第29話 新世界にむけて。

「綺麗な石粒…これが何の手掛りになるんだい?」

 シロの疑問にナイトは答える。

「【ゴブリン】に連れて行かれたから、きっと何か手掛りを残してくれてるって思って…それに色もフランに似てるから手掛りかもって……?」

「…っああ!」

 それを聞いてシロとメイジは唖然とする。確かに、光に照らされる石粒はフランの髪の色によく似たピンク色だ。

「そうだ!解析して結果が出れば、フランが何処に居るか分るかも知れないっ!」

《では、後ろの転送台に乗せて下さい!直ぐに解析しますからっ》

 シードはそう言うと、ヲントバッグを転送させる。ナイトはそのバッグを開けて中に石粒を入れる。

 少し時間が経ってシード達の方に転送された石粒をガヤガヤしながら、コネットが解析してくれているようだ。





《———此方コネットです。解析が完了しました》

 しばらく時間がかかった後、コネットからそんな声が聞こえてシロ達は一気にモニターに集中する。それに吃驚してコネットは肩を上げたが、それはすぐに元に戻る。

《解析の結果。これは花露のカケラ…みたいです。それは魔法世界『マジックフォレスト』に存在するようなので、もしかしたらそちらの方にその子は居ると思います。》

 それを聞いて、シロ達は目の奥に炎を宿す。次は助けると———————

「シード」

《はいっメイジ様》

 モニターがシードに切り替わる。

「その世界へのルートを検索してくれる?」

《はいっ!このような感じですっ》

 シードはメイジ達のモニターにルートであろう線と点の画像は添付する。

「よし、行こう!」

 シロは先頭の席に乗り、メイジはブルーホールの席に、ナイトは後ろの助手席に座り、目的地に向け舵を取る。——————————————————————————————

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