第10話 糸草とギルド工房
・「えっと確か、立札まで進んで、
立札を左に進み、暫く歩いて左側の
小高い丘のお花畑らしき場所、、」
ぶつぶつと言いながら進む。
意外と遠い。
途中で道が合ってるか心配になる。
・「あっ、あそこかな?」
お花畑の様な場所を見つけた。
・「よし、マップオープン。」
マップを観ると赤い点が結構ある。
・「まずは安全確保だな。
手当たり次第に倒してみるか。
早速、剣を取り出してっと。」
アイテムボックスにしまっていた剣を取り出し
マップの赤点を目指して歩く。
・「この辺だと思うけど。
ん?コレか?てんとう虫みたいな。
デカいな。
見た目が地味に怖い。」
巨大なてんとう虫らしき生物
ギシギシと歯を鳴らしてこちらを見ている。
・「向こうさん、ヤル気満々じゃない。
やってやろうじゃない!」
こうして、
ライオットvsてんとう虫
の戦いが切って落とされた。
・「オラァ!」
ザシュ
・てんとう虫
「ギィィ」
あれ、かなり効いてる感じだな。
てんとう虫の攻撃も、リトルボアに比べるとすっごい遅いし、、、
最初に戦うべき相手はコイツだったのかもしれないな。
・「おりゃ。」
ザシュ、ザシュ、、、、
・テンチュウを倒しました。
7回目の斬撃でアナウンスが流れた。
テンチュウって言うんだ。
・「よし、問題なくいけるな。
近場のテンチュウを倒しまくるか。」
そこからは手当たり次第倒しつづけた。
5体ほど倒して。
・「ふぅ、ここら一帯は殲滅したな。
しかしレベル上がらないな。
ステータス」
レベル2
筋力 19
知力 24
敏捷性 20
スキル
自動マーカー、マップ、精神自動回復、順応力
魔法
癒しの波動
技能
剣術レベル4
杖術レベル1
盾術レベル1
体術レベル5 補正レベル1 筋力 2 俊敏性 3
・「おお、筋力が5も上がってる。
あとは剣術が4に。
あと1で補正入るかな?
楽しみだなぁ」
相変わらずステータスを見るとニヤニヤがとまらないライオットであった。
・「さて、採取なんだけど。
どれだ?この辺の草で良いのかな?
全部同じに見えるし。
とりあえず抜いてみるか。」
ブチッ、、
抜いた瞬間。
・糸草を入手。
採取スキルを獲得
以降、マップに採取ポイントが反映されます
おお、合ってたのか。
採取ポイントがマップに表示される様になるのか
・マップオープン
おお、この周辺が緑色になってる。
こりゃ便利だわ。
群生地だから周辺の色が変わってるのか?
例えば一房だけしかない時はマークされるのか?
コレも検証が必要だな。
さて、取りまくるぜ。
ブチ、ブチ、ブチ
・「ふと気になったが、
アイテムボックスはどうなってるんだ?
数とかどうやって調べるんだろう?」
アイテムを取り出す時は思い浮かべると言っていた
その点から想像を膨らませる。
・「アイテムボックスの中身を思い浮かべろ。
中身の一覧を見る感覚で。」
すると、
アイテム
糸草、糸草、糸草、糸草、
・「ほう、成る程
マップと同じ様に目の前に内容が映るのか。
どう言う技術なんだろう?
獣人恐るべし。
糸草は束ねられないアイテムって事になるな。
パンパンになるまで採取して帰るか。」
糸草を抜いては鞄に入れる作業を繰り返す。
途中で採取スキルの補正アナウンスが流れるが、とりあえずパンパンになるまで採取する事にした
そして、、、糸草を鞄に入れた時。
・収納限界です。
鞄から声がした。
・「おぉ、お知らせ機能まであるのか、便利。
便利だけどちょっとビックリした。
さてさて、採取スキルの補正とやらを確認して」
レベル2 所持金1,000c
筋力 22 +5
知力 24 +5
敏捷性 22
スキル
自動マーカー、マップ、精神自動回復、順応力
魔法
癒しの波動
技能
剣術レベル4
杖術レベル1
盾術レベル1
体術レベル5 補正レベル1 筋力 2 俊敏性 3
特殊技能 補正値パッシブ
採取レベル7 補正レベル1 筋力 5 知力 5
・「おお、パッシブ来た。
って事はステータスがずっと上がりっぱなしと言う事になるな。
しかも数値が高いぞ。
こりゃ採取レベルも相当大事だな。
良いね!
俄然やるに気になって来た。」
とは言え、すでに鞄はパンパンだ。
・「よし、一旦ギルドに戻って依頼達成の報告だ。
あと、ご飯食べに行こう。」
俺はウキウキしながら街へと走って行った。
~ギルドにて~
・「こんにちわ。
依頼達成の報告をしたいのですが。」
・受付嬢
「はい、分かりました。
ではギルドカードの提示をお願いします。」
俺はギルドカードを受付嬢に渡してから、目の前のカウンターに糸草を取り出して置いて行った。
・受付嬢
「ライオット様、糸草の採取ですね。
フムフム、38束になりますね。
では報酬をお渡しします。
1束 2c なので、76cとなります。
確認しましたので奥の工房の受付に渡して下さい
以後は直接工房の受付に直接渡して下さいね。」
あれ、38束なんだ。
なんでだろう?
