第223話 試験開始
【お知らせ】
新作を投稿しました!
「引退賢者はのんびり開拓生活をおくりたい ~不正がはびこる大国の賢者を辞めて小国の離島へと移住したら、なぜか優秀な元教え子たちが集まってきました~」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054896085495
メインテーマは【スローライフ&開拓】!
のんびりまったりしつつ、トラブルに巻き込まれてしまう主人公の明日はどっちだ!
※カクヨムコン7参加作品です。応援よろしくお願いいたします!<(_ _)>
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ついに試験の日がやってくる。
二日に分けて行われる初日は筆記試験。
これに関しては、特に心配いらないだろう。
問題は二日目の実戦形式で行われる試験。
ルールとしては、武闘大会とあまり変わらない。
つまり、単純に勝敗だけで合否が決まるわけでなく、肝心なのは勝負の内容。なので、勝者と敗者が決定していたとしても、両者合格ということもあり得る。逆に、同じ条件で両者不合格というケースも稀だがあるらしい。
なので、学生は相手が誰であろうと、自分の力を十分に発揮して挑むことができる。
試験の会場となる演習場。
「懐かしいな……」
思い出させるのはラウルの魔剣暴走事件。
お世辞にもいい思い出というわけではないが、転生した俺が初めて直面した問題ということもあって印象に強く残っている。まあ、あれがきっかけでラウルとは親しくなれたわけだし、嫌な記憶ばかりでもないか。
その場所で、俺は今日――ラウルと再戦する。
だが、組み合わせの順番から、俺とラウルの戦いは最後。
番が回ってくるまで、他のみんなを応援するとしよう。
「ぬおおおおっ!」
「うわっ!?」
最初は騎士団の一員であるアンドレイと、炎属性クラスに所属するオットーの対戦。
得意の炎魔法と自慢のスピードを組み合わせた戦闘スタイルで、オットーはアンドレイを翻弄する。この手のタイプは、パワーで押し切る戦い方を得意とするアンドレイが苦手としている――はずだったが、
「うるぁ!」
「どわっ!?」
魔法にプラスして、自慢のパワーが炸裂。
オットーの炎魔法を振るった拳の風圧で消し飛ばすほどだった。
しかし、オットーもそれであきらめたりはせず、隙をついて反撃に出ようと機をうかがっていた。アンドレイも、攻撃は防げても決定的な一撃を打ち込めず、やがて制限時間の五分が経過。
「そこまで!」
審判を務める教師の声を聞き、ふたりは大きく息を吐いてから、
「さすがは学園騎士団だ。参ったよ」
「君の方こそ。見事な魔法とスピードだ」
激しく抱き合い、互いの健闘をたたえ合った。
その後、ジャーヴィス、ユーリカが試験を終えていく。学年が違うため、少し離れた位置で試験を受けているマデリーンも好調なようだ。
みんな、自分の強みを存分に発揮した戦いぶりを披露し、採点を担当する教師たちからの反応も悪くない。この調子なら、合格できるだろう。
試験が半分を過ぎた頃、いよいよ注目の対戦カードが巡ってくる。
「次は――クライネ・フォズロードVSティーテ・エーレンヴェルク!」
生徒会に所属するクライネとティーテ。
試験とはいえ、ふたりの戦いがこれから始まるのだ。
「お互い、全力を出し切りましょう」
「はい!」
クライネとティーテは握手を交わし、戦闘態勢を取る。
「あのふたり……どちらが勝つと思う?」
「是非ともバレット様の意見を聞きたいですね」
戦いの行く末を見守っていると、試験を終えたジャーヴィスとユーリカがやってきた。
「どうだろうな。こればっかりは俺も読めないよ」
果たして……勝負の行方は――
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