第8頁「心霊好きな女」
俺の友人にどう考えても普通じゃない趣味を持つ女がいる。
その趣味とは、心霊スポットに泊まることだ。
昨日、彼女が先月末に福岡県のあるトンネルに行ってきたと俺に話をしてきた。
そこは業界ではかなり有名で、行ったら事故に遭うとか死ぬとか言われてる場所らしい。
彼女の話の内容はこうだ。
いつも通り寝袋で泊まろうとしたが、そこには先客がいて、その人達はトンネルの中間辺りで火を焚きながら騒いでいた。
せっかく来たのに、その人達のせいで興醒めだったが、
翌朝起きると、その人達の姿はなく、何もなかったことを残念がりながら帰宅し、シャワーを浴びようと服を脱ごうとしてやっと異常に気がついた。
着ていた衣服が煤で真っ黒になっていた。
ここまでが彼女の体感した話だ。
そんな汚れていれば家に着く前に気付くだろうと俺が指摘したら、それが心霊の怖いとこと言われた。
そしてその後、彼女は笑いながらこう言った。
「そう言えばあの人達、私が起きた時にはもういませんでしたけど、私が入口に寝ていたのにどうやって私にバレずに帰ったんですかね?あそこ、もう使われてなくて出口は埋められちゃってるんで、帰るときに私の横を通るハズなんですけどね。それと、あの火を消した後、真っ暗な中でどうやって過ごしてたんですかね?ははは。」
心から疑問視している女を見て、この女はある意味凄いと思った。
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