剣が入ってるから残り枠39だと思ったんだけど。
と思いつつお金を鞄に入れる。
あっ、コレか。
お金もアイテムとカウントされるんだな。
糸草を鞄に戻して奥の工房へ向かう。
・「こんにちわ、依頼品はこちらで良いですか?」
扉を開けてすぐ右側に受付らしき場所を発見。
声を掛けてみた。
・工房受付嬢
「はい、その通りです。
小さいものはこちらで、中型以上の物は奥の広場に出して貰えると助かります。
おっ?
アイテム鞄ですね。
お客さん中々の高レベルの冒険者ですな。」
・「ハハハハ」
低レベル者なんですけどね。
やはりこの鞄、結構なレアアイテムだな。
大事にしよう。
ありがとう、セリスさん、リーシュさん
・工房受付嬢
「糸草を38束ですね。
(高レベルじゃ無いな。て事はどっかの金持ちか」
・「あの、一つお聞きしたいのですが。」
・工房受付嬢
「何でしょう?」
・「糸草の加工って何処かで見学出来たりします?」
・工房受付嬢
「見学ですか?そうですね。
ギルド員の交代時間が後50分程になりますので、30分後くらいに来れば見られると思いますよ。」
・「ありがとうございます。
では、また後で来ます。」
そう言って俺はギルド向かいの飯屋で時間を潰す
採取レベルがあるなら加工レベルも存在してるんじゃ無いか?
そう思ったから見学を願い出たのだ。
しかし、ギルド員の交代時間も教えられたけど関係あるのか?
交代前に加工すると決まってるだけかな?
しかし20分で加工って、中々の速さだよな?
糸草以外もあった筈だけど相当簡単なのかな。
・「行けばわかるか。
後はやってみてレベルの有無を調べよう。
とりあえず、飯だ。
宿舎に戻ればタダで食べれたっけ?
宿舎まで行くか、、、」
30分後、ギルドに来た俺は度肝を抜かれていた。
職人さん達が勢揃いしていたからだ。
・工房受付嬢
「今回、見学をしに来たライオットさんです。
加工現場を見たいだなんて珍しい事です。
皆さん張り切って行きましょう!」
何故か受付嬢のテンションが高い。
・ギルド職人
「じゃあ俺からだ。
いくぞ!」
そう言って素材を前に何故か構える。
目の前にあるのは鉱石?なのかな。
とりあえず俺には石にしか見えない。
・ギルド職人
「ふぅぅ。」
ギルド員の周りに魔力の珠が見えた。
感覚でしか言えないが、ネネさんやセリスさんとは比べ物にならないくらい薄い、、いや、わざとか?
任意で操作できるのか?
・ギルド職人
「ふぉぉぉ」
すると、魔力の珠を当てられていた鉱石が光り始め、形状が変化していく。
・「おお?
凄い。
変形していく。」
そして、
パシュ!
・ギルド職人
「銅のインゴットの出来上がりっと。
どうだ?凄いだろう?」
・「おおおお、凄い、凄いですよ。
石が変形した。」
俺は興奮気味にギルド員を称賛した。
その後も色々な変化や変形を見せてもらった。
・工房受付嬢
「さて、
最後がライオットさんが取って来た糸草だよ。
見学なんて来ないから皆んな喜んじゃってね。
糸草の加工をライオットさんに教えたいってさ。
コレは凄い事だよ。
滅多に無いんだから。
あ、でも魔力をかなり使うからやらなくても良いよ、どうする?」
成る程、
魔力を消費するから仕事の終わりにまとめて加工するのか。
仕事終わりならそのまま帰宅して休めるしな。
・「是非、教えて下さい。」
俺は迷う事なく答えた。
・糸草加工職人
「良く言ったわね、貴方、気に入ったわ。
手取り足取り教えてあげる。」
振り返るとそこには屈強な男が立っていた。
妙に露出多くないか?ッと突っ込みたくなる服装で、ニコニコしていた。
ちょっと怖い。
・「よ、よろしくお願います。」
・糸草加工職人
「近くで見ると、より可愛いわね。
ささっ、コッチにいらっしゃい。」
クネクネしながら俺を呼ぶ。
やべぇ、逃げ出したくなって来た。
でも、加工スキル取得のチャンスだ。
頑張れ、おれ、
負けるな、おれ
・糸草加工職人
「さあ、早くいらっしゃい
優しく教えて、あ・げ・る!」
逃げたい。
・「よ、宜しくお願いします。」
・ギルド職人達
「おい、行ったぜ。
あいつ中々見込みがあるんじゃねぇか?」
後ろで他のギルド員さんの声が聞こえる。
何かあったら助けてくださいよ?
