第19話 固いうろこが愛しい


 七日後僕達は迷宮の砂漠を太陽の団、精霊の風の人たちと歩いていた。今回はレッサーリザードは連れてきていない。僕達がメニューのアイテムを使えば荷物は無限に持てるし、精霊の風のクリスさんとエリスさんは収納魔法が使える。


 レッサーリザードはそもそも必要無いのだ。そんなことを言ったらレッサーリザードがかわいそうだろう。僕は許さないぞ。


 ここは植物も少なくレッサーリザードにとってはあまり来るメリットは無いんだろう。


 寂しい。あの固いうろこが恋しい。そう思いながらみんなの後ろを歩く。



 僕達は七日間のレベリングでレベルを44まで上げていた、僕達はすでに49階層に到達しているが、50階層にはいっていない。


 階層の主は皆で倒す話になっているからだ。


 他の冒険者たちの希望で僕達は41階層から50階層を目指し歩いていた。


 僕達の転移で49階層まで行けばすぐなんだが、断られてしまった。それは味気が無いらしい。


 まぁ、妹の章子が彼らと一緒にいたいそうなのだ。別にいいだろう。


 章子とクリスさんはずっと隣で歩いている。彼らと一緒の時は章子は迷宮の中でキャンプすると言っている。


 レベリングでは毎日宿に帰ることを考えると驚きである。クリスさんは母親代わりということだろうか。妹が安心できるなら兄としては嬉しい限りである。


 僕と兄はすでにクリスさんには何度かお礼を言っている。クリスさんは私が好きでやっていることだからと言ってくれた。章子が珍しくて可愛いらしい。



 お兄ちゃんは、クリスさんの妹のエリスさんと隣同士で歩いている。二人の距離はかなり近い。


 お兄ちゃんはエリスさんの石人形を作っているようだ。ちなみにエリスさんが作ってみてくださいと頼んでいるのだ。




 エリスさんの氷の魔法ですか、氷結魔法ですか、すごいですね、攻撃魔法の派生魔法の中でも難しい応用魔法みたいですね。

 とか、


 まぁ、それほどでもありません、使える人は多いですよ。カズキの石の魔法の精密さの方ががすごいです。

 とか、


 でも俺の魔法で作った氷は白くなったり、ひびが入って砕けやすかったりします。綺麗な形になりません。

 とか、


 カズキの魔法は力技すぎます、理論しか知らないんですね。氷結魔法を根本から勘違いしているようです。魔術式を見直した方が良いですよ。

 とか、

 二人は話してる。




 あ、私の人形できてきましたね。

 とか、


 ええ、だいぶ、自信作になりました。

 とか、


 うーんでも私はもっと腰も足も細いですよ。

 とか、


 あ、ああ、そうですか、ごめんなさい、直します。細すぎるとすぐ折れてしまうので。

 とか、


 だったらもっと胸の部分は太くしてもいいんではありませんか。

 とか、


 ああ、はい。

 とか、


 もっとよく見てください。

 とか、話している。



 二人は楽しそうだ。いや、お兄ちゃんは困ってそうだな。しかし、かなり怪しい雰囲気を醸し出していやがる。


 お兄ちゃんに助け舟を出して、二人を引き離すか迷う。まぁ良いだろう、お兄ちゃんはきちんと考えているはずだ。兄に任せる。何より僕が面倒くさい。


 そんなこと考えながら、皆を後ろから眺める。


 そんな僕に男女のエルフさんが近づいてくる。この人たちは精霊の風のエイダさんとネイトさんというエルフの姉弟だ。二人ともエストックを使うお洒落な剣士だ。二人の戦い方を見ているとこういう細い剣を使いたいなと思う。自分の黒い鉄塊よりお洒落だ。


