ハルファス出現
「さてと、どうする? リョコウバト、旦那」
颯真は夫婦に尋ねる。
「俺はあのファージセルリアンの所に行くしかない。向こうの状況にもよるが、お前らはミライ達の援護を頼みたい」
「それはもう必要無いのでは? シーサーバルのお二人は無事に戻りましたし」
「…いや。どうやら、まだ何かあるらしいな」
「「え?」」
颯真は空を見る。
首をかしげる夫婦。
すると、空から誰かが降りてきた。
「フハハハハハハハッ!!」
高笑いしながら、颯真と夫婦たちのもとへと降り立つ。
「誰だお前!」
颯真の問いに、喜々と答える。
「我が名はハルファス! ソロモン72柱の内の一人、番号38番! 宜しくお願いします」
ハルファスは、サーベルタイガーのフレンズに酷似している。
相違点は、男性の体格で、黒い肌をしていた。
右目は黒く染まり、彼のジジル召喚陣がある。
「また悪魔!?」
旦那は驚き、声を上げた。
煉獄にて、また新たな悪魔が現れた事実に動揺する。
「この辺りに人間がいると聞いてたまらず外に出たがその通りだった様だな。では頂くとしよう…その命、貰い受ける!」
「二人とも!逃げろッ!!」
颯真が叫んだ瞬間、リョコウバトは口を大きく開いた。
「バトビィィィィムッ!!」
チュドーン!!
リョコウバトは不意打ち気味に、自分の必殺技であるバトビームを放った。
触れたものを焼き溶かす閃光は、ハルファスの胴体に当たったかに思えた。
「…不意打ちとは中々だ。だが効かん!」
ハルファスは盾でバトビームを防いだ!
「盾で防がれるなんて、、、ッ!」
「あわ、あわわわ、、、ッ!」
夫婦に衝撃が走る。
リョコウバトの必殺技が効かない以上、颯真以外、ハルファスと戦うことは死を意味する。
「…この私には、最強の剣と盾があるッ! 簡単に撃ち抜けると思うな」
「俺があいつを足止めするッ!!二人はミライの所へ行ってくれ!」
「分かりましたわ!」
「あわ、あわわ! ぐはぁ!」
リョコウバトはショックから立ち直れない旦那を手羽先ビンタする。
「行きますわよ!」
「う、うん!」
夫婦は走ってミライの所に向かった。
***
~ミライ班・サーバル組~
「あなた! ファイト、ですわ!」
旦那は息切れし、汗が飛び散る中、なんとかリョコウバトについていく。
「――これは!?」
走っていたリョコウバトは突然止まる。
「はァ、はァ、はァ、どう……した……の。はァ、はァ」
すぐに旦那も異常に気が付く。
遠くに、巨大なセルリアンが見えたからだ。
「リョコウバトさん! 旦那さん!」
近づいてくるのはミライだった。
「ミライさん! セルリアンが出たのですね」
「そうです。ところで颯真さんはどうしたんですか?」
「突如現れた悪魔と交戦していますわ。私たちはここまで逃げてきました」
「そうですか。状況は分かりました」
リョコウバトはミライに提案した。
「私が援護しますわ! あのセルリアンなら私でもお手伝いできそうです」
「分かりました。リョコウバトさんはセルリアンの拡大を防いで下さい。ここ以外にもセルリアンは大量に居ます。早く!」
リョコウバトはすぐに移動した。
ミライは残った旦那に向かって言った。
「貴方はシェルターの中へ」
「……分かりました」
旦那は悔しそうにシェルターの中へ向かったのだった。
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