第20話

金曜日の放課後。

帰りの支度をしていると、牧さんからメールが届いた。

内容は、一緒にいたい、日曜日まで泊まってほしいとのことだった。

短く返し、一度家に帰り用意を済ませ牧さんの家に向かった。


泣き出した牧さんを抱きしめ、ずっと近くにいた。

「瀬尾君、ご飯作ってほしいの」

「簡単なものしか作れないけど、それでもいい」

「瀬尾君が作ってくれるなら、どんなものでもいい」

俺は、リビングに向かいキッチンを借りて、オムライスを作った。

俺は、牧さんの部屋にオムライスをもっていき、二人で食べた。

牧さんは喜んで食べてくれた。

その後、牧さんのお母さん達が帰ってきて、俺は挨拶をした。

俺は、牧さんと一緒に寝た。


日曜日まで牧さんの家に泊まり、牧さんを少しでも安心させられるように傍にいた。


月曜日、目覚めると牧さんが学校に行くと言った。

俺は牧さんと一緒に登校して、職員室で牧さんのクラスの担任、筒地(つつじ)先生に牧さんのことを話した。なんとかクラスとは違う場所で勉強してもいいことになった。

俺が牧さんに声をかけると、謝られた。

「瀬尾君、ごめんね。私のために...私は先輩なのに、情けない先輩で。助けてもらってばかりで、ごめん...なさい」

泣き出す牧さん。

ベンチに腰かけている牧さんを優しく抱きしめる。

「そんなこと思わなくていいんです。謝らなくていいんです。春香が笑顔で居てくれれば、いいんです」

俺は、牧さんが居られる教室までついていき、別れた。


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