を出しやがって!!! ふざけんな!!!」
ブチギレの旦那、ツァーカムはふふ、と笑った後、こういった。
「二人の愛に、私は負けた。……完敗だわ」
「???」
旦那の頭にはてなしか浮かばない。
「そう、これは私がリョコウバトの体に乗り移り、旦那を待ち構えてた時のこと」
自分の回想を話し始めた。
***
〜回想〜
(うっへっへ! 運よくこの女に乗り移ることができたわね)
(あとはそいつの旦那、ケムダーくんが来た時に徹底的にメロメロにして誘惑してやるわ)
ちなみにケムダーというのは、悪魔になった旦那の呼び名よ。
(シェルターが空いた。あれが旦那ね)
(さてと、スカートを脱いで、上目遣いで、甘えるような声で)
「抱いてくださいまし」
(よっしゃ! 超完璧!)
(これで、このリョコウバトの心の中が、愛欲によって満たされていくわ)
(心も体も私のものに……へ……なんなのこれ)
(どんどん胸や体が熱く……! そんな!? 愛欲がこんなにも大きく!!)
(ひゃあん!! ダメェ!! これ以上愛欲でいっぱいになっちゃったら!! おかしくなっちゃうぅ!!!)
(んほぉおお!! これ以上はだめ!! なんてテクニックなの??? いや、テクニックだけじゃない!)
(このリョコウバトの心の中が旦那への愛で溢れてる!!! 溢れすぎて、私じゃもうコントロールできない!!!!)
(ああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!)
(ダメぇええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!)
こうして、クリフォトになったばかりの君に悪戯してやろうという計画が見事に失敗したのさ。
***
「こうして、二人の愛に私は負けたのさ」
そう言いながら、何度も胸を旦那に押し当てる。
「ほらほら〜また続きやらない? 同じクリフォトのメンバーでしよぉ?」
「いや、もう騙されんからな! 誘惑するのをやめい!」
(浮気しない主義だが、下心が出そうになる……! 静まれ、アホ如意棒……!)
ぐいぐいくる系の女子には弱い旦那なのだった。
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