・サリーヌ
「来たわね。
アタシの名前はサリーヌよ
では糸草の加工を行います。
んじゃ、まずこれね。」
糸草を1束程渡された。
サリーヌさんの前には大量の糸草がある。
・サリーヌ
「一回しか見せてあげられないからしっかり見てて。
まずは完成品をイメージすること。
そして加工する工程のイメージを作る
さっきのインゴットなら石を溶かす
皮を鞣すのであれば、って鞣すのは難しいわね
まあ、いいわ
原木を板材にするなら切り刻む
糸草も原木と同じ、
茎を糸状に切り刻むの。
、、、こうやってなぁ!」
サリーヌさん、
最後の掛け声、完全にオッサンです
と思いつつ観察をする。
魔力の珠が糸草の茎切る。
珠がカッターみたいに細くなってる。
魔力ってやはり形状を変えれるのか?
細く、細く切る感じだ。
・サリーヌ
「はいっ出来上がり。
どう?分かった?」
・「何となくですが、
やっている事は理解できました。」
・サリーヌ
「貴方もやってみて。
アタシが見ててあげる。」
明らかに無理してるよな。
はぁはぁ言ってるし。
本当に良い人なんだな。
・「では、やってみます。
完成品をイメージ。」
コレはサリーヌさんが作ったやつを見れば良い。
・「加工の工程をイメージ。
カッターで茎を切るイメージ。」
魔力の珠を体内から放出。
初めてだけど出来るかな?
放出のイメージ、ネネさんの回復魔法を思い出せ
体内の魔力の珠を外に出す感覚、、
暫くすると魔力の流れが伝わってくる。
・「よし、魔力の珠の形状を細くする。
そして茎を切断する。
焦るな、ゆっくり。」
成る程、これは集中力がいるな。
でも、出来る。
イメージだ、イメージを保て。
・「ふぅぅ、ゆっくり、ゆっくり。」
ボシュッ
完成品した糸は歪で、
とても商品にはならなそうな酷い出来だった。
・裁縫スキル獲得
来た、やはり加工系も存在するな。
よしよし、良いぞ。
・サリーヌ
「貴方、初めてじゃなかったの?」
ふと声を掛けられて振り返る。
俺の作った糸を握りしめてプルプルしてるサリーヌさんがこちらを見ている。
めっちゃ怖い。
何かやらかしたか?
気がつくと加工ギルド員が全員コッチを見ている
・「ご、ごめんなさい。
初めてなので何か間違えたでしょうか?
何を間違えたのかすらわからないです。
申し訳ありません。」
・サリーヌ
「あ、いえ違うのよ。
初めてで品物が出来るのなんて聞いた事なかったから驚いてるだけよ。
余程、魔力の扱いに慣れてるのね。」
・「あ、ありがとうございます。
たまたま、扱いに慣れてるであろう人の魔力に触れる機会があったのでそのおかげかと思います。」
・サリーヌ
「それでも凄いわ。
魔力の動きを理解しなきゃ加工は出来ないんだから、貴方ここの加工場に就職しなさいよ。」
後ろから、そうだそうだと声がする。
受付嬢もそうしなさいよ、と言い出す始末だ。
・「お誘いありがとうございます。
でも俺は冒険者で居たいんです。」
・サリーヌ
「そう、なら仕方ないわね。
ちょっと残念だけど諦めるわ。
でも、気が変わったらいつでも来なさい。
可愛がってあげるから」
ウィンクをしながらクネクネと勧誘してくる。
サリーヌさん、それ逆効果だと思いますよ?
後ろから、冒険者より安全だから入れとか。
一緒に加工しようぜ。
しっかり教えるから大丈夫だ。
ドサリガンドが怖えんだよ。
とか聞こえる。
ドサリガンド?誰だそれ
・サリーヌ
「おい、誰だ?
今、アタシのこと呼んだやつが居るよな?」
サリーヌさん?
怖い、怖いよ。
凄いプレッシャーだよ。
・工房受付嬢
「ライオットさん、早くこちらに。」
受付嬢が俺の手を引いて入り口まで送ってくれる
・「あの、これは一体?」
・工房受付嬢
「ドサリガンドって、サリーヌさんの本名なの、
ただ、その名前が嫌いでね、呼ぶとああなるの。」
指を指す先、工房内は大変な事になっていた。
サリーヌさんに投げ飛ばされる人、それを止めに入ろうとして投げ飛ばされる人。
大惨事だ。
・「き、気を付けます。
今日は本当にありがとうございました。」
・工房受付嬢
「いえいえ、久しぶりに楽しかったわ。
サリーヌさんの言ってた事、アタシも同じ。
気が向いたら工房に来てね。
待ってるわ。」
そう言って工房に戻って行った。
・「凄い濃密な時間だったな。
でもスキル獲得出来た。
後はレベルを上げていけば良いな。」
俺は再び糸草の採取依頼を受けてギルドを後にした。
・サリーヌ
「しかし、、、
あの子、魔力が減ってる感じがしなかったわね。
面白い子を見つけたわ。」
サリーヌことドサリガンドは、仲間のギルド員をブン投げつつライオットの事を考えていた。
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