「カンタ君、もう少し前に来たら、少し離れてるんじゃない。」


「一人で歩いていても寂しいでしょう。」


 二人は僕に声をかけてくる。


「いえ、僕は後ろから皆を見てると落ち着くので。」


「なによ、それ。」


「へー、まぁまぁ、姉さんそういう時もあるよ。」


 そう言ってお姉さんと呼ばれたエイダさんは前を歩く人たちを見る。


「それにしても、あの姉妹は節操が無いわね。」


 エイダさんがつぶやく。前との距離は離れているが、会話内容は聞こえる距離である。まぁ、聞こえるようにして言っているのだろう。


「まぁ、クリス姉は小さい生き物が好きだから。普段は姉さんの方が節操無いし良いじゃないか。エリス姉は少し意外だけど。」


 弟のネイトさんが答える。少しにやついている。


 ちなみにネイトさんは姉をつけて呼ぶが、ネイトさん、エイダさんの姉弟と、クリスさん、エリスさんの姉妹に直接の血縁関係は無いらしい。


「意外ですか?」


「確かにね、昔は氷の魔法ばっかり使っている氷の女なんて呼ばれてたのよ。それがまぁ。」


 僕の声にエイダさんが答えてくれる。少しあきれた様子を出す。


 氷の女か。兄と肩を並べて楽しそうにしている姿からは想像できないな。そういえば、最初見たときは、少し冷たい印象がしたような気がする。


「へー。」


「この前、カズキ君が僕達と一緒に行くことを反対しただろう。それであの後落ち込んでたんだよ、私が付きまとったせいかもしれないって。」


「アハハ、そうだったわね。」


 そうなのか、それはそんな意味じゃない。エリスさんは全く関係ない。ただ単に僕が強くなりたかっただけなのだ。


「あー、なるほど、でもお兄ちゃんはそんなつもりで言ったんじゃないですよ。お兄ちゃんも綺麗な女性が近くにいると嬉しいんじゃないかなと思いますよ。」


 そう言うと、前を歩くエリスさんとお兄ちゃんの二人の距離が近づく。肩が触れ合う距離だ。エリスさんが近づいたのだろう。


「あらあら、良いのかしら、そんなこと言って。大事なお兄ちゃんがとられちゃわよ。」


 エイダさんがにやけながら僕に言ってくる。


 別に取られても良いけどな。もらってくれるならお願いしたい。まぁでも少し距離が近過ぎるなと思う。


「お兄ちゃんは巨乳好きなんで大丈夫です。」


 僕がそう言うと、エリスさんはさっと身を離して、お兄ちゃんの顔を見上げている。二人の距離は少し離れる。お兄ちゃんは人形つくりに集中しているようだ。いや、聞こえているはずである。お兄ちゃんは何事にも動じない時があるのだ。


「アハハハ、カンタ君は面白いわね。まさかそんなこと言うなんて。」


 エイダさんはそれを見て大笑いする。


「命は大事にした方が良いよ。」


 ネイトさんも笑いながら言ってくる。


 確かに命は大事にした方が良いだろう。今の僕はエリスさんに殺されても、文句は言えないだろう。


「冗談ですよ。お兄ちゃんの性癖なんて知りませんから。」


 そう言うと、エリスさんはお兄ちゃんの顔から目をそらし、また肩を並べて歩き始める。さっきほど二人の距離は近くない。まぁ、このくらいの距離感が良いだろう。


「カンタ君、貴方たち全員、私達のパーティに入らない?」


「ちょっと姉さん。」


 エイダさんが勧誘してくる。


「ネイトはこんな感じだけど、本当は私たち皆貴方達のこと気に入っているのよ。」


「それはとても嬉しいですけど…」


 僕は当然断ろうとする。


「私達のパーティに入れば、剣を教えてあげるわよ。」


 エイダさんは僕の言葉を遮って腰のエストックを抜いてみせる。


 細くきれいな剣に目が吸い込まれる。二人の戦い方はとてもお洒落だ。素早く動くが音が静かで、連携の取れた戦い方をする。


「見ていたでしょう。剣を教えて欲しいんでしょう。」


 エイダさんは揺さぶりをかけてくる。


 見ていたのがばれていたのだろう。それはばれるだろう。何か学べることが無いかずっと見ていたのだから。結局ただ美しい動きに見とれていただけだが。


 僕の頭の中で考えが巡る。この人たちとパーティを組んで何階層まで行けるのだろうか。この女神様から受け取った特大剣を捨てていいのだろうか。銀髪司書さんに教えてもらうのはあきらめるのか。


