第2話 現実世界
そして、紗奈はさっきまでの女子トークの内容を、進歩に話した。進歩は、真剣に頷きながら紗奈の話を聞いてくれていた。
進歩「そーいう事ね。それで悩んでたわけか。」
紗奈「そーいう事。」
進歩「あのさ、紗奈。もう、お前は十分苦しんだ。別に壱馬のことを忘れろなんてそんな事言わない。でもさ、そろそろ次の恋に勇気振り絞って、進んでもいいんじゃないか?」
紗奈「でも、」
進歩「なぁ、紗奈。」
すると進歩は、紗奈の手を握った。
進歩「俺じゃダメか?」
進歩は、紗奈を見ると真剣にそう言った。
紗奈「え、、、」
紗奈は、いきなりの申し出に戸惑いを隠しきれていない。
進歩「もちろん、今すぐになんて言わない。俺たちは今までずっと仲のいい同期でやってきたんだ。壱馬の事もあるし、無理に付き合ってとは言わない。でも、紗奈が少しでも前を向けるようになるなら、俺は紗奈と付き合いたいと思ってる。」
紗奈「進歩...。」
紗奈は、顔を赤くしたり、曇らせたりしている。
進歩「俺は、いつまでも待つ。ちゃんと考えて紗奈が出した答えを待っとくよ。」
すると進歩は、優しい笑顔で笑った。
紗奈は、やっぱり顔を曇らせていた。
進歩「ばか、そんな顔するな笑そんな、ゾンビみたいな顔してオフィス戻ったら皆、引くぞ??」
そう言うと、進歩は紗奈の頭を撫でて、席を立った。
進歩「じゃーな、」
ひらひらと手を振りながら、歩く進歩の背中が遠ざかって行く。
その後ろ姿を見ながら紗奈は、ごめん。と呟いていた。
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