第11話 地震

僕が前の洞窟に残っていたロープを取りに行っている間、モトヤは使えそうな木を集めに森へ、エミリは川に罠を仕掛けに行った


戻る途中、前に作った落とし穴を覗くと、蛇が居たのでとりあえず捕まえて首を落とした


洞窟の小部屋に入ってロープや、使えそうな道具をリュックに詰めた


洞窟を出ると、地震が起きた


「なんだ!?」


結構大きな地震で、洞窟が崩れてしまった


「あ、危ない。あと少し遅かったら、生き埋めになるところだった……」


僕は急いでエミリ達の所へ戻ろうとした。しかし、草原に向かう崖が崩れてしまっていた


「これじゃあ、エミリ達の所へ行けない……」


僕はエミリ達が心配になってきた。僕一人なら何とでも暮らせるが、エミリはそうはいかないように思う。モトヤが居るけど、あいつには任せたくない気持ちが大きい


「くそ、こうなったら海を泳いで向こう側へ行ってやる!」


僕が海へ入って泳ぎ始めると、津波が来た


「僕はバカだな、冷静に考えれば分かりそうなのに……」


波にのまれ、上も下も分からなくなって流され、体を強く打って気絶した



僕の唇に、柔らかい物が重なっている。その後、胸を押された


「マサキ!マサキっ!!」


目を開けると、エミリが見えた


「人工呼吸になっていないよ、エミリ」


僕は口を付けただけのキスのような人工呼吸と、弱弱しい心臓マッサージを受けていたようだ


幸い、体は痛いが骨に異常は無いようだ


「ごめん、なさい……」


エミリが、ボロボロと涙を流す


「どうしたんだい?」


「木を砂浜に運び終わった後、私がヤシの実を探しに行っているときに地震が起きて、砂浜に居たモトヤが津波に流されたの……」


エミリが泣き出したので、背中をさすってあげる


「しょうがないよ。まさか、こんなことになるなんて思っていなかったんだし」


「津波が来なくなって、砂浜を見ていたら、マサキを見つけたの。私、マサキも死んじゃったんじゃないかと思って、不安で、不安で……ぐすっ」


泣きそうなエミリの頭を撫でてやる。そして、ぎゅっと抱きしめる


「大丈夫。僕は居なくならないよ」


「うん……。絶対だよ?」


「ああ、絶対だ」


僕は軽くエミリにキスをして体を離した


「地震でどうなったか、調べよう。少なくとも、向こうの洞窟が崩れ、崖まで崩れるような地震だ。もしかしたら、こっちにも何か起きているかもしれない」


「えっ、あっちはそんなにひどいことになったの?」


「ああ。だから、いろいろと調べてみよう」


そう思っていたら、沖の方からやってくる船が見えた


「あれは、救助艇?」




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