第2話 賢すぎる少年の苦悩

「よし、今は4:00と。」


 僕はなぜこんな時間に起きていると思う?

早起きして朝のジョギング?二度寝?それともゲーム?

そんなのだったらどれだけよかっただろう。

 残念ながら、これぐらい時間に起きないと学校に遅刻するからである。


いや、マジで学校の近くに家ほしい、ほしいよ~。


 国のお偉いさんに云ったらやってくれるんだろうが、あいつらに借りは絶対に作りたくない。いいように利用される未来しか見えん。まあそうなったらちょっとMENSAの知り合いにSOS送るだけなんだけど、それはそれで逃げてるみたいで嫌だ。


ああ、でもやっぱだっるい。


 残念ながらこの時間は誰も起きていないので、この時間から弁当なども自分で作って学校に行く。ちなみに、今日の献立は作り置きしてる餃子とハンバーグ、レタス、ニンジンなどののサラダ、4等分したオレンジの一つだ。中々に美味しそうである。嫌いなものを入れなくても中々に栄養豊富そうなメニューだ。

 最近学校がつまんな過ぎて昼飯だけが楽しみとまであるので、かなり張り切って弁当は作る。


 制服に着替え、朝食も作り出す。

今回は生姜焼きだ。朝からこれを食べるのは…って思うかもしれないが、これね、

ちょっと味を工夫したら優しい味になるんですよ。やってみて、最高だから。


 一体僕は誰に話しかけてるんだろう。そう呟きながら、支度をして自転車で駅へ向かう。そう、電車通いなのである。それに、田舎だから本数が全然ないんだよね。


 しかも、駅員がいないんだよ?駅の中は潔いほど静かで、思わず眠ってしまいそうになる。


 何とか眠気に耐え、5分ほど待つと電車がやってくる。これだけ早い時間でもやっぱり乗っている人はいる。仕事人の皆さんお疲れ様です。僕と似たような生活をしている人もいるのだろうか。大人になってもこんな生活はしたくない。


そんなこんなでうたた寝しながら2時間ほどかけて目的地に着く。

幸いにも駅から学校まではかなり近いので、歩いて行けるのだが…。


「あら、おはよう佐々木君。今日もやつれてるわね。」


この人が僕に付き纏うのだ。


「あのさ、疲れてると思うなら話しかけないでくれる?

君と話すのは神経を使うんだ、神崎さん。」


「まあまあ、そんなこと言わないでよ、ね?」


 あざとい、仕草がめちゃくちゃあざとい。そんな軽くボディタッチしないでよ。あと上目づかいもやめて。周りの目がやばいから。射殺されちゃうから。


「もうほんとに迷惑だからやめて、ね、ねえ?」


必死に腕を振り払おうとするが…、このひと、こんなに握力強かったっけ?痛い、いたいです。


「彩萌、そのぐらいにしてやりなよ、旅人も嫌がってるじゃん」

「あら、佐々木君は嫌がってないでしょ?ね?」

「いや、早く教室行かせてもらっていいですか?こんな目立ちたくないんで」

「ほら、やっぱり嫌がってないじゃない」


 全く話聞いてない。意地でもついて来ようとする。ねえ、二人とも、被害者のこと考えてる?どんどん人集まってきてるよ?ねえ??


えっと、ここでの最適解は―――


「いや、そういうことではなくてさ、本当に「旅人もそっち側なんだ。へー、いや、お邪魔したわね、どうぞ続けて。私は居なくなるから。」


おいおいおいおい、なんか拗ねだしたんだけど。あー、もう慰め役誰がやってると思ってんだ?僕だぞ?


「なんか美鈴行ってしまったわね。私たちも行きましょう。」


この人絶対わかって言ってるだろ。


「え、……わかったよ。だけどその前に腕、離してもらえるかな。

僕なんかといると誤解されるし、嫌でしょ?」


「いいえ、そんなことないわよ?」


 しかし、こんな状況で言い返す言葉が見つからない。残念ながら、僕の頭脳はそっち方面には向いていないようだった。









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