第7歩 いつものネッコパンチ
そんなこんなでかなり歩きましたが、
「あそこ。」
「あ、はい。」
依頼書の【集合場所】の欄にもあったみはねの母のネッコカフェ『ウーサーミーツ』が見えてきました。
「ここ。お母さんがやってるネッコカフェ。平日は2,000ウェンでキャストと戯れ放題のドリンク飲み放題。はじめての人はワンコインで2時間お試しも可能。」
「ネッコカフェなのに『ワンコイン』?」
「ごめん、『ネッコイン』に訂正する。さあ、入って。」
「おっ、お邪魔しますっ。」
2人は裏口からウーサーミーツの店内へ入りました。
「まあ、今日は定休日なんだけどね。」
みはねがそう言いながら照明のスイッチを入れました。
暗かった屋内が明るくなると、そこそこ広い部屋を動き回る気ままなネッコのキャストちゃんたちが姿を
「かぁわいい!」
寝音子は可愛いネッコたちに囲まれたこの状況に興奮しないではいられませんでした。ついでにその中の1匹を捕まえて抱っこせずにもいられませんでした。
ネァ゛ァァァァァァ!
が、抱きかかえられたネッコは、枝分かれした硬い尻尾の6つほどある先端部分を、寝音子の顔面に叩きつけました。必死の抵抗です。
「ちゃぺ!」
「……大丈夫?」
みはねが仰向けに倒れた寝音子の顔を覗き込みます。
「大丈夫です……いつものことですから。」
そう、いつものことです。
寝音子は昔からネッコにだけはとことん懐かれません。いえ、むしろ嫌われるくらいの勢いです。
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