第190話 ティーテ救出作戦
【お知らせ】
新作を投稿しました!
「ダンジョン・ファーム ~家を追い出されたので、ダンジョンに農場をつくって暮らそうと思います~」
https://kakuyomu.jp/works/16816452219389978278
今回は過去作のリメイクではなく完全新作となっております!
スローライフものなので、お好きな方はぜひ!
そうでない方も、ハーレムや成り上がり好きの片もぜひ!
どれも好きじゃないという方もぜひ一度ご覧あれ!
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人質となっているはずのティーテが現れた。
その緊急事態に、俺たちは動揺――も、すぐに気持ちを切り替えて救出作戦を決行すべく、さらなる接近を試みた。
しかし、大勢でのこれ以上の移動は敵に気づかれる可能性が大幅に上がる。
そこで、俺とラウルとユーリカの三人で接近し、ジャーヴィス、アンドレイ、マデリーンには待機するように提案する。それと、何かあった時のため、待機組の指揮権はジャーヴィスが執るように伝える。
「分かった。気をつけてくれよ、バレット」
「ああ」
俺たちはすぐさま行動開始。
ティーテは未だにテラスでうずくまっていた。
無理もない。
眼下には見張り役を務める、武装した暴動グループの兵士が数名待機していたのだ。少しでも物音を立てたら、外へ出たことがバレてしまう。ティーテの行動を見る限り、相手側の了承を得て外に出たわけでないのは明白だ。
――もし、アロンソ様かリリア様のどちらかが、ティーテの脱走を手引きしたとしたら……逆上した暴動グループのメンバーに何をされるか分からない。
……ただ、あのおふたりなら、そんなリスクを負ってもなお、ティーテを助けだそうとするだろう。
「バレット様、どうしますか?」
不安げに尋ねてくるラウル。
「……とにかく、敵の戦力を無効化しよう」
俺たちは屋敷の裏口側から侵入しようと移動を開始。
とはいえ、今まで一度も来たことがない屋敷だったため、どこに入り口があってどこへ通じているのか――一切分からない状態だ。
それでも、あのまま待機し続けるという選択肢はなかった。
ティーテはもちろん、そのご両親にも危機が迫っているのだ。
その時、
「バレット様、あそこを」
一緒に茂みへと隠れていたユーリカが、何かに気づいて耳打ちをする。
そして、彼女が指さした方向にあったのは、屋敷の中へと入るためのドア――そして、それを守るふたりの兵士の姿だった。
「あそこだけ妙に警戒が厳重だな……」
ということはつまり……導きだされる答えは決まっているな。
問題は方法だ。
あのふたりを倒して内部へ侵入することは容易だろう。しかし、そうなると周囲に気づかれてしまう。そうなったら、人質となっている人たちがどうなるか……想像に難しくない。
「ここは慎重に行動するぞ」
「は、はい……」
「そうですね……」
ラウルもユーリカも理解はしている――が、内心の焦りは隠しきれなかった。
その気持ちは俺も変わらない。
一刻も早く、ティーテたち人質を助けだしたいという気持ちがあるものの、だからといって軽々な行動をとってより危険な目に遭わせるのだけは避けたかった。
慎重に、かつ迅速に。
俺は聖剣に魔力を込めた。
あのふたりが驚きの声をあげる間もなく仕留めれば――そう思った次の瞬間、俺は駆けだしていた。
「「!?」」
一瞬、ラウルとユーリカの驚く表情が視界の端に移る。
だが、俺はもう止まらない。
「! な――」
俺は見張りふたりを聖剣の魔力によって生み出された拘束魔法で身動きを封じと、首筋への一撃で意識を奪う。
「これでいいだろう」
俺はドアを開けて中の様子をこっそりうかがう。
そこはキッチンらしく、人の気配はない。
俺は隣接している食材保管用の倉庫へ見張りふたりを押し込むと、ラウルとユーリカを呼び寄せた。
「このままティーテのいるテラスへ向かおう」
「「はい」」
小声で次の行動を指示し、俺たちはキッチンを出た。
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