第11話 本当のセリス

・「糸草群生地 イン ザ 俺 リターン!」


裁縫スキルを手に入れてテンションが上がっている俺は、群生地に戻って来て叫んでいた。


レベル2 所持金 1076c

筋力 22 +5

知力 24 +5

敏捷性 22

スキル

自動マーカー、マップ、精神自動回復、順応力

魔法

癒しの波動

技能

剣術レベル4

杖術レベル1

盾術レベル1

体術レベル5 補正レベル1 筋力 2 俊敏性 3

特殊技能 補正値パッシブ

採取レベル7 補正レベル1 筋力 5 知力 5

加工技能

裁縫レベル1


・「ンフフフフ

ドンドン強くなる。

楽しくて仕方がない。」


ステータスを見て若干気持ち悪い笑いをした後、

再度、糸草の採取をする為に周りの魔物を借り始める。


・「よし、マップオープン。

さてさてテンチュウさん。

俺の糧となって貰いますよ!」


おかしなテンションのまま攻撃を仕掛ける。


ザシュ、ザシュ


・テンチュウを倒しました。


・「はやっ!

凄い、俺強くなってる!」


・レベルが上がりました。


・「しかもレベル上がったー!

イヤッフゥー」


更にテンションが上がるライオット。


・「やっぱりレベルアップが1番嬉しいね

ステータス


レベル3 所持金 1076c

筋力 27 +5

知力 29 +5

敏捷性 29

スキル

自動マーカー、マップ、精神自動回復、順応力

魔法

癒しの波動

技能

剣術レベル5 補正レベル1 筋力 2 敏捷生 2

杖術レベル1

盾術レベル1

体術レベル5 補正レベル1 筋力 2 俊敏性 3

特殊技能 補正値パッシブ

採取レベル7 補正レベル1 筋力 5 知力 5

加工技能

裁縫レベル1


・「ウム、強くなった!

更にテンチュウを倒して。

って、あれ?

マップのテンチュウに星マークが着いてる。

まさか、、これって、、

テンチュウではこれ以上レベル上がらないって事?

マジでか、早いな、、

後、、、マップに青い点あるぞ?」


青い点の方向を見ると、馬車の上に乗って手を振るリーシュさんの姿があった。


・「危ないな、

とは言えリーシュさんだから大丈夫かな?

でも意外とおっちょこちょいだからなぁ、、

とりあえず手を振っておくか。」


リーシュさんのお陰でだいぶ冷静になれた。

つまり、弱い敵を倒し続けても強くならないって事かな。

まあ、普通はそうか。

襲われなければ無視して糸草の採取でもするか、

そうして糸草の採取をする事にした。


・採取レベルが10になりました。

補正レベルが上がります。


・「お!思った通り10で補正レベルが上がったな。

早速確認だ、ステータス」


レベル3 所持金 1076c

筋力 27 +10

知力 29 +10

敏捷性 29


スキル

自動マーカー、マップ、精神自動回復、順応力


魔法

癒しの波動


技能

剣術レベル5 補正レベル1 筋力 2 敏捷生 2

杖術レベル1

盾術レベル1

体術レベル5 補正レベル1 筋力 2 俊敏性 3


特殊技能 補正値パッシブ

採取レベル10 補正レベル2 筋力 10 知力 10


加工技能

裁縫レベル1


・「採取の補正が凄い!

こりゃ、やりがいがあるな。 

とりあえず、鞄が一杯になるまで採取しよう。」


採取を再開させるライオット。

暫く経つといつものアナウンスが聞こえる。


・「よし、鞄一杯になったな。

今回はここからが本番だ。

裁縫スキルを上げる。」


そう言って鞄から糸草を取り出した。


・「まずはイメージだ。

完成品、工程、魔力の珠を刃に。

そして魔力の刃を糸草に当てる。」


ライオットは裁縫を行う。

何度も失敗しながら、何度も続ける。

本来なら直ぐに魔力が枯渇してしまうが、その点ライオットには関係ない。


・「ふぅ、38束で糸2本か。

でもこれ、魔力の回復が無かったら裁縫レベルをあげる事すらかなり難易度高いぞ。

ギルドにそれぞれの職人が居たのは魔力問題から?

