◇第26話◇かたむすび
夏休みも後半へ突入。
お盆も過ぎていった。
涼しくなるまでには、まだまだ当分あるだろうけど、8月が終われば一つの夏が、また終わっていく。
夏は苦手だけど、8月の終わりにいつも感じてしまう、この、やるせないような気持ちは何なんだろう。
季節の変わり目には、大なり小なり心が不安定になるけれども、夏から秋にかけてのソレが一番、わたしを落ち着かなくさせる。
冬にアノヒトが逝ったせいもあるのだろうか。
でも、そんなこと言ってたら、春夏秋冬どの季節も辛くなってしまうじゃないか。
◆
もうあれから、何度も同じ季節を迎えてきているのに、わたしの心はまだ、落ち着き場所を見つけられずに、頼りなく揺らいでいる。
いや、むしろ直後よりも彷徨い歩くように。
1年目は、色々な手続きや事後処理で必死だった。
2年目は、新しい生活を立て直していくことに追われた。
3年目を過ぎた頃から、いろいろな事を考えたり思い出したりするようになってきた。
余裕ができたわけじゃない。
ずっと、あれから走り続けなのに、走っていることがいつのまにか当たり前になって、そうでなければ反対に落ち着かないようになって……。
走りながら考えることを覚えた。
たいした適応能力って、斜めに自嘲してるジブン。ヤダね。
ジブンというものへの無意識の自傷行為。
それで安心する自分。
◆
生きる。生きる。生きる。
遠ざかりそうになるのを引き寄せる。
呪文みたいに、すがる言葉。
こんがらがったままの糸。
かたむすび。
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*この頃のこと*
少しまた遡って夏休み終わり頃のことですね。
年も前回の日記より前になります。
詩を書くということができなくなっていた時期が、ずっと続いていて。
でも、この日記を書いている数年間で 、たどたどしいながら想いを言葉にすることができるようになってきた気がします。
そうしながら、少しずつ詩をまた書き始めるようになっていました。
日記は心のリハビリでもあったみたいです。
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