第104話 活動開始
※明日の朝7:00より、カクヨムコン6に向けた新作第二弾を投稿予定!
ジャンルとしては前回と違ってガッツリ「ざまぁ」があります。
お楽しみに!
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学生集会も無事終わり、学園騎士団は正式に活動を開始。
――とはいえ、現在のところ目立った事件は起きていない。
ラウル暴走事件や舞踏会襲撃事件以降、そういったトラブルは鳴りを潜めていた。うちのメイド三人衆に学園周辺の調査をお願いしているが、やはりこれといって目につくものはないという。
気にかかるのは、以前容疑をかけたティモンズ先生。
しかし、出張が多いというだけで特に悪評のある先生ではなく、おまけにその出張もカラ出張ではなくてちゃんと魔法学会の会合や評論会に参加しているという。調査担当のマリナは証明もあると言っていた。
では、陰でこそこそと何かを企んでいる黒幕は何者なのだろう。
そして、その目的とは。
俺は、そいつこそがこの作品――【最弱聖剣士の成り上がり】におけるラスボスなのではないかと睨んでいた。
真犯人を見つけるためにも、この騎士団結成というイベントは大変ありがたいものだった。
何せ、これなら大手を振っていろいろと調べられるからな。
というわけで、早速授業後に学園周辺をパトロールすることに。
とりあえず、俺とティーテとジャーヴィス、そしてラウルとユーリカの二手に分かれることとなった。
「何か変わったことはなかったか?」
「いやぁ、今のところは特にないかな」
地道な聞き込みから始めたけど……まあ、やっぱりというか、そう簡単に情報が集まるはずもなく、空振りに終わった。
「うーむ……すでに犯人は学園をあきらめたのかな?」
「……しかし、舞踏会当日にわざわざ合成魔獣なんてモノを仕込んできたヤツだからな。その労力を考えると、そう簡単にあきらめるとは思えない」
あれくらいの大掛かりな仕掛けを用いたんだ。
執念のようなものを感じるし……何より「嫌な予感」ってヤツがしていた。
「君の読みは当たるからね。……それに、僕としても、やはりこのまま終わるとは思えないかな」
「私もそう思います!」
ジャーヴィスとティーテもそう思うか。
特にジャーヴィスは一緒に合成魔獣と戦ったし、その辺の危機感はあるのだろう。
「だから頑張りましょう、バレット」
「ティーテ……ありがとう。元気が出たよ」
「どういたしまして♪」
ティーテが応援してくれたなら、地の果てまで全力疾走できそうなくらい元気が出てきた。なんという恐ろしい効果……。
「うぅん!」
ティーテと見つめ合っていたら、ジャーヴィスが「僕の存在を忘れてもらっては困るな」と言わんばかりに盛大な咳払いをする。
「やれやれ……見せつけるようにいちゃつくのはよろしくないと、ウォルター先生からこの前注意されたばかりじゃなかったかな?」
「ぐっ……め、面目ない」
「ご、ごめんなさい」
うっかり失念していた。
というより、性別を偽っているジャーヴィスの前では、その点について一層気を遣わないといけないな。
「こうなったら、少しでも君たちのいちゃつきを抑えるために、僕が愛人として立候補しようかな?」
そう言って、ジャーヴィスは俺の肩に手を添える。
「どうだい? 君には一度裸体を見られているんだ……僕としてはむしろそのような辱めを受けた責任を取ってもらいたいところけど」
「せ、責任って……」
「それに今の僕は男子生徒だ。はたから見たら、男子同士がふざけ合っているようにしか見えないさ」
それはさすがに無理があるだろ。
と、
「ダ、ダメですよ!」
ティーテが俺とジャーヴィスの間に割って入り、そのまま俺に抱き着く。
「あはは、冗談だよ。ちょっとからかっただけさ」
「むぅ」
頬を膨らませて怒るティーテ。
その顔も可愛い。
しかし……さっきのジャーヴィスの顔はからかっているように見えなかったけど……って、それより、この調子だと、ラウルたちも収穫も期待できそうにないな。
……ていうか、あっちもいちゃついているんじゃないだろうな?
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