裁縫1つ上げるのもキツイんだ、2つの技能を極めてる人なんて居ないんだろうな。

さて、まだ日が落ちるには時間があるな。

もう一度、採取と裁縫だ。」


ライオットはまた糸草を採取し始めた。

そして一杯になったら裁縫。

この一連の流れを日没間近まで行い、最後に依頼報告用に30束採取して戻る事にした。

糸は何とか合計で5本まで作成できた。


・「ただ今戻りました。

糸草の依頼報告です。」


・受付嬢

「はい、お疲れ様。

じゃあギルドカードの提示よろしく。

後はわかるわよね?」


・「はい、では工房に持って行きますね。

あ、ギルドカードはこれです。」


俺は奥の工房へと向かう。

工房の受付で糸草を渡す。


・「あ、糸草から自分で作った糸の買い取りとかってどこで出来るか教えてもらって良いですか?」


・工房受付嬢

「ご自分で作ったのですか?」


昼とはまた違った受付嬢が対応してくれる。

昼と夜で違う人がやってるのかな?


・工房受付嬢

「ちょっと拝見させて頂きますので、こちらに提出して下さい。」


俺は自分で作った糸、5本を出した。


・工房受付嬢

「フムフム、この出来なら問題なさそうですね。

こちらで買い取る事もできますが、何処かのお店に自分で売りに行く事もできます。

他にも自分で露店の開き、売る事も可能です。

お勧めはギルドで売る事ですね。

一定額ですが、1番安心ですから。

加工素材なら随時買い取りますよ。」


成る程、まあ1番安心なのはギルドか。

その内、装備品とかも作れる様になりたいな。


・「ではギルドで買取をお願いします。」


・工房受付嬢

「分かりました。

今回の糸草報酬が30束で60c

糸5本の買取で20cとなります。」


・「ありがとうございました。

また宜しくお願いします。」


俺はお金を受け取り受付嬢にお礼を述べて工房を後にした、、そして掲示板まで来た時。


・セリス

「よう、頑張ってるみたいだな。」


・「セリスさん、こんばんは!

遅くまでご苦労様です。」


・セリス

「ライオット、敬語に戻ってるぞ?」


・「あ、しまった、ついつい癖で。

お疲れセリス。」


・セリス

「おう、ありがとよ。

どうだ?これから一緒に飯でも行かねーか?」


・「良いね、まだ夜飯食べてないからペコペコだ」


・セリス

「よし、ちょっと準備するから待ってろ。」


そう言ってセリスさんは奥の部屋に走っていった


・「その間にステータス確認でもしておくか。」


ステータス 

レベル3 所持金 1156c

筋力 30 +10

知力 31 +10

敏捷性 32


スキル

自動マーカー、マップ、精神自動回復、順応力 


魔法

癒しの波動


技能

剣術レベル8 補正レベル1 筋力 2 敏捷生 2

杖術レベル1

盾術レベル1

体術レベル5 補正レベル1 筋力 2 俊敏性 3


特殊技能 補正値パッシブ(特

採取レベル12 補正レベル2 筋力 10 知力 10


加工技能 補正値パッシブ(加

裁縫レベル7 補正レベル1 知力 10



うむ、非常にごちゃごちゃして来た。

加工技能の補正もパッシブか、

採取と加工を極めればかなり強くなるな。

ゆっくりとやって行こうかな。

剣術スキルの伸びが緩やかになって来たみたい。

テンチュウではもう上がりにくくなってるのか?

加工や採取のスキルも同じ物ばかりだと上がらなくなるのかな?

色々と挑戦してあげていく方が良い気がする。

明日、もう一度糸草の群生地で依頼をこなして検証してみよう。


・セリス

「お待たせ、どうかな?」


セリスさんが戻って来た。

今日はいつもと違う感じだ。

何と言うか、女の子って感じの服装。


・「今日はいつもと雰囲気が違うね。

よく似合ってるよ。」


ちょっと恥ずかしそうなセリスさん。 


・セリス

「し、仕事じゃ無いから、たまには。

ご飯、行こうか?」


・「そうだね、何処か知ってる?

俺、あんまり知らなくてさ。

あ、あと安価なところでお願いします。」


・セリス

「フフフ、了解。

じゃあ、行こうか。」


何か、喋り方も少し違うな。

仕事モードと通常モードがあるのかな?

