第9頁「心霊写真」
俺は霊能者と言った類いの商売をしている人間は一切信じない。
その理由を今から話す。
俺がまだ二十代前半の頃、
怖いもの見たさもあったが、端から信じていなかったからだ。
しかし、その内の一つに本物があった。
詳しくは言えないが、とある廃墟に行ったときのことだ。
廃墟の近くには社があり、持っていった使い捨てカメラのフィルムには廃墟で撮った残りがあったので、そこでも写真を撮った。
そして、現像した写真には明らかにそれとわかる心霊写真があった。
廃墟では何もなかったが、社の前で撮影者以外の全員で撮った写真が異常だった。
写真には十数個の光の玉が写り込んでいて、それはその場にいた人間が見ると明らかに異常だった。
写真をテレビの心霊番組に心霊スポットの近くで撮ったと書いて送ったところ、採用され放送もされた。
その写真は、社の前で俺達が横並びになっている写真だった。
出ていた霊能者は、写真を見るなり九人の男性の周りに無数の光があると話したので、俺は商売で霊能者をしている人間は信じなくなった。
その後、その写真を撮ったことによるものとこじつけることが出来る様なことがいくつか起きた。
最後に事実をありのままに書く。
信じなくて構わない。
その写真を撮った日、俺達は五人しかいなかった。
その場でカメラの前にいたのは四人だった。
写真に写った俺達の周りの連中は一度も見たことのない連中だった。
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