第6話 サバイバル2日目

エミリと一緒に洞窟へ戻り、寝る準備をする。エミリのリュックには、役に立たない物しか無いと思っていたが、歯磨き粉と歯ブラシ、櫛などが入っていた


「私のリュックに歯磨き粉があっただけマシよねぇ。虫歯にはなりたくないもの」


「僕の分の歯ブラシは無いから、僕は枝か指で歯を磨くという2択だけどね……」


当然、エミリの歯ブラシを借りる予定はない


口をゆすいで、昼間に集めておいた草の布団に2人で寝転がる


「ねえ、手を繋いでいい?」


「……、いいけど、しばらくだけね」


僕は少し照れてぶっきらぼうに言ってしまった


ぎゅっと手を繋いできたエミリの体温は、僕より少し高く感じた


「すーっ、すーっ」


エミリは疲れていたのか、すぐに寝てしまった


僕はそっとエミリの手を離すと、ゴロリと転がってエミリと反対側に横を向いた


「これから、どうするか……」


一体どれくらいで助けが来るのか分からない状況でのサバイバルは、精神的にクルものがある


考えるのもそこそこに、僕も寝ることにした



「おはよう!マサキ!」


エミリは、昨日の弱虫が嘘のように元気いっぱいだ


「おはよう、エミリ。元気いっぱいだな」


「うん!よーし、今日もがんばるぞー!おーっ」


エミリは拳を高くつき上げる。僕も一応拳をを突き上げる


「おーっ」


「むーっ、元気がないぞ!おーっ!」


「おーっ!」


まあ、これで少しは憂鬱な気分が晴れたかな。それだけはエミリに感謝だ


僕達は、川を渡り、昨日の罠に何かかかっていないか確認した


「おっ、運が良いみたいだ。ウサギが入っている」


落とし穴の底に仕掛けた尖った枝に刺さって、怪我をしたウサギが入っている


「これから、血抜きしないといけないんだけど、血を流すために海でやるから、エミリは見ないほうがいいよ」


「うっ、うん。多分、捌いているところを見たら気絶するか、吐きそう」


ウサギを解体する想像をしただけで、エミリは「おえっ」とえずいた


「その代わり、エミリはヤシの実か木の実、キノコ、魚なんかの他に食べられそうなものを探してくれないか?」


「わかったわ、任せておいて!」


僕はエミリに任せると、ウサギを解体しに砂浜へ行った

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