第5話 めんどくせえ平原……(´・ω・`)
【さぁ、我のできることはもうない、往くのだ怠惰を望むものよ……汝に自由のあらんことを】
長かったメイキングを終え、AIの言葉と共に視界が白く染まる。
目を閉じ、もう一度開けると、緑の匂いいっぱいの草原が目の前に広がっていた。
乾いた風が髪を揺らし湿った匂いが届き、現実の空より少し濃い色の青空……その先にはうっすらと建物が見える気がする。
『チュートリアルミッションキャラメイキングをクリアしました、クリア報酬をご確認ください』
アナウンス? 視界いっぱいに広がる壮大な景色? 端のほうにある不自然な四角いチャットの枠? いや、いやいやいや。
「あんの糞AI……! 」
『初心者応援スタートダッシュログインボーナス一日目を獲得しました』
暖かい風吹く野原とか後が森とか! 雲一つないすみきった青空とか!! あのAIのせいで8割型台無しだよ。
キャラの容姿、身長、髪型、髪色にもで介入して来やがって……武器選びの部分はは許す、参考になった、だがそれ以外は断じ許さん。
『週間ログインボーナス一日目を獲得しました』
「あぁ……あれか、お手本としてまずはAIが自由に振る舞うぜってか? やかましいわ.....んん?」
乱暴にその場に座り顔をあげれば、視界の右端に四角いアイコンが青く点滅している。
「なんだこれ.....」
自然な動きで手を伸ばし触れると、その四角が大きくなった。
『ログインボーナス獲得報酬をボックスに送りました』
「ログインねぇ.....」
『気になる事柄、事象、もしくはメニュー画面を確認したい場合手で触れるか数秒視線を向ければ表示されます』
画用紙サイズの液晶パネルが現れ、くそAIとは別の女性の声がそれについての説明を促す。
『メニュー画面は左からログアウトボタン、ステータス 所持アイテム一覧、ボックス、フレンド、ギルドに運営からの情報等確認できるインフォメーションがございます』
「へぇ」
『不明な点がございましたらお気軽にお聞きください』
「へいへい」
空に浮かぶテレビとか超不自然。
「……とりあえずゲームだゲーム、ゲームを楽しもう」
不平不満はあれどこちとられっきとした大人、切り替えが必要。
チュートリアルミッションクリアの報酬で金貨一枚と冒険者キッド一式……?
「金貨とはなんぞや」
『この世界の一般通貨でございます』
「ほう、一式の中身は……」
馬皮の鎧、ヘアピン、馬用鞭、馬皮の靴……。
馬ばっかじゃねえか、やだよそれつけるの……次
「初心者応援スタートダッシュログインボーナスは……金貨10枚と中級ポーション50個……ポーションってなんだ?」
『この世界に流通する一般的な傷薬、中級ポーションですと体力の5割を回復します、自分で使うのも仲間に使うのもご自由に』
「ほほう、ありがと」
これは大事に使わないと、勿体ないからとっとこ。
週間ログインボーナスは上級ポーション一個と……。
「……まぁ、そこそこ、か」
可もなく不可もなく……よく知らんけど貰えるだけありがたいよな。
次だ次、ステータスとか容姿とかだ。
「鏡とかある?」
『御座いません』
「……ですよねー」
鏡で今の姿みたいけど流石にそれはわがままか。
『平原を越えた先の【始まりの町】の雑貨屋にて購入できます』
「そうかー……ふーん」
ふーん、へぇー。
じっと目を凝らし、今見える周囲を観察を試みる。
青空、青空、青空、草、草、草……。
後ろを振り返ればなんか不気味な森、と。
よーし。
「ステータス確認したらログアウトすっか……」
……ここから遠い町まで歩くのちょっと萎れた心的に、無い。
簡単な操作確認だけしてやめるべ……ポチッと。
★★★
【レオにゃん】
職業「テイマー」
レベル1
STR 3
INT 4
DEX 0
AGI 1
DEF 1
VIT 10
【保有スキル】
テイミング
モンスター強化
「スピードアシスト」
「パワーアシスト」
「プロテクトアシスト」
【装備】
「馬用鞭」
「布製服」
「布製ズボン」
【称号】
怠惰を望む者 新米冒険者
★★★
ログアウトっと。
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