第12話 もしも。それでも。



 2週間が経過して、晴れて部活に復帰した。


 足の痛みも、熱も。

 患部からはもうとっくに引いていた。


 けれど消えない痛みと熱が、まだ私の心に居座っている。



 あれ以来、アイツを見かけるだけで頬が熱くなる。

 あれ以来、アイツの声を聞くだけで胸がギュッと痛くなる。


 今までアイツと何を話して、どうやって隣で息をしていたのか。

 それさえ忘れてしまったみたいで、とっても不自由だ。

 なのにそれでもアイツに近付きたくなるのだから、やっぱり私はどこかおかしい。




 ずっと悶々としているのは、私の性に合わない。

 だから今日、私は告白する。



 ――アイツは案外、モテるらしい。


 今までそんな事意識した事無かったから全く気付かなかったけれど、実行委員会などで毎回目立つポジションに居るし、勉強もできる。


 運動は……まぁ特に球技が残念だし、背も男子にしては低い。

 でも顔は決して悪くない。


 不器用なりに優しくて、周りにも気を配る事が出来る。



 もしかしたら、アイツは女なんて選り取り見取りで、私には目もくれないかもしれない。

 もしかしたら、冗談のように思われて、スルーされてしまうかもしれない。

 もしかしたら、鼻で笑われるかもしれない。


 でも、それでも。

 私は生徒会室へと向かうのだ。

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