◇第27話◇長雨・黒い雲・気の重い葉書(1)

 晴れ続きだったのが嘘みたい

 雨、じっとりとした湿気に偏頭痛。



 久しぶりに、っていうのも何だか変な気がするけど。

 うん。久しぶりに。


 書きたいことがなかったわけじゃなくて、むしろ色んなことありすぎて。

 気持ちに言葉が、ついて来れなかったっていうか、その。


 不器用ゴジラ健在。


 ◆


 昨日は個人病院と歯科の受診日で。

 午前中に病院。

 その後、一度家に帰り、子供ら連れてから午後に歯科受診。

 夕食の買い物して帰る。


 これだけでも、もうクタクタ。


 ◆◆◆


 帰宅後にポスト見たら葉書が一通。


 以前、詩の同人誌関係で、お知り合いになった年配の方から。

 ご縁があり(といっても、お顔も存じ上げないし、お会いしたこともない。たまたま、わたしの作品を気に入ってくださってのこと)

 ご高齢らしきことからメールでなく、お手紙などいただくようになっていた。


 お礼状をだしたら、お返事をくださるというのが続いて。

 それも、かなり頻繁になって文通状態になっていたんだけれども。

 正直、今のわたしには余裕というものがないし、気の張るお手紙のやり取りは、ものすごく疲れてしまう。


 それで、大変申し訳ないけれども、やんわりと、体調があまり良くないことと仕事の忙しさ余裕の無さを理由に、お返事が今後は出来そうにないと送って、そのまま、その後のお返事はしないままだった。


 それからも数通お手紙をいただいたけれども、どうにもこちらも余裕がなく……。


 ……そのまま数ヶ月が過ぎた頃。

 そうしたら、この葉書。


 もうずっと前に、その方の自叙伝?の小冊子を送ってくださったことがあったが、それがその一冊しかなく必要になったので、できれば早急に送り返して欲しいとのこと。


 正直、唖然とした。


 こちらからどうしても……とお願いして送っていただいたものではない。

 あくまでもアチラ様の意思で、お送りくださったものだと解釈していた。


 というか、わたしの感覚では、いったん相手に何かを贈った時には、それを相手の方がどうしようと、それはその方の自由だという認識なので。


 それを忘れた頃になって返してくれと言われても……。

 捨てては勿論ない。でも仕舞い込んではいる。

 そうそう見るものでは無かったし。人様にいただいたものだから粗末にもできまいと仕舞いこんだのは覚えている。

 ただ、その仕舞いこんだはずの場所を探しても無い。

 冷や汗。

 そんなバカなと思って焦るが、その他の仕舞いそうな場所を見ても見つからない。

 あぶら汗。


 溜息。


 時々こういうことがある。

 そうして諦めた頃にひょっこりと出てくる。

 え?そんなとこに仕舞ってた?ってとこから。


 一気に気分が重くなる。

 よりによって、この夏休みの終わりの忙しい日に。



 加えて嫌なことまで思い出す。


 昔、結婚したばかりの頃、義母から「もう使わないから」と古い錆びたオーブンを貰った。


 それでも何度か使った気もするが、さすがに暫くすると壊れて使えなくなって大型ゴミで捨てた。


 それから数年経った時に「あのオーブンだけど……」と言われた時には???と思った。

「あんまり使わないのなら返して貰えるだろうか」と言われた時には、ものすごくビックリした。


 一旦、人にあげたものを、数年後に返して欲しいんだけど……といえる神経。

 すぐにならまだわかるけど、こんなに時間が経ってから?



 古びていようと、どういうものであろうと、その人にとって大切なものというのはあると思う。

 でも、それなら、しっかりと自分が持って置けば良い。

 もしもコピーできるものならコピーの方を送ればいいと思う。

 もし、何かの拍子につい、あげてしまったというなら、せめてすぐに返してくれと言って欲しい。


 夏休みの終わりのこの日に、なんでこうなるのかな……(涙)


 下手すると当分、家中探し物。

 見つかって送り返すまで。

 で、らっしゃるようだから、あまり間が空けば、また葉書で催促されそうだ。


 欝欝欝……



 身体だるい。

 頭痛い。


 Please 薬薬薬……


 何もしたく……ない……



 そんなわけにはいかないけど。



 ◆◆◆



 Wish. Help me.



 そんなもの来たことなんてないのに


 追い詰められた時にココロで呟くのは

 それでも



 Wish. Help me.



 誰が

 誰が?


 誰も。

 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


*この頃のこと*


この文中の葉書の方、同人誌仲間のご友人でした。

その頃、わたしが出した詩集を読んで、その感想を、お手紙で丁寧に送ってくださって、とても嬉しかったのを覚えています(文学に関しても造詣が深い方でした)そのお礼状を出したのがきっかけで、お手紙のやりとりをする様になったのでしたが……。


(この顛末、次の日記に続きます)

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