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あの日も このように 暑かったのだろうね
長い夏休みが明けたら 青年は よその国に
平和にあってこそ 開け放たれた窓
みな 戸を固く閉じ
じりじりとした汗をたらして
銃声が 鳴り止むのを待っていたなんて
「夕べの大雨で 土砂崩のため 列車が不通です
今年は 学生さん 来られないかもしれません」
知らせが入った
演奏は 音楽学校のコンクールの優勝者で
僕は 何時も聞かずに 教会にだけに出向いていたが
あけっぴろげな小さな村には 響き渡った
演奏会には 行ったことはないけれど
ないとなると とても 残念に思えた
特に 最後になるかもしれない 慰霊祭だけに
しかし 何故だろうか 僕は駆りたてられた
締め付けられるほどの 衝動に
青年を独占したいという 欲求が
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