第16話 アニメみててつい……

ねえ知っとるかね。


このゲーム、他のアプリと連携すると合法でゲームしながら動画とかアニメ見放題とか視聴できるの、つまりは大自然の中でダラダラできるということ、やだ、クッション欲しい。


「さて、もっかい見るか」

そんなわけで、木漏れ日深い森のなんかちっちゃい池の横で見てるのです、アニメを。


私レオニャン、新しいものに手を出すのが億劫なメンタル老人。


悲しいことにアニメやドラマ映画に関しても新しいのに手を出すのが中々できない、結果どうなるか、ふふふ、同じアニメのクールを四時間くらい見てる、クールっていうのはあれね、一話目から十二話までの一区切りつくまでの総称……だった気がする、間違ってたら恥ずい。

 

一度手を出して気に入ったアニメをひたすら見てる、飽きるまでとことん見てる、私ガムは味がなくなるまで見るタイプ、つまりそういうこと、どういうこと? まあいいや。


他のプレイヤーさんもこないしいい感じの木の背もたれもあるしでだらけない理由がナイナイ。


「グーググ」

ん? 肩ちょんちょんされた。


「なーにー? 」

「グググ」 

横を見れば神妙な顔で低く唸ってるオークちゃん。


ちょこっと前までは池に映る木とか揺れる様子なんかを眺めてたまにこっち見て唸つわたりしてたはず……多分深い意味はないって認識してる、きっと間違いない。


「……グガ〜」

「なーによ」

「ぐーが」

なんかこの子からちょっと怒ってる気がするぞー、あれー? 


「ご飯さっき食べたでしょー……、え、違う? 」

「グァ、グァ」

んー? 何言おうとしてるのか全然わかんないやこれゲームぞ、何か意味があるとも思えないかもしれない。


「んー……」

「グゥア、グゥア」

「頭なでて欲しい? 」

「グゥルア」

首横に振った、違うみたい。


「んー、ご飯もっと欲しい」 

「グゥルア」

あら、違うみたい。


「んー? わかんない」

「グゥ、グッグッ」

オークちゃんがオークちゃんの指でオークちゃん自身を指差している……はて。


オークちゃんには放置している以外でなにかあったかしら……ゴブリン勝手に食べてるしその様子はグロいから食事中は離れてるし。


あ、思い出した。


「もしかして……名前? 」

「グゥ! 」

頷いた、そうみたい。


「なんかめんどくさくなってそのままになっちゃったねそういや、めんごめんご」

「グゥ……アグゥ」

「すごい声出すじゃん、ごめんて」

犬の悲鳴と唸りミックスみたいな感じで鳴くじゃん……とわいえ名前、名前かぁ。


……どうすっかなあ。


「やっぱり可愛い名前がいいよね」

「ガフ」

「かっこいいのも良いけどやっぱり私は癒やしが欲しいわけよ」

「ガウ」

「んー………んー、ちょっとアニメ見てから考えるか」

「ウガー? 」

とりあえずさっき見てたアニメを再生……あ、CM入った。


『魔法少女バトルロイヤル! 血みどろのほのぼの恋愛青春ストーリー!』

なんじゃこりゃ。


『日曜朝八時から放送決定! みてね! 』

ニチアサになんてもの見せようとしてんの……なんかブサカワなマスコットいるな、名前なんじゃろほい、検索検索……。


このぶっちゃいくな牙生えたこれ、これって言っちゃった、おなまえはーゴンザレス? オーケーオーケー。 


よし。


「へいオークちゃん」

「ガフ」

「君の名前は今日からゴンザレスちゃんだ」

「ウガ!! 」


『種族名はぐれオークにゴンザレスという名前がつけられました おめでとうございます、ミッション【テイムモンスターに名前をつけよう】クリアです 報酬のパワードリンクをどうぞ』 

「なんじゃそりゃ」

なんか貰ったけどめんどいからバッグにつっこんで、と、よし。


「ガフ♪」

さあ、アニメの続き続きー。




 






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