第17話 - ミッション -

 20時をすぎた程度で、棟梁ゼブの家に到着する。すでに外で待ち構えていた。腕を組み、指をトントンと動かしている。


「こんばんは、遅れましたか?」


「いや、問題ねえ。早速だが、作戦を詰めたい」


 屋外だが、簡素な机とイスが3つ、最低限の灯りが用意されていた。腰かけて机上の地図を囲む。ゼブの説明が開始された。


「今からこのポイントBに移動してもらう」


 そこで魔導車の荷台に入り込んで、カズハとマーヤは身を隠す。

この荷車に、ヒネキが積んであり、今日は相手をおびき出すために多めに積まれた。間違いなく襲ってくるはずとのことだ。


 マーヤの魔力は元から一般人と同程度、カズハは気配が消せる。

中に刺客が潜んでいてもまず外からは見抜けない。


 街道を通り、そのままこの街へ入る。昨日伝えたポイントAで、ほぼ襲ってくる。運転手にはそのまま待機してもらう。相手も運び屋が居なくなるのは困るから、抵抗しなきゃ運転手は襲われないと続けた。


 ヒネキの木材に火を放ってくるが、そちらは無視して、シュウの討伐に専念して欲しいとのことだった。


「シュウは来るの? 用心棒だけでできる仕事に思えるわ」


「用心棒では材木の種類が見抜けねえんだ。必ずシュウも同行する」


 事が済んだら、ここに戻ってくるか、状況が難しければポイントCの小屋へ行き、身を隠して一夜を過ごせとのことだった。


「棟梁の俺は動向を感知されている。街から出れば連絡が行き、

 連中は出てこない可能性がある。悪いが同行はできねえ」


「吉報を待つ」


 作戦会議が終わり、ポイントBへ向かった。やや大きめのリュックを背負い、旅の2人組を装う。今日は大分準備した。毒類こそないが忍具はバッチリだ。


 2キロほど行くと、指定の位置に多くの貨物車が止まっていた。運輸の拠点となっているようだ。荷物を積む人、休憩中の運転手などが点々と見られる。指定の駐車場まで向かった。貨物車の前に日焼けした男性が佇む。


「ん? あんたらが、そうか? 若いな。こっちだ」


 貨物車の後ろに回る。荷台へ上がると、木材のスキ間に、隠れられるスペースが作ってあった。


「ここに潜んでくれ。出発はあと2時間後、0時だ。

 それまで適当に周辺でリラックスしててくれ」


マーヤはかなり緊張した面持ちだった。カズハも初陣はこんな様子だったろうか。世間話でもしながら時間を潰し、少し作戦を立てた。やがて告げられた時刻の10分前となる。


「出発だ。荷台へも潜ってくれ。以後会話はない。

 俺はあんたらの存在を知らないってことになってる。頼むぞ」


頷いて荷台へ入った。新品の材木の匂いがすさまじい。時刻ちょうどとなり、魔導貨物車が動き出した。非常に速度はゆっくりだ。もともと全速でもせいぜい20-30キロだが、貨物車ともなると徒歩よりやや速い程度だ。


15分ほどが立つ。


『だれかが荷車に魔力を当てている……!』


『えっ?』

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