 僕の目はエイダさんのエストックに釘付けである。


「姉さん、困っているだろう。そんな焦らせるのはよくないよ。カンタ君、僕達はいつでも大丈夫だから、ゆっくり考えたらいい。」


「まぁ、そうね。」


 ネイトさんが助けてくれる。エイダさんは剣を収めた。


「そうですね、少し考えたいです。」


 というか、僕の一存で決めることのできることではない。


「そういえば、エレーヌさんという方を知ってますか?多分エルフだと思うんですけど。」


 僕は銀髪司書さんから聞いた名前を聞いてみる。


「エレーヌ?2、3人いるけど、フルネームは?」


「いや、エルフォードのエレーヌさんのことだろう。」


 どうやらネイトさんはすぐに思い当たったようである。


「知ってるんですか?どんな人なんですか?」


「話したことは無いけど、この街で学校なんかを建てている方だね。」


「へー。」



「私達より結構前からこの街にいるみたいだから少し顔が広いみたいね。でもどうして?」


「そのエレーヌさんが図書館で司書さんをしていたんですよ。それで少し話すことがあったんです。」


「へー。そういえば、図書館を建てたのもエレーヌさんだよ。」



「そうだったんですね。教えていただきありがとうございます。」


 図書館建てたのは司書さんだったか。もしかして、司書さんは館長さんだったか。お金持ちとか偉いとか言っていたけどあんなに大きな図書館建てるなんてすごい人だったんだな。


「でも、そういうのは、直接聞くのが一番よ。それじゃあ、私達は前に行くわね。」


「カンタ君、ここにはノアさんでも近くじゃないと察知できない魔物がいる。あまり離れすぎないようにね。カズキ君の探知が効かない魔物だっているかもしれない。」


「はい。ありがとうございます。」


 エイダさんとネイトさんは離れて前の隊列に並ぶ。ネイトさんはまだお兄ちゃんの探知の確実性を完全に信じているわけでは無いのだろう。慎重な人だ。


「そういえば、あんた、さっき私の方が節操がないって言ったわよね。」


「え、いや、それは深い意味は無くて。」



「節操無しに浅いも深いも無いわよ。」


「痛い、痛いよ姉さん。」


 そんなことを話しながら、エイダさんはネイトさんの肩を殴っている。


 仲のいい姉弟だな。




 しばらく歩いていると、今度は黒髪の女性がだんだん後ろに下がってくる。


「アンさん、何かありましたか。」


 僕は近くまでやってきたアンさんに声をかける。


「んー、カンタ君と少しお話したいなぁと思って。」


 僕の隣に並んで歩く。


「そうですか、僕も退屈してるので、嬉しいですけど。」


「この前の会議で、私達と一緒に討伐する計画に反対したのは、主にカンタ君の意見でしょう。多分、カズキ君は本来私達と一緒に来ることに賛成だったんでしょう。」


 その通りだ。三人だけの討伐を強く支持したのは僕だ。お兄ちゃんは本当は反対していた。会議では、お兄ちゃんは僕の代弁をしてくれていたのだ。


「…どうしてそう思うんですか?」


「カンタ君が愚直で、そして繊細だから。」



「意味が分かりませんよ。」


 愚直で繊細。前にも言っていたな。いや、大雑把で繊細だったかな。まぁどっちでもいい。


「迷宮の魔物をいっぱい倒して、強くなりたいっていう愚直さでしょ?」


「そういえば、アンさんの火の魔法は凄いですね。目で見ているものを燃やし尽くすまで消えないんですね。血族魔法の中でも、かなり強力。もしかして、名のある家の出身なのではありませんか?」


