第2話  転生。

『なかなか、面白かったな。』

『だろ?たまには、アニメの鑑賞も良いだろ。』

『・・・・・・・・・。』

『D!?どうした?』

『また、しょうもない事を想像しているんだろ?』

『まぁ、トンビよ。Dの話を聞いてみよう。』

『・・・・・・・・したい。』

『『はい!?』』

『俺も異世界転生してチートな能力が欲しい!!!!』

(うわぁー何言ってんだこいつ。)

トンビは、若干引きつつDを見ていた。

『良かろう。』

『はぁ!?ハカセまで何言ってんだ?』

トンビは、ハカセをイカレてる奴として、死んだ目で見るのだった。

『本当か?ハカセ!!!』

『あぁ。しかし、実際には無理だ。だから、もしもの時に備えシュミレーションをしようではないか。』

(なるほど。少し面白そうだな。)

トンビは、二人のやり取りを少し見守る事にしたのだった。

『まぁ・・・・。そうだよな。良し、やってくれ。』


『其方は、こちらのミスにより不幸な死を遂げてしまった。それゆえ、別の世界であるが転生をする機会を与える。』

『その世界とは、どんな世界なのですか?』

『前世とは違い、ファンタジー溢れる世界。そう魔法の世界だ。お主は、類まれなる魔法使いになる可能性を秘めている。』

『・・・・・・・おい。それは、あれか。童貞だからか。このまま30歳まで、何も起きないという事か?』

『・・・・・・・・・可能性を秘めている。』

『そんな可能性を秘めたくねぇーんだよ。もうちょい、真面目にやってくれ。』

『・・・・・・・・・可能性を秘めている。』


Dは、ハカセの胸倉を掴みつつ、真面目にと叫んでいた。


『待って待って。ちょっと、俺も仲間に入れてくれ。』

『そうだな。ちょっと、Dは1回やったからトンビを次にやろう。』

『ぇえーー、今ので1回??ちょ・・・・・。』

『はいはい。じゃあ、俺な。ハカセ頼むよ。』


Dは渋々、見学へ回っていた。


『其方は、こちらのミスにより不幸な死を遂げてしまった。それゆえ、別の世界であるが転生をする機会を与える。』

『その世界とは、どんな世界なのですか?』

(テンプレじゃねーか・・・・・。)

『ふむ。自然あふれる世界だ。』

『おぉーなんだ。インディージョーンズ的なやつか。良いじゃん。』

『そう。その星の名は、プラネット オブ エイプ。』

『・・・・・・・エイプ??・・・・・・おい。それは、俺が盛りのついた猿って事か。』

今度は、トンビがハカセの胸倉を掴むのであった。

『まぁまぁ、落ち着けって。そんな事で短気を起こすなよ。ハカセに頼んだのが間違いだ。』

(・・・・・・・こいつ。さっき同じ事してたじゃねーか。)

『そうかぁ??あながち嘘は付いてないけどな。』

((くそ。少し、本当の事を指しているから。悔しい・・・・・・。))

ハカセが飄々としているのに、悔しがる二人がいた。


ト『気を取り直して。先に設定を決めておこう。さっき見たアニメの設定で良いだろ。剣と魔法のファンタジーで、一つチート能力をもらえる的な。』

ト『そうだな。それが早い。Dなら、何のチートが欲しいんだ??』

D『そうだな。1つってのは、中々難しいな。』

ハ『なんでも望みは1つ可能なんだよな!?』

ト『そりゃあ、そうよ。もしもの話だけどな。』

D『そうなると、無難に回復魔法がカンストだな。』

ト『結局、魔法使いじゃねーか。』

D『よく考えたら、こうなるだろ。これさえあれば、魔物で死ぬこともないし、仕事も出来て、金の心配もない。』

ト『もしもの話でも夢がねぇーな。』

D『なら、トンビは何にするんだよ。』

ト『時を止める能力だな。だいたいのアニメとかでも最強なやつだろ。基本、死なないし、お金も問題ないだろ。』

D『なるほどな。確かに悪くないし、だいたいラスボスな能力だわ。悪くないけど、つまらんな。』

ト『結局、そんなもんだろ。ハカセは、どうなんだ?』

ハ『俺か??そうだな・・・・・。王族かな。』

D『それは、つまらないしセコイ。身分は、なしだろ。』

ハ『そうかぁー。それじゃあ、魅了能力一択カンスト。これで、完璧だろ。戦いも他人に任せ、仕事も任せればいい。なんなら、王族も魅了して婿に入ればいいじゃん。』


((こっこいつは、生粋の屑だ。))


トンビとDは、生唾を飲み込み、ただただ唖然としていた。そして、内心悔しさが込み上げてくるのであった。

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