第21話 体育祭当日②
体育祭は一個目の種目である各応援団による応援合戦から死闘を繰り広げられてきた。
ここでだいぶ遅くなってしまったが、川辺高校の体育祭ルールを説明すると、まず色分けとして四色ある。一組が赤で二組が白、三組が青に四組が黄。とても単純でわかりやすい。あとのルールとしてはどの高校もほとんど同じだろう。さまざまな種目を経て、高い点数を得たチームが勝利。体育祭の優勝組となる。
午前中の種目としては、あまり体を激しく動かさないものが多い。
その中に俺も参加する大縄跳びがあり、出番は“タイフウの目”の次にあたる。
待機場で整列して待っているのだが……ああ、緊張しすぎて膀胱が……。
先ほど五分前くらいにトイレへ行ったばかりなのにもう、トイレ行きたくなってきた。
このまま行ってしまえば、縄跳びをしている最中に俺のが……ぶしゃあああああ!
ふ◯っしーをイメージしたのに……なんだろう? “ぶしゃあああああ!”という表現が今更ながらにエロく感じる。ふ◯っしーエロっ。
そんなことを思っていると、とうとうタイフウの目が終わり、俺たち大縄跳びの出番がやってきた。
――クソッ。ふ◯っしーのせいでトイレに行き損ねたじゃねぇか!
終わるまで我慢できるだろうか……いや、我慢しなければ公開処刑みたいなものだ。
「お兄ちゃん……なんか気合いが入ってる? 顔がなんだか険しいけど……」
横に整列していた奈々がふとそんなことを言ってきたが……違うぞ我が妹よ。我はただトイレを我慢しているだけよ。
奈々のことはとりあえずスルーしておいて、点数板の方に視線を向ける。
俺たち白組が今のところ最下位。ここで巻き返したいところではある。
一位を取るためにも最低百回は飛ばないと……な。
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