 自分の思考を言い当てられるのはあまりいい気持ちがしない。しかも、この会話は前の皆に聞かれている。あまり聞かれたくない話をされそうである。話を強引にそらす。


「そして、何より、私達の迷宮中毒を心配している繊細さ。」


 アンさんは構わず話を続ける。どこか責められているような気がする。


「…僕が先輩である貴方達のことを見くびってしまったことは謝ります。」


 この街最強のAランク冒険者である彼らにとって、ひよっこの僕達に舐められたのはさぞ腹が立ったことだろう。


「違うよ。」


 これじゃ無かった。


「僕が自分だけじゃない命の危険のある選択をしてしまったことも謝ります。」


 そうだ、三人だけで行くなんて、本当はお兄ちゃんだって、章子だって、二人ともを危険にさらすことになるのだ。はたから見て、腹が立っても不思議ではない。


「違うよ。」


 これでも無かった。


「僕がお兄ちゃんや皆の言うことに従わずに、自分だけの…」


「違うよ。」


 僕の言葉は遮られる。


「私はお礼を言いに来たんだよ。私達の心配をしてくれて、ありがとう。」


「別にお礼を言われることじゃないですよ。」


 本当に、別にお礼を言われるようなことでもない、お礼なんて軽く受け流せばいいはずなのに、自分の顔が赤くなっているのが分かる。なぜかすごく恥ずかしかった。


「ねぇ、カンタ君、私達のパーティに入るつもりはない?」


「必要としてくれるのは嬉しいですけど、無いですね。最近は人材不足なんですか?」


 つい先ほど、精霊の風にも誘われた。この街の代表のパーティがこんな簡単に人を入れても良いのか。


「フフ、私達は精霊の風ほど節操無しじゃないよ。私達が入ってほしいと思っているのはカンタ君だけだから。まぁ、カンタ君が兄と妹も入れたいっていうなら考えるけど。」


「どうして僕なんですか、兄貴の方が役に立ちますよ。」


 僕だけを勧誘したいなんて嬉しいけど、兄貴を入れた方が良いだろう。


「んー、カンタ君が一番優しいからかな。エド、ノア、カイ、ダン全員が賛成したのはカンタ君だけだよ。」


「別に人並みですよ。兄貴と章子も優しいですよ。」



「カズキ君は、カンタ君とショーコちゃんのことしか見てない。ショーコちゃんもお兄ちゃん二人しか見てない。」


「章子は自分のことしか見えてないですよ。」


 お兄ちゃんは僕達のことを第一に考えていることは認めよう。でもお兄ちゃんはきっと僕より多くのことを見ている。


「まぁ、別にそれでも良いけど。で、どうするの、パーティに入ってくれる?」


「太陽の団と精霊の風の皆さんはどれほどの実力なんですか?何階層で戦える力があるんですか?迷宮の最深層にたどり着けますか?」


 僕は質問で返す。この人たちは迷宮の最深部を目指していないのだ。迷宮を楽しく冒険しているだけなのだ。死んでもいい僕達とは話が違うのだ。


「私達はおそらく60階層で通用するくらいの実力だよ。一生懸命頑張っても80階層ぐらいにしか行けないだろうね。」


「僕達は100階層を目指しています。僕達と一緒にいると危険なんですよ。」



「多分カズキ君は私達が邪魔にならない階層まで一緒に行こうって言ってるんじゃない?」


「その通りです。よくわかりますね。」


 その通りだ。60階層まで彼らと一緒に行けばいいのだ。それが最も合理的な判断だろう。誰もがそう思うはずだ。


「カンタ君は私達のことを心配しすぎだよ。これはお兄ちゃんが正しいと思う。行けるところまで一緒に行くべきだよ。私達もカンタ君と一緒ならより深い場所にいける。危ないと思ったらそこでお別れ。カンタ君が心配することは無いでしょう。」


