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記憶を探るように

平和だったころの

輝き放つ 思い出を求めて


兵士は 思い出していたに違いない

青年が 淡い恋に抱擁するように

接吻する頬の はにかむ妻の温もり


青年には 未来しかないように

若い夫婦も また 喜びを 待ちわびて

それが 当然であると信じて


全てが 祝福に満ち満ちていた日々

囁くように 促すように

生れるであろうわが子に 呼びかけて


小気味よく揺れる ブランコのように

青年は 何時もよりも 甘く 優しく

兵士を 心地よく 揺すったに違いない


もし 青年が ここで止めておいたら

兵士は 代えがたい幸福な時に酔いしれ

思い出を湛えて 去ったであろうに

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