第6話
《サオリ……》
『ああんっ、よしくん……今日シャンパン入れてね…ああんっ』
五反田のラブホテル。
同伴中のサオリとお客様のよしさん。
タバコを吸うよしくん
『よしくん、そろそろお店行こう』
《そうだね》
着替えて店へ向かう。
お店へ着く、店長が出迎える。
『いらっしゃいませ、よし様』
『店長、たまには一緒に飲もうか』
『喜んでご一緒させて頂きます』
と店長。
『じゃ、私荷物置いてくるね、待っててね、よしくん』
とよしさんに伝え、
後ろにいた黒服さんに、
『シャンパン持ってきて』
と伝えサオリが更衣室へ行く。
『はいはい』
店長がグラスを持ってよしさんの隣へ座る。
『どうされました?』
『サオリに飽きた、もう要らん』
『わかりました、今日丁度いい子が入りましてご紹介だけ』
《見てみるか》
『ルリちゃん、来て』
「はい」
『常連のよし様』
見た感じ60歳位の落ち着いた感じのおじいさん、
「こんばんは、よし様」
『店長、なかなかいいね~じゃ、指名で』
『サオリさんとルリさんふたり指名で宜しいですか?』
『いいよ』
『ありがとうございます』
と言い店長は去った。
『ルリちゃんは、なにカップなの?』
よしさんが言う。
「……え?はじめてです、そんな事聞かれたの」
『いいね~その初な感じ、おじさん、ときめいちゃうよ』
「そうですか……」
なんて失礼なおじいさん……などと思ったルリ……
『よしくん』
不機嫌そうなサオリが来る。
『あー、サオリ』
『よしくん、この子指名したの?』
『あぁ、店長に勧められてね』
『えー、店長なに考えてるんだろう、あとで店長に言っとく』
『そうだね』
『名前は?』
「ルリです」
黒服さんが持ってきたシャンパンを持ち上げるサオリ。
『ルリちゃんの入店祝いにしよう』
ルリへボトルごと渡すサオリ
『ルリちゃん、飲んで、一気ね』
『サオリっ、なにするんだ』
慌てるよしさん
「……わかりました」
とルリは立ち上がり、両手でボトルを持ち一気に飲み干す。
周りのキャスト、客が驚く。
店長が、グラスへ水を入れ走って持ってくる。
『ルリちゃん、大丈夫?』
「大丈夫です」
『今日はもう帰るよ』
よし様が店長に言う。
『わかりました』
『よしくん、次はいつ会える?』
『サオリ、連絡するよ』
『待ってるね』
よしさんが帰った後、ユリアさんの中田さんというお客様の席へ呼ばれた。
『君いいね、初日からあれか。普通の女の子なら泣いてたよ、ユリアならボトルごと中身をあの女の子の頭から掛けてたな』
と中田さんが言う。
『えー、アタシそんなことしないよ~、ルリちゃんだっけ?お酒好きそうだね、お酒飲んで知らない男とすぐホテルとか行きそうなタイプに見える~』
『マジで?じゃ、俺と行こう、次からルリちゃん指名するよ』
と中田さん
。
「私お付き合いしていない人とはそういうことしません」
と言うルリ
『ルリちゃんてエッチすきなの~?』
他のお客様へも聞こえるように言うユリア
「違います」
答えるルリ
『いいね~ルリちゃん』
喜ぶ中田さん。
もう、ユリアはターゲットをルリに定めたらしい。
店長が気を遣い、店の2階の事務室での休憩時間をくれた。
『ルリちゃん大丈夫?……じゃないよね』
「大丈夫です」
『……よしさんは元々はシャンパンを入れたりする人じゃないんだよ、サオリが枕営業してから変わってしまった、男になったんだよね……』
「お気になさらないでください」
『ルリちゃん、NO1を目指さないか?』
「……ぇ?」
『私がこの店に来て10年、この店には、毒が増えすぎた。毒を出したいと考えている。どうかな?』
「……考えさせて下さい」
『分かった』
仕事に戻る瑠璃……。
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