20頁

このような状態の責めは 誰が負うのだろう

卒倒した老人の責めは 誰が負うべきか

平和とは 一瞬として 騒然となるものだ


だけど 僕は 揺るぎない確信を得た

高鳴る鼓動を どう 落ち着かせよう

逃げるように 僕は 立ち去った


少年を伴っていなければ

僕は 行き倒れていたかもしれない

息が止まりそうなほどの衝撃で


囚われの老人は 兵士だ

青年を撃った

あの 兵士だ


僕は どこに たむけたらいいのだろう

青年のための 花束を

納まりきれない 動揺を


僕は 集会場の天井を仰ぎ見た

ピアノの上には 無数に残る 弾痕

鍵盤の上には 青年の 血痕

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る