第4頁「黒いごみ袋」
21世紀生まれ、21世紀育ちの世代にはわからないかも知れないが、昔のごみ袋は全部真っ黒だった。
それに何が入っているのかわからない。
燃えるゴミなのか燃えないゴミなのかもわからない。
それで昔はよく、本当に分別をしているのかどうかを調べるために中身を漁る町内会のうるさいババアがいたもんだ。
今でもたまに、うるさいババアが袋を開くことがあるらしいが、今も昔も他人の捨てたごみ袋を勝手に開けることはしないほうがいい。
そこにナニが入っているのかわかったもんじゃない。
当時の俺はまだ高校生で、色々欲しい物があったので毎週末は引っ越しの日雇いバイトをしていた。
その引っ越し先の一つであったことだ。
「これ、いらないから捨てといてくれる?」
「了解しました。では、失礼します!」
その日は荷物の少ない女性一人の引っ越しということで、先輩と俺の二人だけで作業に来ていた。
先輩が車をまわしてくるということで、最後の挨拶をバイトの俺がしていたときに一つの黒いごみ袋を渡された。
(なんだこの袋?ガチャガチャうるせえな…)
そのごみ袋は引っ越しで運んだ荷物には含まれていなかったので、この日以前にその女性が新居に来たときに出たごみを入れたものらしかった。
金属音がしていたので、先輩と俺はもしかしたら金目のものが入っているかもと話して中身を確認してみた。
するとそこから注射器やら何やら見たことのないものが出てきた。
怖いので直ぐに捨てた。
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