第11話
私、楠木乃はベッドに横たわっている。時刻は午後九時。照明がついている。制服を着たままだ。学校から帰ってきてすぐに寝てしまったようだ。ダチのせおっちは少しダルそうに私の相手をする。なぜなのかその理由を聞けない。昼食に誘っても断られる。前は断ることがなかったのに、いや一度だけあった断られたことが。そのときはショックが大きかった。私のことが嫌いになってしまったのか、何かやってしまったかと頭の中でぐるぐるかけまわった。
今でもそのときのことを思い出す。
「みーちゃーん、お風呂にはいりなさーい」
階下からお母さんの声がした。返事をせずに風呂場に向かう。
身体をポカポカにして忘れよう。
20分後。風呂からあがって、お母さんに出たことを伝えて、自室にこもる。
私は照明を消してベッドにダイブした。明日もせおっちを誘おう。明日は断らないでね、せおっち、と私は小声で言う。
瞼をとじ、夢の中へ。
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