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もしも 意識を持って 見たとしたら
この囚われの老人には どう映るのだろう
この平和な装いは
静かに 切ない ピアノの音に
近くにいた老人たちも 耳を傾ける
灰色の記憶に 色をのせるように
それは そっと 知らず知らずに
思い出の中に 沁みて行く
ああ 僕には感じる
この手が 曲を奏でることのなかった手が
本能を追って 動くほど
囚われの老人の意識が 開いて行くのを
呟くように 囁くように 問いかける旋律は
何を思い出させているのだろうか
小さく 迫るように 揺さぶりながら
囚われの老人が 口ずさむ
遥か 彼方の 夢見るように
思い出を なぞって
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