第19話

四季条さんから牧さんが受けたいじめを聞いた、夜。

風呂からあがり、好きな曲を聴いていた俺。

スマホがふるえ、すぐ手に取り耳に近づける。

「どうしたの、牧さん」

『せぇ...瀬尾く、ん......ぅぅ。いまぁ、っす...うぅ。だいじ......ょう、ぶ』

「大丈夫だよ。牧さん、何かあったの。泣かないで」

『瀬尾君...の声を...きぃ、聞きた...うぅ、くて』

「明日、必ず会いに行くから。牧さんの隣にいくから、泣かないでぇ、お願い。牧さんが安心するまでずっといるから」

俺は、彼女の泣き声を聞くと涙が溢れてくるようになった。

『きぃー...ぐすっぅ。てぇ、ね...ぇぇ。瀬尾くぅっ、んぅしかいな......いからぁ』

「わかったよ、必ず行くから...」

通話がきれる。

俺は、泣き続けた。何時間も。

いつの間にか、泣き疲れて眠りについていた。

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