「僕達はもしかすると、3人だけで迷宮の100階層に到達しないといけないのかもしれないんです。」


 そう、これも懸念事項だ。女神様は言っていたんだ。僕達が目標を持って生きてそれを達成して欲しいと。そしてそれが迷宮をクリアすることだと。他の強い人に頼り続けて迷宮の100階層に到達した時私達は本当に迷宮をクリアしたとみなされるのか。


 お兄ちゃんは関係無いだろう。と言っていたが、僕は心配だ。なるべく僕達だけの実力で最深部まで到達するべきだ。しかし、おそらくは関係が無い。三人だけとは言われていないのだから。これはあくまで僕の行動の後付けの理由だ。すべての可能性を考慮するべきだ。


「三人にとっては100階層に何かがあるんだね。」


「そうです。」


 元の世界に帰るために100階に行くんだ。


「元の世界に帰るための何かがあるんだね?」


 そうです。


 自分が心の声を出してしまったのかと錯覚した。


 僕は驚いて隣を見る。


 アンさんは前を向いたまま歩いている。綺麗な横顔をしている。


「みんな気付いてるよ。カンタ君たちが別の世界から来たって。」


 前を歩く皆は黙って歩いている。この砂漠は静かだ、弱い風が地面の砂をこする小さな音しか聞こえない。


 お兄ちゃんはこちらを振り向かない。章子はちらりとこちらを見るがすぐに前を向く。僕に任せるということだろう。



 僕が黙っているとアンさんが話し始める。


「突然現れて、すごい能力でもうこんな階層までたどり着いてる。でも、歴戦の戦士というわけでは無い。この世界のことはほとんど知らない。ガシア王国から来たはずなのに、血族魔法も知らない。」


 そういえば、アンさんに直接血族魔法について聞いてしまった。すっかり忘れていた。


「戦い方も知らない。ただ命知らずな戦い方、普通はあんな一人で前に突っ込んでいかないし、行けないんだよ、怖くてね。迷宮でどのくらい多くの人が死んでいるか実際は知らない人の戦い方だよ。エドは好きって言ってたけど、私は嫌いだよ。もっと自分を大事にした方が良いよ。私達が前に飛び出たカンタ君が怪我をしないようにするのは少し大変なんだよ。」


「それはごめんなさい。」



「カンタ君たちは恐ろしい速さで強くなってる。もう私ではカンタ君の剣が見えなくなってしまった。この七日間魔物を倒しただけじゃここまで強くならない。この間とは別人レベルの強さ。最深層まで行くっていうのもおそらく遠い未来の話じゃない。」


 もうごまかすのは無理だなと思う。僕は全部話すことに決める。



「その通りです。アンさんは何でもお見通しなんですね。少し怖いです。僕達は異世界から来ました。早く元の世界に帰りたいんです。」


 早く元の場所に帰りたい、か…アンさんは小さく呟く。


「そうだよね。私も自分が勝手に抜け出してきたのに、家や故郷に帰りたくなることがあるよ。いい思い出なんてないのに。カンタ君たちは来たくもない場所に連れてこられたんでしょう。そう思って当然だよ。そういうことなら、私はもうカンタ君を困らせたりできないね。」


 アンさんは少し寂しそうな声で言う。


 そうか、アンさんでも故郷に帰りたいって思うんだな。


「そうして下さい。」


「でもね、カンタ君、何か別の理由で避けているようだけど、他人に頼ることも大事だよ。やっぱり三人だけっていうのは無理があるよ。私達はできることなら協力する。私達の力が必要になったらいつでも協力するからね。」



「そうですか、ありがとうございます。」


 アンさんはなんて良い人なのだろうか。初めから正直に話しておけばよかったような気がする。きっと無意味な心配を皆にかけたんだろう。



 他人を頼る、か。別に今までも全部自分達だけでやろうと思っているわけでは無かった。でも、次からもっと他人を頼るようにしようかなと思う。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る