第15話 わたしレオにゃん ピュアなこと考えらんないの

わたしはブラックな元職場のネットのクチコミ低評価をみてストレス発散するピュアな女の子、書き込むなんてお下品な真似はいたしませんわ他所様の書いた心の通りのご意見を真に受け取りにまにまする……タチわる、なんだこの性格悪い人間、自分じゃい。


じゃなくて、乙女乙女、ピュアな乙女をわたしは降臨させる、よし。



わたしいまとても困ってるの。


『ゴブリンのボロ布を入手しました 』


それがね、わたし何故かオークをゲットしてたの、多分なんかめんどくさくなったと思うんだけどね、そこは良いのよ、ゲームしてたらそういうのもあるよね、だから全然気にしない、スポーツマンシップ大事。


『ゴブリンのボロ布を入手しました ゴブリンのボロ布を入手しました ゴブリンのボロ布を入手しました』


まあここまでは良いのです、わたしは聖女のような清らかな心を持っている、だから例えキュートでもなんでもないペットだとしても捨てるなんてことはしない、懐は海のように広い、ふははよきに計らえですわよ。


『ゴブリンのボロ布を入手しましたゴブリンのボロ布を入手しましたゴブリンのボロ布を入手しましたゴブリンのボロ布を入手しました』


大事なのはそう、この見るからにごつい18禁漫画サイトでオール出演してそうなオークちゃんになんて名前をつけようかなと思いましてですね。


まずは形からと言いますか、愛着を持つには可愛い名前をつけようかなと、


可愛い名前をつければ可愛く見える、なんて安直だとは思いますが週末朝八時のアニメを見たわたしは閃いたのだから仕方がないとは思いませんか、思いますね、うふふでもいくら清らかすぎる心と寛容すぎる懐のわたしでもこのオークちゃんに可愛らしいなんてそんなおほほ。


『ゴブリンのボロ布を入手しましたゴブリンのボロ布を入手しましたゴブリンのボロ布を入手しましたゴブリンのボロ布を入手しましたゴブリンのボロ布を入手しました』


さーて……そろそろ素に戻らないと後々恥ずかしくなるから戻るか……どっしようかな、名前。


『ゴブリンの魔石を入手しました レアアイテムです、おめでとうございます』

「んあ? なによさっきからうるっさいね」

自問自答、語感だけは大変渋い、だけどやっていることと言えば脳内会議、お嬢様の自分と聖女の自分とよく分からない自分がペラペラ変なことを会話しているだけ、さあここで問題、わたしは今どこにいるでしょう答えは当然はじまりの平原。


青々しい平原でポツンと地面から生えてる良い感じの平べったい岩の上に座って悶々と。


『ゴブリンのボロ布を入手しました ゴブリンのボロ布を入手しました』


「だからなによこれ、ゴブリンなんておれ倒してな……ん? 」

なにもないところをなんとなく見て考えていたから後ろにいるオークちゃんがなにをしているのか良く分からない、

確か座らせていたけど……。


「もっちゃもっちゃ」

「なんかもぐもぐしてるぅ」

手になんか、なに? あれ 、あ、理解したらこの子捨てるかもしれない、あ、口にいれた。


「ごくん」

「えぇ……なに食ったの、、? 」


『ゴブリンのボロ布を入手しました』


「うそおゴブリン食ってるぅ……やだぁ~」

「ケプッ」



★★★


【はぐれオーク】


レベル28

HP 151

MP 0

STR 122

INT 0

DEX 50

AGI 3

DEF 34

VIT 62





★★★



「レベル上がってるぅ、やだぁあ、いやああ」

突如生まれたギャルが悲鳴をあげる。


いくらで売れるかしらこの子……まあ売らないけど。


「……ぐふ?」

「あ、いらないです」

「ガフ」

食べたいから見ているわけじゃないのよ、かつてゴブリンだったものをこっちに向けないの、お食べ。



早急に名前をつけないと捨てるぞ、この子。


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