◇第32話◇アイドリング~道の途中で~
#それでも立ち止まると、そのまま蹲って動けなくなってしまいそうなんだ。
◆◆◆
とりあえず急ぎの仕事は一息ついて、返事待ちになっている。
それでも幸いにも別に、小さな仕事であるけれど依頼が途切れていないので、その下準備をしたり。
それと副副業の方も再度コツコツ。
これは期限がないので、急ぎの仕事仕上げの時には、つい後回し。
それどころじゃなくなるので。
仕事一息つけたんなら、少しでも休みなよってネットの友達から気遣ってくれる電話。
長年の友達だから知ってる。
わたしの休みベタな性格。
休んで止まると実際、ほんとにナマケモノのように何にもせず、寝たきりに近くなる。
子供がいるからまだ、本当に最低限のことだけ何とか危ういながらしてるけど、いなくて一人だけなら100%引きこもるだろう。
掃除や洗濯は気持ち悪くて耐えられなくなったらしたりとかするにしても。
自分で料理という行為は、やらなくなるような気がする。
っていうか極端なので、食べる行為もダルくなりそうな……。
ゆっくり休む、とかいうのが怖い。
まだ今は仮の休みっていう感じで、例えばどんなにダルくダラダラしていても完全に一日何も考えずに……とはいかないのが現状。
でもだからこそ、まだ、わたしというニンゲンは、かろうじて機能している。
メーター振り切ってヒイヒイヘタレながら走って、その後ガソリン無くなってきて、やっと一時停止。
それでも完全休止はできない。
アイドリング状態のまま。
それでまたフラフラ、ゆらりと身体を起こしアクセル踏み込む。
ポンコツなので、すぐには動けないけど徐々にスピードが上がってくる。
走り出すとブレーキ無いので、ガソリン無くなってくるまで再度、猛スピードで加速し続ける。
おーい!煙出てるぞー!って言われても、エンジンかからなくなるの怖くて、完全に止まれやしない。
何しろ、あちこちガタがきてるんで。
完全に止まってしまったら、その時は多分スクラップ決定なわけで。
それじゃ、まだ困るんですよ。
このガタピシオンボロでもまだ。
◆◆◆
今日とにかく進んで。
よーし、明日まで、って思って。
走り続けることは
闘い続けることは
多分、命消える瞬間まで。
◆
休み場所はあるけど、永住の場所で無く
旅の道すがら、すれ違ったり見え隠れする姿に勇気付けられながら。
これからも、道連れはいない独り旅。
燃費の悪い生き方。
今日もアイドリング。
それでも少し信号待ち。
景色は日々移り往く。
それは走り続ける限り。
さぁて、往きますかね。
遠くに今日も見える、あのひとのフラッグ。
向こうで懸命に手を振る、そのひともまた、傷む足を引きずり進んでる。
剣を持って今も闘ってるひとが、振り向きざま小さく微笑んでみせる。
ああ……みんな……みんな……
其処でそれぞれの命を、ひたすらに生きている。
どんなに偉大なものから、ちっぽけでつまらないと言われようと。
だから
往きたいと思う。
生きたいと、思う。
わたしも。
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*この頃のこと*
今よりも、もう少しだけ元気で、まだ細々と仕事していた頃のことです。
それにしても、休みベタは相変わらずですね。今も進歩ないなぁ(苦笑)
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