出来る女性はやっぱり凄いなぁ。

ギルド長だから威厳を持たなきゃって頑張ってるって所か、、

そう言えばリーシュさんも隊員の前では仕事モードにしてたし。

上の立場の人は大変だぁ。

だったらたまには息抜きも必要だよね。


夜の街を2人で歩く。

いつもはイケイケのセリスさんも、今夜は大人しい女性って感じだ。

見た目はちっちゃい女の子なんだけどね。


・セリス

「あ、ここ。

ここの店が安くて美味しい所。」


・「そうなんだ、中々良さげな店だね。

流石セリス、なんでも知ってるな。」


・セリス

「さっき奥で姉さんに聞いたの。

きっとこう言う店が良いだろうって言ってたから」


成る程、サリスさん凄いな。

展開を読んでる。

しかし、いつもと違うと何だか緊張するな。

どっちが本当のセリスさんなんだろう?

セリスさんもちょっと恥ずかしそうな感じだし。 

実は貴重な体験かも知れん。

2人は店の中に入って行った。


・「セリス、何かお勧め料理ってある?

俺、文字が読めない。」


・セリス

「あ、そうだった、じゃあ適当に頼むね。」


店員を呼び注文を済ませると、また沈黙が流れる

これは、俺が流れを変えるしかないか?

うまく出来るか不安だわぁ。


・「なぁ、セリス。」


ビクッとするセリスさん。

上目遣いは卑怯だ、

ちょっとした武器だな。


・「大丈夫か?

いつもとは大分違うから少し戸惑ってるけど。

無理してないか?」


・セリス

「ごめん、ビックリするよね。

ライオットは、その、

どっちの私が良い?」


ド直球で質問が跳ね返って来たわ。

どう言う事だ?

いつもの豪快なセリスさんと、

今のお淑やかなセリスさん。

この二択で良いか?

間違えると大変な事になりそうな予感。

慎重に行け、俺。


・「そうだなぁ。

どちらもセリスに変わりはないから、セリスが過ごしやすい自然体でいてくれるのが嬉しいかな。

無理してると疲れちゃうしね。

俺といる時は気を抜ける仲間で居たい。

と、俺は願う。」


セリスはビックリした表情を俺に向けた。

セリス自身も戸惑っているみたいだ。


・「まあ、気楽に行こうぜ、俺とセリスの仲だろ?

共にオークを殲滅させたさ。」


セリスは少し考えた後、ニッコリ笑った。

何か、決意を感じる笑顔だった。


・店員さん

「お待ちどうさまでした、リトルボアの網焼きとポポ草のスープになります。

スープはパンを浸しながら召し上がって下さい。」


おお、リトルボアとポポスープ。

ナイスチョイスだ、セリスさん。


・「うまそー、セリス、食べようぜ。」


・セリス

「うん。」


二人は気恥ずかしさからか静かに食事を済ませた。

会計も終わり、ギルドに戻る道すがら。


・「セリス、今日はありがとう。」


・セリス

「こちらこそ、ありがとう。

ねぇ、ライオット、、、」


少しの沈黙の後、


・セリス

「ごめん、何でもない。

じゃあ、アタシはギルドの仕事があるから戻るね

今日は楽しかった、また一緒に行きたいな。」


今日のセリスさんは本当にお淑やかだな。

うん、悪くはない寧ろ良い。


・「俺も楽しかったよ、また行こうぜ。

あと、、、

セリスが言いたくなったら伝えてくれれば良い。

無理する必要は無いからな。

俺はセリスの仲間だし味方だから。

気軽に行こうぜ!」


セリスがまた笑顔になる。

やっぱり女の子は笑顔が1番だね。


・セリス

「ありがと!

またね、ライオット」


・「気を付けてな!」


そう言って二人は別れた。

結局、奢ってもらっちゃった、、、


・「さて、俺もギルド宿舎に戻って寝るか。

明日は糸草の検証して、次の依頼かな。

軽く明日の計画を立てながら宿舎へ戻って行った」



~ギルドにて~


・サリス

「セリス、どうだった?」


・セリス

「うん、姉さんの言う通り、、

ライオットさんは優しかったよ。

どちらもアタシだから、自然体で居れば良いって言ってくれた。」


・サリス

「そう、、、貴方はどうするの?」


・セリス

「正直迷ってる。

急に変えるのもちょっと怖いし。」


・サリス

「そうね、結論を急ぐ必要は無いわ。

貴方は貴方のやりたい様にしなさい。

私がいつも味方で居るから。ね?」


・セリス

「ありがとう姉さん。」


そうして、姉妹の夜は深けていく。

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